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57話 普通に……

うんざりした顔だが、一連の流れを知っている以上、そういう仕事もしたことがあるのだろう。

……と言うか、それを任されるだけの実力がある冒険者ということだとすれば、何故、こんなところにいるのか。

………いや、待て。まさか………


「…あの、ラルスさん……」

「ん?」

「つかぬことをお聞きしますが、この牧場に関する依頼の難易度設定はどのようなものでしたでしょうか?」


きょとんとした顔を一瞬だけしたあと、顔を片手で覆って大笑いしだした。


「ラルスさん…?」

「あーあー、もう… 今ので気付くとか。お前、ホントは幾つだよ?」

「5歳ですが?」

「はっ、絶対嘘だね!!」


肉体年齢だから嘘ではない。

ただし、精神年齢…いや、生きた記憶の年数か? …は貴方よりも上だろうから、その指摘は間違いでもない。

まぁ、認めはしないが。


「シアはそれ、よく言われるよね」

「でも、オレ達と変わんないよな」

「確かに知識はすっごいけどな」

「たくさん本読んでたよね、前から」

「そうですね。沢山、本を読みたくて姉様達にも無理を言いました」

「でも、姉様も兄様も頼られるの嬉しそうだったよ?」

「困ったなって言いながら、たくさん教えてくれたよな」


うんうん、と頷きあう子供達にラルスさんの笑いが治まった。


「…なるほどなぁ」

「何がなるほど?」


ラルスさんの言葉に子供達が首を傾げて問う。


「子供同士で、上が下の面倒を見る。それを上も下も嫌がらないんだな?」

「? うん。多分そうだと思うけど?」

「因みにお前達だけの場合は?」

「? 得意な子が苦手な子に教えたり?」

「その仕組みは孤児院では普通なのか?」

「普通だよ?」

「昔から?」

「昔の事はわからないよ?」

「あー… じゃあ、お前達の知る最初からそうだったか?」

「そういう事がないわけじゃなかったけど」

「普通になったのは最近かも?」

「誰が普通にした?」

「「「「神父様」」」」

「……誰が始めた?」


子供達が首を傾げて互いを見てから、こちらを向いた。


「…シア、かなぁ」

「でも、シアが来る前から、なかったわけじゃないよな?」

「そこなんだよなぁ…」

「でも、シアは回数が多かったよねぇ」

「自分達の事を棚に上げるのは良くないのでは?」

「「「「え?」」」」

「皆もよくしていたでしょう?」

「それは……」

「だから、神父様達が整えて下さったのでしょう?」

「確かに…」

「そして、今に至る、のですが?」


ラルスさんを見て告げれば、口元に笑みが浮かんでいた。


「よく解ったよ」

「…何がでしょう?」

「お前達が既にやらかしてるって事が」

「………」

「「「「!?」」」」


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