第77話 興味関心……
「かくいう私も、ここの資料を片っ端から確認したいという気持ちを抑えるのに苦労しておりますので」
「……どうやって抑えてんだ?」
「ギルドマスター様と面識も持てましたし、今後、ここに来れるようにする為にも、今は報告書の確認作業を含め、出来ることをきちんとする、と」
「…今後も来たいと思うほどのもんなのか、ここが?」
「見たことがない、知らないだろうものばかりであれば、それはもう」
「資料なんぞ面白いもんか?」
「私達には、まだ知らない事が多いですから」
「ここにあるのはオレ達だって知らないものが多いがなぁ」
「…確かに興味がなければ面白くは感じないかもしれませんが」
「お前達は興味がある、と?」
「…院に来た方々からは自分達に負けず劣らぬ好奇心と知識欲の塊だと言われもしました」
「お前が?」
「院の子供達が、です」
「そうか…だがなぁ、ここにあるのは雑多なもんだろう?」
「……それぞれの興味がある事柄に違いがあるのは確かなのですが。今回、魔獣に関わったことで今は興味関心がそちらに向いていますので。ここの資料は基本的に外の事柄が多く、少なからず魔獣の関わりが認められる以上、概ね、問題なく、興味の範疇かと」
「あー…そういう……」
「そこに、あの報告書です。頼られている事と自分達で決めた事が相まってますので。止まらないかと」
「止めてはくれないのか?」
「私は別行動となりましたので」
「…そう、だったなぁ……」
「とりあえず、本日は、このまま引き上げますので。明日以降、気を付けて頂ければと」
「んー…それなんだがなぁ。牧場に戻る必要あるか?」
「? 私達が受けた仕事ですし、見習いの方々も夜はお帰りになるのでは?」
「あいつらに任せられるなら良いってことだな?」
「牧場の方の了解が得られるのなら、でしょうか…?」
「おー、それなら、ちょっと、ここで待っとけ」
言い置いて、ラルスさんは1人で資料室を出ていった。
その姿に気付いた子供達が首を傾げる。
「どこ行ったの?」
「…さあ?」
問いかけに同じ様に首を傾げてみせる。
冒険者の方を窺えば、彼等は訳知り顔で「ちょっと待っとけ」とラルスさんと同じことを言う。
そして、少し待って、戻ってきたラルスさんは開口一番、問いを投げてきた。
「ギルドの仮眠室と3軒向こうの宿とどっちがいい?」
「「「「「?」」」」」
私を含めた子供達が首を傾げる。
「牧場の方は見習い連中で回せそうなんでな。お前達が戻らず、こっちで寝ても大丈夫そうなんだよ。ここから離れんの嫌そうにしてたから、今、確認してきた。どっちに泊まりたい?」
「「「「!?」」」」




