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第26話 公とは……

「……本来でしたら、工程確認と安全確認の上で人員配置をし、安全を確保するのです。たとえ、お忍びであっても」

「行き先を決めていないのに、か?」

「普段の言動から推測し、ある程度の行動範囲を絞り、行われるのが基本とされますが。現状では、ご本人からの申告や、護衛からの確認の上で行われる事が多いです」

「…言った事もなければ、訊かれたこともないが?」

「確認したことはありますが、行き先が未確定でしたし、毎回、そのご様子でしたので、貴方様に関しましては機動力が高く、臨機応変に対応出来る者を厳選して配置する事になっております」

「……そうか。手間をかけていたのだな……」

「兄君方のみならず、王もそれを許容しておりますし。護衛にも良い鍛練にもなっておりますので、お気に為さらずとも良いかと」

「…そ、そうなのか…… いや、今はそこではなく… レシアノール嬢の問いの答えは?」

「…レシアノール嬢の懸念は最もですが、問題はありません。ですが、それに貴方が気付かないのでは意味がないので、了承しかねます」

「………は?」

「貴方の自覚がなければ叶わない、と言うことです」

「な、何が、駄目だ……? 僕が自覚する事……? 懸念……」


さらりと付け足し、ドレゴルド様の言葉に応えず、口を閉ざすアンディゴード様に、成る程、と思う。


彼は必要な事は伝えている。

言葉の足りなさ、選び方にこそ難はあるが、それこそも必要なのだと兄君方は考えたのかもしれない。


お互いにとって。


……巻き込まれる方はたまったものじゃないだろうけれど。

……今回の私達の様に。


「アンディ…? レシアノール嬢…?」


困惑の表情で視線を彷徨わせる姿に神父様を見る。

神父様は困った様な顔で、それでも頷いてくれた。


「神父殿…?」

「この子を城に呼ばないのは何故でしょう?」

「それは… 関係性を公にしない方が良いと思ったから……」

「はい。では関係性を公にしない方が良いと考えたのは何故でしょう?」

「護りきれないから」

「はい。では、現在、貴方様が此方に訪れた事は公ではありませんが、再度、もしくは何度も訪れる場合、それはどうなりましょう?」

「此処に来るとすれば、今回のようにするだろうから公にはならない」

「本当にそうでしょうか?」

「? それはそうだろう? 王族として訪問しているわけではないのだから」

「公になる、というのは、本当にそれだけ、でしょうか?」

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