第70話 依頼を……
束はそれぞれ、どちらもそれなりの厚みがある。
これを読むとなれば、それなりに時間がかかるだろう。
だが、読まねばならない。是が非でも…!
「少々、厄介なことがその2つの森でありまして。ただ、ボク達では多分、見えていない理由がありそうだと気付けはしましたが、それが何かまでは解らず頓挫しています」
…分かりにくいな。
「今ある我々の見解や推測を知る前の、君達が率直に感じ、思った事を聞きたいのです。お願い出来ますか?」
…成程。先入観のない状況で見えるもの、か。
私は無理だが、他の子達ならいけるだろう。
「こちらは、この部屋からの持ち出しも不可でしょうか?」
「いや。今回は第2資料室の使用許可を取ってあります。そちらの資料室の資料も必要であれば見て頂いて構いませんので」
ギルドマスターに頷いて見せてから、子供達を振り返る。
「これを読むとなると時間がかかるかと思いますが…私は読んでみたいと思います。皆はどうしますか?」
見せた紙の束にラルスさん達は苦笑い。
だが、子供達は目を輝かせていた。
外の…森の調査報告書。
興味がそそられたに違いない。
「読みたい!」
「資料室が気になる!」
「漁ってもいいのかな!?」
「気になるのあったら見てもいい!?」
「……それは私ではなく、こちらにお訊ね下さい」
本来は駄目、なのだろうが。
第2と言っていた位だ。
どこまでが置いてある資料室なのか、によっては駄目ではない、可能性もある。
「「「「駄目ですか!?」」」」
揃った声にギルドマスターが、びくりと震えた。
いや、そんなに驚かなくても……あぁ、だが、あんなにキラキラした瞳で一斉に問われたら、まぁ、ちょっとアレ、か……
「あ、その、第2資料室の資料なら、どれを見てもらっても大丈夫、です」
「わ! やった!!」
「でも、あれに関する事が先だろ?」
「けど、あれ2束だから待ちが出るでしょ?」
「その間に棚の本の確認しとけばいいだろ?」
「……いやいや。とりあえずは全員こちらから、です。そこから分担でしょう」
「「「「はーい」」」」
良い返事が戻ったところでギルドマスターに向き直る。
「それでは私共は資料室、という所へ行かせて頂きたいと思いますが、大丈夫でしょうか?」
「あ、はい。それはもう、こちらとしては有り難いので。でも、良いのですか?」
「勿論です。ですが、一点だけ。もし、資料が足りなかった場合はどうすれば良いでしょうか?」
「ありがとうございます。不足の資料…別の資料室か書庫かにあるかもしれませんが、そちらに入ってもらうわけにはいかないので…」
「あぁ、それならオレ達が申請してギルド員に確認でいいか?」
「それでお願いします」
「了解した」
自然と会話に加わったラルスさんを見る。
「…資料室にも居てくださるのですか?」




