第22話 護衛であり……
「演技、だと…?」
「特別扱いされずとも、側仕えだけで目を引きます。友である、など尚のこと、面白くないでしょう。彼等にだって立場も言い分もあり、間違ってはいないのです。家を、領地を守り、発展させる事を親から託されて其処に居るのでしょうから」
「…! そう、か。そうだよな… 只でさえ僕は……」
ドレゴルド様は己の背後を振り返る。
「アンディが付いてくれたから…」
「…兄君方のご意向でしたから」
「それは私共が聞いても良いことでしょうか」
「問題ないと思うが、どうだ?」
「知っている方は多いかと思うので大丈夫では?」
「だよな。今は僕の護衛で近衛で側近なんだけど。本来なら、アンディは兄上の側近候補なんだ」
「第3王子付きの筆頭護衛を任されておりますアンディゴード=カルディオスと申します。実際のところは只のお目付け役に過ぎませんが」
「お目付け役、で御座いますか?」
「はい。兄君方から、くれぐれも宜しく頼むと御言葉を頂いておりますので」
「兄上達は心配しすぎなんだ……!」
「……いえ、普通かと」
「何故だ!?」
「その好奇心故の突発的な行動に耐えうる同年の者は稀有でしょうし、その言動を理解し、時に嗜め、妨げられる者は更に希少でしょう」
「……そんな、ことはない!」
「いえ、だからこその先の発言なのでしょう?」
「それ、は……」
「レシアノール嬢。こちらの方は基本的に嘘や隠し事が苦手です。するのもされるのも、です。それ故に、この性質を誤魔化すことも出来ず、苦労するだろう、というのが兄君方の見解で、それは的中し、今に至っております」
「……はい」
「本来なら、学友となれる者を側近、護衛候補にするのが基本ですが、見繕うのが未だに困難な状況でもあり、本人の性質故に自ら見出だす事も困難なのです」
「……失礼は承知ですが、その、それで大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫ではないので、私が付けられたということです」
「………」
「今のも、先のも、貴女の懸念は理解します。先の提案も利に適っていると思いますが、なかなか難しいでしょう。それでも、出来ることなら、了承頂ければと思います」
「…何故ですか」
「先の問答も、会話も、必要だと考えるからです」
「貴方様でも可能かと思いますが……」
「私では望む形にはなれません」
「私とて、それを体現するのは、畏れ多いのですが……?」
「身分で考えれば、そうでしょうが。知識を鑑みれば、貴女の方が上でしょうから。そんな風に思わなくて良いのでは?」
「そういう訳には……」
「構いませんよ? 院の子供達にするのと同じ扱いで。寧ろ、それを求めているのだと思いますし」
「……演技として、ではなく、ですか?」
「どちらでも。貴女なら見抜かれることもないのでは?」
「買い被り過ぎかと……」
「幼くとも貴女は女性ですし」
「……そう、ですが…… それ故の弊害とてありますでしょう。この様な姿であればこそ、憶測も口さがないものになりえますでしょう」
「……貴女は本当に5歳なのですか?」
「間違いないはずですが?」
………肉体年齢は、ですけれど。




