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第68話 教育係の……

「これは言い訳が出来ん。見習い達は足を運んだ。お前達の話を聞く限り、城の者達ですら自ら足を運んでるんだろう? それを呼びつけといて、これじゃあ話にならん」


口を開きかけたその人を射抜くように見てラルスさんは言い捨てる。


「お前がここで知りたかったことはこいつからじゃなくても得られるものなんだろ?」

「…元々、ギルドマスター様にお会いする、等とは考えておりませんでしたので」

「だよな。オレ達が頼んで依頼した形だ。ましてや下でここに来ることを突き付けて悪目立ちまでさせた」

「……悪目立ちの自覚はあったのですね」

「当たり前だ。こいつの目的とオレ達の理由。それから、お前達の立ち位置を考えれば仕方なかったトコでもあるが…」

「…これからを考えれば仕方ない、とは私も思います。その上で聞きます。ここでギルドマスター様の用件を聞かずにギルドを出ることは悪目立ちのままになりますか?」

「ならない」

「何故ですか?」

「オレが話すから」

「……内容を知っておられるのですか」

「オレ達が持ち込んだ話から派生した目的で理由だ」

「それならば、最初からラルスさんが話して下さっても良かったのではありませんか?」

「オレ達はギルドでは古株で、そこそこ名を知られちゃいるが一介の冒険者に過ぎん。この先の事を考えればギルマスに任せるのが妥当な案件だろうと判断したんだが。まぁ、甘かったな…」


見れば、ラルスさん以外の面子も冷ややかな視線を向けている。

これはまた…どういう関係性なのか…


「あの…答えられないようであれば、答えて頂かなくても良いのですが、一点、お聞きしても?」

「なんだ?」

「こちらの……ギルドマスター様と皆さんはどういったご関係なのでしょうか?」

「あぁ、それなら問題なく答えられる。皆、知ってることだからな。オレ達は、こいつの教育係の一端なんだよ」

「……一端?」

「そう、オレ達以外にもいるからな。前のギルマスが急に引退を余儀なくされてなぁ。次代がまだ育ってなかったんだ。前のギルマスには世話になったし恩もある。頼む、なんて言われちゃ断れなくてなぁ。ましてや、こいつがこうだから。どうにもこうにも、なぁ…」

「……あちらの方、見た目通りのご年齢ですか?」

「違う。だから、余計になぁ……」


ラルスさんの盛大な溜め息に、他の面子も息をついたり、首を振ったり……


成程な……

これは、このまま、という訳にもいかないか……


「ラルスさん、降ろして頂けますか?」

「……いいのか?」

「勿論です」

「悪いな…」


降ろして貰った私は、その人の前に立つ。

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