第101話 読了…
………
…………
……………
………………っは。
うとうとしてしまった…
残り半分なんだが…これはもうまともに頭に入らないか……
本を閉じて、視線を上げれば、2人は真剣な顔で話している。
こちらの動向に気付いていない。
つまり、まだ詰め終わっていないという事か。
うとうとしてしまう前までを聞く限りでは、こちらの動きの阻害は無さそうだし、不利益にもならなそうではある。
ならば、私が寝ても大丈夫だろう。
「神父様、ラルスさん」
声をかければ、2人は話を止めて視線を向けてきた。
「申し訳ありませんが、私は就寝の支度をさせて頂きます」
「! もうそんな時間になっていましたか!?」
「……遅いくらいではないかと」
体感でしかないが、恐らく、院の年少組の子供達はもう寝ているのではないかと思う。
「! すみません! 直ぐに…」
「いえ、お話、終わっていないのでしょう? 1人で戻ります。ただ、部屋に戻ると他の子に悪いので、医務室の使用許可を頂ければと思いまして」
「あぁ…そうですね」
神父様は懐から鍵束を取り出し、1本を外して差し出してきた。
「今は使用していない筈ですので。敷地内で建物内とはいえ、灯りも減らしている時間でしょうから気を付けて戻ってくださいね」
「お借りします」
鍵を受け取り、本を重ね置く。
「私が言うな、という話しかとは思いますが、余り根を詰めずにお休み下さい。明日に響かないよう、お気を付け頂けたらと思います。神父様、ラルスさん。それでは、おやすみなさいませ」
言うべきを告げ、魔術で本を浮かべた。
「気を付けましょう。貴女もゆっくりおやすみなさい。良い夢を」
「本、全部持ってくのか。そのまま夜更かしするなよ。おやすみ」
返る言葉に会釈程度に頭を下げて応じ、部屋を出る。
読めるものなら読みたいんだが…既にかなり眠い…
本を運ぶだけじゃ、医務室に着くまでに魔力を減らしきれなそうだな…
明かりを生成し、廊下を照らす。
今日はさくっと寝て、起きてから続きだ…
辿り着いた医務室で魔力を減らしきって、ベッドに沈み、次に気付いた時には朝でした。
……とはいえ。
まだ、空が白み始めた頃だろう。
幼い体は回復が早くて良いものだ。
探知の魔術を薄く広げて展開する。
まだ、動いている者はいない様子。
小さな明かりを生成し、身支度を整え、昨夜の続きを読み進め、読了後、必要事項の書き出しを始め…暫くした頃、展開したままの探知に引っ掛かる者が出始めた。
さて…朝の作業の手伝いに行くべきか?
だが、戻っていることは伝わっていない。
とはいえ、朝食は一緒に取ることになるだろう。
1人分…いや、2人分か? 増やす必要もある。
ペンを置き、本を閉じ、紙を束ねて調え、立ち上がり、体を伸ばす。
荷物はこのままにして施錠しておけば大丈夫だろう。
さて、行くか。




