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第24話 役目の意味は……

……いや、今の流れで、こちらを見ないで下さい。


首を傾げてみせる。


「……貴女はお分かりでしょう?」


……解りますが、それを私が言うのは違うでしょう。


傾げた首を元に戻し、沈黙を守る。


「……はぁ。そうですね。これは私が告げるべき事柄ですね」


アンディゴード様は観念した様子で視線をドレゴルド様に戻した。


「私の役目の1つは貴方に近寄る令嬢方の見極めと、必要ならば牽制と排除です」

「……は?」

「貴方の地位を欲するだけの令嬢や貴方を利用しようと企む令嬢から護ること、も言い付けられております。今のところ、その全てが貴方自身によって排除されておりますので、何もしておりませんが」

「…………兄上達は、どこまで、僕を信用してないんだ……」


ドレゴルド様が俯いて落とした言葉。


「心配なさっておられるだけです」

「兄上達は普通だと言ったのはアンディだ…!」

「心配するのが普通だと言うことです」

「……!」

「どれほど大人びていようと子供なのです。大人の腕力に及ばぬように、知略…主に悪知恵に特化したそれを見抜くのは難しいのです。特に貴方のような方は。ですから、心配して、護りたいと望まれた結果が私です」

「だが……!」


食い下がろうとするドレゴルド様に、アンディゴード様は小さく首を傾げている。


……間違ってはいないが、言葉が足りないのだよ、アンディゴード様………


「信用と心配は別物で御座いましょう?」


仕方がなく助け船を出す。


「「…………?」」


…何故、2人して不思議そうな顔をするのか。


「神父様が大量の書類を抱えて、大丈夫だと言って、お仕事為さっておられると体調を崩さないだろうかと心配します」

「君が二つ返事で友人になることを了承したのなら、王族に近付く事が、どれ程の意味を持つのかを滔々と諭し始めただろうね」


神父様の返しがなかなか重たいが… 心配させているのだから仕方がない……。


「兄様達が剣術の稽古を為さるのに弟達が交ざるのも心配です。兄様達の力量も、弟達を無理させない事も解っていても……」

「子供達同士で剣術や魔術の鍛練をしている時は、信じて任せているけれど。怪我や体調不良を何時だって心配してしまうね」


それでも、神父様と向き合って交わす言葉は2人に向けたものだ。


「いつかは巣立っていくのだろうけれど。いや、巣立ったとしても。護りたいと願う気持ちが変わらない事は思い知らされているからね」

「有り難いことですが、過保護は私達の成長を妨げますよ?」

「だから、君達の行動を見守るに留めているでしょう?」

「……そうですね?」

「……時間のある時くらいは良いでしょう?」

「……時間、足りてないのでは?」

「必要な時間なのですよ」

「………」

「子供達の成長が私の喜びなのですから」


これが本心なのだから、恐れ入る。

子供達からも、シスター達からも、神父様が慕われるのも当然だ。

教義を、真に体現しているのだから。


さて、大人しくしていた2人は理解してくれただろうか。

私と神父様が解りきっている…今更な話をした意味を。

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