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第67話 足蹴に……

故に、ギルドマスターの呼び出しで、ラルスさん達が保護…いや、庇護か?…をしている状況で手を出してくる輩がいないことを祈るばかりだな。

慣れない状況で焦れば、調節も狙いも甘くなるだろうから被害が出るかもしれない。


そんな事を考えている間に、私達はギルドマスターの部屋の前まで連れてこられていた。

ドアをノックしたラルスさんが返事を待たずにドアを開けた。


「ギルマス、連れてきたぞ。生きてるかー??」


勝手にドアを開けた上に、その呼びかけはどうなのか……と思ったが、返事はない。


「おいおい、またかよ……」


ぶつくさと言葉を落としながらズカズカと部屋に入っていく。


執務机に人影はない。

ソファーの方に…あぁ、いた。

……この人が、ギルマス? いや、だが…


「おら、起きろ。ご指名の相手を連れてきてやったぞ」


寝ている人を足蹴にするラルスさん。


「…あの、足蹴にするのはどうかと」

「手が塞がってるからなぁ」

「…先程、ドアを叩いて、開けていましたよね?」

「低い位置は面倒でなぁ」


会話の間も足蹴にするのは止まらない。


いや、その人、ギルマスなのでしょう?

足蹴は不味いのでは?

……というか、全然、動かないのだが。

大丈夫なのか、この人……


「…起きねぇな」


呟きの後に、盛大な溜め息をつき、足蹴にするのを止めたラルスさん。


「…よし。ここは後にするか。他から行くぞ。お前は確か商業に行きたいんだったな。そっから行くか」


くるりと反転し、歩きだそうとしたラルスさんの足が止まった。


「……今、なんて?」

「ここを後回しにして他に行く」

「どこへ?」

「お前に関係ねぇな」

「商業って言ったでしょう!?」


ガバッっと起き上がった、その人は立ち上がり、詰め寄ってきた。


「それがなんだ?」


ラルスさんの声が冷ややかだ。


「なんだ、って……どうして商業なんですか!?」

「こいつらの時間は限られてるし、行きたいトコも決まってる。その中で敢えて、ここを先にして貰ったっていうのに、お前は起きねぇし?」

「! そ、れは……」

「言っておいたよな? こいつらに見せてやりたいものは、全部こいつらが見たいものだ。こっちが見せてもらう側だ。大体が足を運ばせといて対応しないとか、ありえねぇだろ? オレ達の信用問題にもなる。解ってんのか?」


言葉に詰まったその人を引き離し、ラルスさんは私を見た。


「時間とらせちまって悪かったな。こいつが基本、時間にだらしないのは分かってたが、仕事で尚且つ自分が言い出したことで都合つけて貰ってんのに、この対応とは思わなかった。お前達が行きたいトコを優先しよう」

「……それで良いのですか?」

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