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第13話 すべき事は……

恋愛シミュレーションゲームの攻略対象者は何かしらの問題を抱えていることが大半だが。

例に漏れず、このゲームの攻略対象者達も多かれ少なかれ、問題や傷を抱えている。


産まれた時から…… いや、せめてもう1年早く、記憶があったならと思わずにはいられないが。

教会預かりの孤児で幼女では出来ることなんてなかっただろうとも考えもする。


もしもの話ではなく、現実を見ても、5歳児に出来ることなんて本当に限られているのだから。


けれど、だからこそ。

第3王子の協力を得ることが出来れば、少しでも早く、改善策……彼等の心を救う手段を用意することが出来る筈だ。


そして、それは人々の暮らしの助けに… ひいては国の繁栄に、繋げる事も可能な策が幾つも混ざってくる。


得意分野… 苦もなく続けられる研究や探求で兄を支え、国を守る一助になりたいと考える様になる筈の第3王子だからこそ。


互いの利が合致する良いパートナーとなれるだろう。



………ただし。

それは全て、本当に再訪があれば、の話だ。


お忍びで外に出る事はそれほど簡単な事ではない筈だ。

まだ幼い故に許されているのだとしても、回数や頻度の問題もあるだろう。


来れない日々の中で興味が薄れ、他へ移ることもあり得る話だ。

ストーリー上ではそちらの方が都合が良い筈でもある。


再訪がない場合の備えも必要だ。


先にも考えた神父様への陳情。

自らの修練と多様なスキルの習得。

人材の育成。

人脈の開拓。


いや…… 全て、再訪があろうとなかろうとすべき事でもある。

ただ、再訪があれば多少、難度が下がる程度の違いだろう。


教会で働く皆様方と、孤児院の子供達、既に院を出た兄様方や姉様方…… とりあえずはその全ての力を借りるべく動く。


勿論、彼等の生活を脅かさず、利になるように、が基本姿勢だ。

誰かを犠牲にして成し得ても意味がない。


それでも、多くの人の手が必要なのだ。


救うべき相手は最低でも6人。

ヒロインと出逢う為…… ヒロインに癒され、結ばれる為の前提条件のように負わされたものを放置など出来るものか。


そして、その出来事によって周囲にも、病んだり弱ったりしている者がいるだろう。


それだけの人数を癒し、救う事を1人でなど出来る筈がない。


1人で出来る事など限られているのだから。

私は多くの人の手を借りる道を選ぶ。


そうして、周囲の……身近な者達との幸せな日々を手に入れる。


このチートな頭脳と身体能力も、前世の記憶も、最大限使い倒して、望む結末を引き寄せて、掴み取って見せよう。


それが私の前世からの……


コンコンコン


控えめなノックの音に思考が途切れた。

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