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第30話 知りたいけれど……

アンディゴード様の手にある魔錠は外に出る情報がかなり制限されている。

魔錠自体もあの複雑さは敢えて、なのかもしれない。

解読が容易に成されないように、と。

けれど、私自身、まだ諦められない。


「本当に貴重な体験を有難う御座いました。もし宜しければ、また、お時間が許す際に見せて頂ければ幸いです」


アンディゴード様に深く頭を下げる。


「……見せるだけならば」


躊躇うような言葉に頭を上げ、小さく首を傾げた。


「コレを使うことは許容出来ません」

「何故でしょう?」

「貴女の存在が良くない方向で認識されるのは良くないかと」

「認識、される………?」

「そういった機能もあると聞き及んでいます。本当かどうかは判りませんが」


魔力には確かに違いはあるが、僅かな差であるとも思う。

故に、魔力で個人を特定するには、前提条件として、その人を知っている、もしくは知る必要があるとも思う。

まぁ、今、吸われた魔力が魔錠を越えて、塔の魔石に流れたとすれば、使用されたことは知られたかもしれない。

けれど、魔石の中で魔力は直ぐに混ざるだろう。

それを逐一、観察、管理しているのだろうか?

貯めるだけなら誰の魔力であるかなど、どうでもいいのではないだろうか?

……とは言え、特定されたところで問題はない。

寧ろ、ウェルカムですらある。


「……私は構いませんけれど。それで貴方様にご迷惑がかかるようであれば、諦めます」

「何故、構わないのですか?」

「犯罪者ではありませんし。子供の好奇心、で通せるかと思いますし。興味があることを知られるのは別に問題ではないでしょうから」

「……では、私の迷惑とは?」

「犯罪者でない者に魔錠をかけたことを咎められる可能性と。もし、私が魔錠の解析に一部でも成功した場合に機密の漏洩補助として罪を問われる可能性、でしょうか。こちらは魔錠の機密の高さがどの程度に設定されているかにもよるとは思いますが」

「解読、出来ると…?」

「答えから式を見つけるのは難易度が大幅に下がると思っております。勿論、そう簡単に成せる事ではないとも思いますが」

「……成る程」

「誰かに… 何かに… 害を出してまで求めている訳ではないのです。ですので、お気に為さらず、良いように… 思うように行動して頂きたく存じます」

「……それで、良いのですか?」

「…? 勿論で御座います」

「……貴女は、不思議な方ですね」

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