62話 伝手がない……
実際に行けば、最初こそ、互いに戸惑う。
だが、子供達は仕事にすぐに慣れ、その働きは決して他の大人に見劣りはしなくなる。
そのことに戸惑いながらも、結局は働き手として子供達の存在を認めることになる。
なにせ、子供達が己の作業を効率良くする為に考案したものは、自分達の作業の手助けにもなってしまうのだから。
それを同業者に機嫌良く話すことで、興味を持った同業者から声がかかる、という流れで広がってはいるが、異業種にはまだ繋がっていない。
まぁ、もしかすると、異業種からも声はかかっているのかもしれないが、元々の繋がりが薄い業種や人々の場合、見極めに時間がかかっているのだろう。
子供達を預けるに値するか、の値踏みは無駄に厳しい筈だ。
「……話が逸れましたが。私達が、私達の独断でラルスさんについていく事自体は魔獣の件もありますし、妥当だと判断される可能性が高いのですが。それでも冒険者ギルドという場所に行く事が面倒をおかけすることになる可能性は否定出来ませんので」
「だが、良い伝手… 足がかりになる、と考えるかもしれないだろう?」
「どうでしょう…? 私は、神父様は冒険者ギルドに伝手がないわけではないと思いますので…」
「なんでだ?」
「あの依頼… 普通に通るものですか?」
「あー… なるほどなぁ。なのに冒険者ギルドに来るような案件はない、と」
「そうです」
「徹底してんなぁ…」
「神父様は子供は未来の宝。教会にいる孤児は自らの子、と思っておりますから」
「そこだけ聞けば、ホント良いとこに行けたなって素直に言ってやれるんだがなぁ」
「有難いことだと思っております」
これは本音だ。
過保護すぎるところはあるが、それは決して子供達を害するものではない。
自由を阻むものでもない。
ただただ心配性をこじらせただけの、どこの家庭でも起こり得る現象なのだから。
「ん-、そうだなぁ。それなら尚更、行っとくか。ギルド」
「よろしいのですか?」
「ついでだ。商業にも連れて行ってやる。他に行ってみたいトコねぇか?」
子供達がこちらを見る。
期待と心配、か。
まぁ、そうだな。流石にそこまでは。
……ではあるのだが。
「そこまでの時間は作れません。冒険者ギルドへ行く時間もどうやって作るかを話し合わなくては無理かと思いますし」
「時間?」
「私達は牧場の仕事を手伝いに来ているのです。今日は少々、予定とは違うことをしていますが、これは牧場の方との話しの中で決まった事柄なので、普段の仕事を免除して頂いて、時間を割いておりますが。基本の仕事を疎かにしてはなりませんから…」
「手分けする?」
「負担が大きくならないかな?」
「組み合わせ考えれば、いけなくもない、か…?」
「仕事の内容にもよるよね?」
首を捻る子供達にラルスさんが笑う。




