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第84話 情報と実態……

私達を叱るのと同じ様に。

それは、延いては私達に返るから。

率いる大人が間違えれば、子供も共に間違える。

間違えたことにすら気付けず、それを正しいと信じ続けることさえ有り得る。

故に叱るのだ。

子供を導く大人である故に叱られるのだ。


……とは言え。

今回の事をどう処理するつもりなのか、は不透明だ。

子供の好奇心とそれに応えた大人の構図で、どちらも間違ってはいない。

故に、苦く思いながらも受け入れるのだろう、とは思う。

苦言が付随するだろう、とも思う……が。

その苦言が、ラルスさんに向くかどうかと言えば、これも怪しい。

なにせ、私がいるから。

止められないだろう、と判断が下される可能性が限りなく高い。

そうなれば、苦言は…いや、全ての責が私に向く。

そして、その判断は、あながち間違いでもないが故に、私は甘んじて受ける事になる。

となれば、ラルスさんは無罪放免だろう。


だが、牧場での仕事を肩代わりしてまで、冒険者ギルドへ連れていった事に関して、どう出るのかが判らない。

ただ、冒険者ギルドとの関わり…ギルドマスターからの依頼を考えれば、一連の流れと認識もされるだろう。

だが、ここを転機に子供達の行動範囲が切り開かれることをどう思うのか、が問題なのである。

とは言え、それを認めさせる為に私が戻る訳で。

私は行動範囲の拡張をもぎ取るつもりな訳で。

私の相手しつつ、ラルスさんに構う余裕があるかどうか……いや、ラルスさんを味方に引き入れようとする可能性も高くなる、という流れか…?

だとすれば、ラルスさんの有用性を知らしめておくべきか。

ならば…今日、この時間に戻れるのは僥倖だろう。


「……ここで放置されると不安が積もるんだがなぁ」


ぼやく声に思わず笑みが浮かぶ。


本心だろう、と思う。

情報と実態の解離。

それを起こしているのが神父様だと気付いているのだろう。

気付いて、情報を浚って尚、解離はそこにあり、実態は想像を越えて奇想天外なのだろう。

だからこそ、警戒したい。

だが、それが相手を警戒させる。

どう対応するべきか、答えが出ていないのだろう。


しかし、それで良いと思う。

百聞は一見にしかず、であり。

情報の真偽は自らの目でしか確かめられない、のだ。


相対して、初めて対応の仕方が定まる。

そういう相手だと思うのでね。


さぁ、教会に着く。

道案内もなく、迷うことなく辿り着く。

それを不審に思わない私に何も告げないのは、気付いていないから、ではない筈だ。

もう、私の異質を問う気もないのだろう。

だが、異質は、既に私だけではない。

何処まで、自力で着いてきてくれるだろうか?

何処から、手助けが必要だろうか?

この人が、どう感じ、どう動くのか、楽しみだ。

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