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第52話 研究対象……

「否定は出来ませんが。それとて想像の域で、確実なことではないのではありませんか?」

「それは、まぁ……」

「確実性など、積み重ねの経験か、観測による研究結果からしか得られないものなのでは?」

「そうだな。そういう意味で、経験則を基にしてオレ達は考え、動いてんだ」

「あ……!!」


子供の1人が声を上げた。


「じゃあ、私達が観察すればいいんじゃないの!?」

「は……?」

「だから、この子達とあっちの親?も含めて、無害であるかどうか観察すればいいんじゃないの!?」

「そうか! えっと、研究対象?として、この子達を保護… 院預りにしてもらえばいいのか!」

「院で大丈夫かな? 凶暴化… 暴走の可能性があるなら、きちんとした施設の方が良くない?」

「施設…… あ、あれだ! 野生種を飼育する方法を研究してる所とかならどうだ!?」

「ありかも! 危険な野性種もいるって確か言ってたし!!」


子供達が意見をあーでもない、こーでもないと交わしあう姿に口元がついつい緩む。


ああ、ここで、これが進むのは僥倖だ。

まさか、こんなことが引き金になるなんて。

……いや、まぁ、多少、狙ったのは確かだが、うん。


「お前達……?」

「だからね!? どっちも可能性で、かもしれない、なら調べるんだ!!」

「そうすれば魔獣だから、という理由だけで狩られることないよね!?」

「ウサギ肉、美味しいって聞くけど、ラビ肉は!?」

「は? 肉? そりゃ、旨いけど……」

「本当に!? それなら、なおのこと家畜化をって言えば通りやすい気がする!!」

「えぇー…… この子達を食べるの?」

「え、あ、う…… !! じゃあ、毛は!? ふわふわな毛は喜ばれるんじゃないか!?」

「……羊と違って皮剥ぐことになるぞ、ウサギは」

「え!?」

「そんな毛が長くないしなぁ、ウサギ」

「あ… う、うーん……」

「……良い、と思いますけれど」


子供達が一斉に振り返る。


「ミルクを提供してくれる牛も、卵を提供してくれる鳥も、本来なら産み育てる為のものを頂いています。それだけでなく、肉も、皮も、骨も、日々の糧に頂いているのですから」

「そうか… あの子達の家族だったかもしれないんだ……」

「飼育っていっても、家畜として働くこともあれば、食用に育てることもあるか…」

「将来、どのような用途になるかは分かりませんが、今いる飼育されている動物達も野生から今の形になるまで時間をかけたのだと思いますし。貴族様方の愛玩となった種もあるでしょう?」

「あぁ… 魔獣としての素材が優秀か、肉として優秀か、みたいになってくるのか」

「猫や犬みたいな扱いになることもありえるってことだよね?」

「……こいつら、でかくなるし。ウサギより食いでがあるだろうから、こっちが食用になりそうだがなぁ。毛皮も大きく取れるだろうし」

「「「「!!?」」」」


子供達の目が批難を込めてラルスさんに向けられた。


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