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第72話 紙の価値は……

「こちらを読み始めてもらえますか? 私は机の方を確認してきます」

「わかった」

「分からないことは訊いて…こちらを使ってください」

「いつも通りで良い?」


手渡した紙とペンを見た子供達の問いに少し考えてピンも取り出した。


「頁が分かるようになっていないようなので、これも渡しておきます」

「紙は小さくしても良いよな?」

「そうですね。見やすく、無くさない程度なら、その方が良いかもしれません」

「じゃあ、そうする。そっちはよろしくね」

「はい。そちらをお願いします」

「分担が決まったみたいだな」

「はい。とりあえず4人が先に資料を読みます。申し訳ありませんが、理解できない事柄や文言があれば解説をお願いします。私は机の上の資料を確認します」

「了解した。お前達そっちな。お前にはオレがつく」


ラルスさんは指示を出し、再び私を抱き上げる。


「…この移動で必要ですか?」

「この部屋の机と椅子じゃ、お前達には使いづらいんだろう?」

「…成程」


運ばれて椅子の上に立たされる。


「あの、靴を…」

「構わん。汚れるからそのままだ」

「……はい」

「全部、見れるか?」

「手元のものから見ていきますので…」


机の上、目の前の資料を手に取る。


「というかだな。関連してるかどうかなんて分かるのか? お前、まだ中身ほぼ知らないだろ?」

「それぞれの束の2枚目が概要項目だったので、なんとなくは…ただ、地名のようなものは地理が不案内で判らないものもあり、判断が出来ないかと思いますので、お願いすることになるかとは思いますが」

「了解した」


そこからは黙々と分類分けに努め、おおよそ1時間程が過ぎて手を止めた。


全体の4分の1は2つの森に関する資料。

全体の半分は関わりとしては曖昧に見える資料。

残りは関連が全く見えない資料。


関連がある資料の方が少ないようにも見える。

だが、報告書の内容によっては全て、何かしらの関係性を疑っている、という可能性も捨てきれない。


分類して積み上げた資料を揃えて置き直し、見出しとなる言葉を記入した紙片を添えておく。

これで、他の子達にも伝わるだろう。


「…なぁ。その紙、どうしたんだ?」

「教会から院へ下げ渡される品の1部です。必要な分だけ使用して良いと言われています」

「まじか…」

「……紙はそこまで高価なものでしょうか?」

「安くはないが、高いって程でもない。とはいえ子供に持たせるかと問われるとなぁ…」

「…院では勉学に使用するようにと用意されているので知りませんでした。注意が必要ですか?」

「大丈夫だとは思うが、人の多いとこで話題にしない方が良いかもなぁ」


……ここも必須か。

早めに進める方が良さそうだ。

紙自体は作れているのだから、やりようは幾らでもある。

この紙も、その試作で出来たもの、な訳で……あぁ、巻き込むか。

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