第39話 覚悟は……
真剣な瞳が告げる端的な言葉に目を瞬く。
「神父様……?」
「シアが必要だと言うのなら、いつでも、どこでも、誰にでも頼りなさい」
「そこまでは……」
「シアが1人で抱えるよりは、はるかに良い」
「ですが……」
「もし、シアが間違ったなら、それは駄目だと思ったなら、きちんと正しもしましょう。だからこそ、頼りなさい」
「……説明も、出来ないのに?」
「シアを信じているからね。だから、私達の事も信じて、頼って欲しいと思うのだよ」
瞬いた目を閉じ、一度、深呼吸をした。
…覚悟はしたはずだ。
目を開け、神父様の変わらない真剣な瞳に、頷いてみせた。
「信じています。頼ります。ですから、どうぞ、私の我儘をお許し下さい」
「我儘の内容によるけれど?」
「理解しております。けれど、必要な事であれば、押し通させて頂きます」
「…それは許可を得る必要ないのでは?」
「代替え案があれば、留まれます」
「……知恵を絞れ、と……」
「私の知識では出てこない案もあるかと思いますので」
「それが不可能な場合は……」
「どんなに無茶に見えても、無謀な策ではない筈ですので、見守って頂きたく思います」
「……無茶はさせたくないのだけれど?」
「そのくらいはしなくては到底届かないのです」
「…例えば?」
「ここにはない書籍を持つ他の教会書庫及び国営図書館へ訪問、閲覧」
「それくらいなら……」
「及び、鉱石の取扱所や動物の飼育場への訪問と体験」
「……鉱石?」
「知識を増やし、経験を積みたいのです」
「…今以上に、ということなのだね」
「はい。最低必須要項なのです」
「君1人で全てを賄う必要があるのかな?」
「私には全てが必要ですが、出来ることなら他の人にも、適正の有無を知る為にも、出来るだけ多くの事に触れてみて欲しいのです」
「……確かに同じ事を同じ様に学んでも、習熟度が違うのは適正の問題もあるのだろうけれど」
「勿論、適正がなくても、その分野が好きで、先へ進むのも良いと思います」
「そうだね。苦労するからこそ、万人の為になるものが生まれることもあるのだろうから」
「はい。ですが、どの道を選ぶにしても、選択肢は沢山あって良いのではないかと思うのです」
「ありすぎても選べなくて困ってしまうかもしれないよ?」
「確かに、選ぶのが困難で、無難な道を安易に選ぶことにもなるかもしれません。けれど、選択肢がないよりは良いと思うのです。それに、1つに決める必要もないとも思うのです」
「ん?」




