創造神と鍛錬について話し合おう
いやーお疲れ様です。
最上階である5階は、パルテノン神殿のような柱で囲まれた広くて白い、シンプルな階だった。正方形で、直線の長さは50mほどだろうか。天井はガラスのように透明な素材でできており、日が暮れれば幻想的な夜空が見られそうだ。
そして部屋の真ん中には直径10mほどの複雑な魔法陣が展開されていた。
『来られたのですね。では、魔法陣の上にセツガさんの魔力を流して下さい』
フルハの指示通り、魔法陣に手を触れ、魔力を流す。
すると、魔法陣から半透明の絶世の美女が顕現した。
「やっとセツガさんのお顔を見ることができました」
透き通るような声で微笑みながらフルハが言った。
セツガは「こちらこそ」と微笑しながら背後に控える2人を紹介した。
「茶髪の方がロイ。藍色の髪の方がリンです。今回初めて召喚したのがこの2人です」
セツガが話し終わると、背後の2人は頭を軽く下げた。
ーーそう、軽く下げただけなのだ。
「え?何で俺には跪いたのに創造神様にはお辞儀だけなの?普通逆じゃない?」
するとその質問にはフルハが答えた。
「それは、この者達を召喚したのは貴方だからですよ。その召喚する力を与えたのが私でも、彼らは自分を直接召喚した者に忠誠を誓うのです」
あーなるほど。そういうことか。え、それじゃあ…
「なぜ私に召喚魔法を教えてくださったのですか?私が言うのもおかしいですが、もし私が裏切ってこの魔法を悪用したりするとは思わなかったのですか?」
すると目の前にいるフルハは上品にくすりと笑った。
「まず、そんなことを懸念される方が、そんなことはしないでしょうし、何よりあなたは絶対にしないことくらい、きちんと把握済みですよ」
え、なにそれ怖い。俺って結構考えていることバレないから、てっきりポーカーフェイスが上手いものだとーー
「あ、いえ、表情ではなく、貴方の魂です。光が強い人ほど善の心が強いので、貴方は十分信頼できると判断したのです」
…なるほど。魂の輝き具合とかで判断するのか。
「っと、そろそろ本題に入りましょうか」
すると、セツガが一転して真面目な表情になる。
「……これから、についてですね?」
フルハは大きく頷いて、口を開いた。
「その通りです。これからセツガさんたち一行には、10年ほど鍛錬していただきます」
その話を聞いたセツガは目を白黒させていた。
「じ、10年?鍛錬するのはわかるのですが、そんなに時間はあるのですか?」
フルハがうなずき、その質問に回答する。
「それについては〔時空間魔法〕で時間の流れが異なる空間を作り出し、その中で鍛錬すれば、その中での1年はこちらと1時間しか違わないですし、歳もとらないので問題ありません」
「な、なるほど…結構ハードですけど、まあ、やってみます」
「はい!応援していますよ。あと、鍛錬に当たって、あと100名ほど一緒に訓練した方が良いかもしれません」
「それは……なるほど。私の部隊を率いる統率力を高めるためですね」
自分(創造神)の考えを読んだセツガを頼もしく思いながら、微笑みながら頷く。
「ええ、その通りです。では、明日から始めましょうか。明日また来られた時は、最初に時空間魔法を使用してください。制御は私がしますので」
「はい……いや、御意の方がいいですね。これからはそうします。では、また明日。…よし、お前らも一緒に夕飯食うか」
「「是非!!」」
「ふふっ、はい。また明日」
フルハはすでに相当信頼を得ているセツガをみて微笑んだ。
これから時空間での訓練が始まりますが、それはダイジェストにする予定です。10年分も書けないので。