第47話 もふもふの……
「うわあぁぁ………」
「なに、これ………」
「「かっわいぃぃ……!!」」
まぁ、そうなるだろうね。
「ちっさいなぁ…!」
比較対象どれだ?
それ、確実に小さくはないから。
「もっふもふだねぇ」
あちらでは毛皮として使われてたくらいだからな。
「世話してる奴らは、でっかいけど可愛げもあって良い、と思ったけど、これは別格だな…!!」
少女も少年も絶賛か。
流石はもふもふもの力。
こちらでも同じで助かった。
………だが。
「……でも、魔獣なのでしょう? 牧場の方が言っていた……」
私の言葉に全員が、はっとしたように私を振り返る。
そう、今は本来、牧場体験真っ最中。
王子来襲から既に5ヶ月が過ぎている。
牧場はかなり積極的で月1回の受け入れをすぐに了承してくれ、お試し回も含めれば、もう5回目だ。
工房系も割りと好意的で、手が空いてる時に、と初回があって、それからぽつぽつと不定期に、ではあるが受け入れてくれている。
あと、突発的に忙しくなったりした時に、来たことがある子を、と声がかかることもあり、良い方向へ向かっているといえよう。
………と、考えが逸れた。
今は目の前の事象の対応だ。
「そうだった… でも、こんなにちっさくて、無害そうなのが本当に襲ってくるのか…?」
「確かに。あの子達より全然小さいし。例え、襲ってきたとしても傷1つ付けられなそうじゃない?」
各々が視線を戻す先には、ウサギによく似たなにか、の数匹の群れ。
「あ… これ、角…?」
額の上辺りに小さな突起物が見えた。
それは確かにウサギにはないものだ。
「え… でも、こんなので…?」
首を捻る彼等にもう1つ告げる。
「……子供、だったりするのでしょうか?」
「「「「!!?」」」」
全員の視線が再びこちらを向く。
「私達も大人に比べれば背も小さく、力も弱い。動物だってそうですよね? では、魔獣でも、その可能性はないのでしょうか?」
「……あり得るんじゃないか?」
「じゃあ、親はどこ? この子達しか見てないよね?」
「そういえば… 牧場の人が討伐されてる個体もいるって言ってたな?」
「そうだったね。それでも数がいて、残ってる可能性もあるから気をつけて、って言われたんだよね」
「だとしたら、この子達の親も……?」
「その可能性はあるだろうな。けど、エサを取りに行ってるだけの可能性もある」
少年が周囲の警戒を思い出したように始めた。
「…ごめん。警戒を怠ってた」




