第69話 年齢は……
「お初にお目にかかります。この度は私共にお声がけを頂いたとの事で来訪させて頂きました。私はシアと申します。このような姿でのお目通りにて失礼致します。更に失礼を承知でお伺いさせて頂きます。貴方様は種族的な年齢は如何ほどでございましょう?」
「え、あの…」
「……私のような者に言われたくはないかと存じますが、外見的要因から人族とは生きる時間が異なられているのではないかと推測されるのですが……」
「!! あ、はい、その… 生きている年数は百を越えましたが… でも、その……人の年齢で言うと20歳くらいで……」
「「「「「!?」」」」」
ラルスさん達が息を呑むのが分かった。
そう。
この人達は生きた年数=年齢ではない。
いや、生きた年数分、見てきたものも多いから、本来ならそうであってもおかしくはないのであろうが、基本的には成人するまでの成長速度は見た目通りの成長でしかない。
そこからも見た目は余り変わらないから、そこからやっと見た目と知識や技量に差が出てくる。
……100年生きて、やっと成人、みたいな種族なのだ、この人達は……
「私はまだ5年しか生きていない若輩者ですが。何故、ここに呼ばれたのでしょうか?」
背後からヒソヒソ話す声が聞こえるが、静かにしてて欲しい。
…私の方が年上に見えるとか言うな。
「あ、その…… ラルスさん達から話を聞いて、実際に会ってみたくて。ただ、会ってみたいだけなら、こちらから出向けば良かったんだけど…その、君達が良ければ、見て貰いたいものがあって……でも、それが外への持ち出しが出来ないものだったから来てもらえないかと思って……」
「……持ち出し禁止なのに、私共が見ても良いのですか?」
「うん、そこはボクの権限で問題ないです。魔獣の件で新しい見解を紐解いた君達なら別の見え方がするのかもって思って、意見を貰えたらって」
その人は荒れた部屋を気にもせず歩き、執務机の上から紙の束を持って戻ってきた。
「これなんだけど……って、あ、すみません。ボクはギルドマスターの職につかせて貰ってますルズリアと申します。名乗りが遅れて申し訳ありません」
差し出そうとした紙の束を胸に抱いて、頭を下げる。
「いえ、大丈夫です。私共に丁寧にありがとうございます、ギルドマスター、ルズリア様」
「!? 様とかいらないいらない!!」
「ですが……」
「呼び捨てがしづらいならギルマスって呼んでくれて大丈夫なので。大半がそう呼ぶし」
「……では、そちらで。ギルドマスター、そちらが私共が見ても良い資料なのでしょうか?」
「うん。ただし、ここにいる者以外へ話すのは避けて頂けると助かります」
「承知致しました」
差し出された紙の束は厚く、子供の手にはずっしりと重い。
だが……
「……常緑の森と深緑の森の調査報告書……?」
何故、今、これが、ここにある…?




