表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

異世界に転移したら、まず鍛錬

いやー眠いです。はい。

生い茂る木々が、そよ風に揺られて落ち着く音を奏でている。


「ここがバイルーク、か」


どうやらバイルークという異世界の、何処かの森に転移したようだ。まあ、いきなり街や都市に転移したらそれこそ大騒ぎだろうし、なにより嘲悦神に早々に目をつけられる可能性がある。このような人気のないところが妥当だったのだろう。


『聞こえますか?「セツガさん」』


〈ええ、聞こえますよ、フルハ様〉


そして、俺には新しい名前ができた。名前でさえも、覚えていると転移の際に危険が伴うそうなのだ。なのでフルハ様と考えた結果、隠密らしい名にしよう、ということになったのだ。


その時決めたのが〔刹那〕のせつと〔月〕のをとって「セツガ」という名にした。実は結構気に入っているので、やはり俺も男だなぁと思った。


そんなやりとりもあり、創造神のことを名前で呼べるくらいには親交に進展があった。


『今、セツガさんがおられる場所は「誘いの大魔森林」

と呼ばれるところです。その名の通り、大きな森林で魔物もいるのですが、まずはそこで鍛錬なされるのが一番だと思います』


〈なるほど。確かに、私はまだまだ弱いのでそれは賛成なのですが、衣食住はどうすればよろしいでしょうか?〉


すると、フルハは待ってました!とばかりに目を輝かせた。


『それならば心配御無用です!私の力で衣食住を兼ね備えた家をそこから北へ500m行った所に建てております!そこには無限に補充される食材に、様々な国々の服含め、沢山のアイテムがあります!』


〈そ、それはありがたいです。では早速行ってみますね〉


そこからフルハから貰った半透明のマップを頼りに北へ歩を進めていると、のこり200mに迫ったところで半径100m以内に赤い点が3つ現れたことに気が付いた。


『それは敵のマークです。そろそろ視認できると思います』


フルハの言葉の直後、遠くに1.5mほどの狼がこちらに走ってきているのが分かった。


『初めての魔物戦なのでアドバイスしましょうか?』


〈いえ、まずは1人でやってみます。丁度このフルハ様から頂いた刀を試してみたかったので〉


その会話の直後、セツガは一気に加速し、狼たちを肉薄した。狼たちはいきなり目の前まで移動してきたセツガに一瞬驚き、動きが鈍る。


その動きを見逃さず、先頭の一匹の頭を、漆黒の刀で一閃した。先頭の仲間がやられたことで正気に戻り、2匹は左右から同時にセツガ目掛けて噛みつこうとする。


が、セツガは瞬間的に上に跳躍し、それを躱した。そのまま空中で身を捩りながら刀を横に薙ぎ、2匹とも両断した。


『す、すごい…初めての戦いでこんなに動けるなんて思っていませんでしたので、驚きました』


フルハの顔は見えないが、声音で驚いているというのはだいたい分かった。


〈いえいえ、この刀がすごいんですよ。まるで狼が豆腐のように切れました。これなら楽に倒せそうですが、鍛錬には少し向いていませんね……〉


そう、この刀の切れ味は恐ろしすぎた。まるで切った感覚がなかったのだ。危ない場面では重宝するだろうが、鍛錬には向いていないだろう。


するとフルハは少し呆れたような声でぽつりと呟いた。


『あの動きと刀は関係ないと思いますが……』


〈…?何か言いました?〉


セツガは聞こえなかったようで聞き直したが、『いえ、お気になさらず』と流された。



『まあ先ずは、拠点の家へ向かいましょう』


フルハの意見は最もなので、先に家に向かうことにした。……のだが。


どうやら認識阻害の結界や、防御結界が張られていたようで、100m圏内に入ったところでいきなり豪邸が目の前に現れた。……まだ100m離れているはずなのだが。


そして家というかどっちかっていうと屋敷なので、屋敷ということにする。


まあ、設備もおかしかった。まず、俺を認識すると自動で扉が開いたのだ。中にはいった瞬間、クリーン魔法がかけられたようで服も肌も綺麗さっぱりとなったほどだ。


まあ、その他の設備については後ほど追々見てみるとして。


『それで、その刀は強力すぎるようなので、ご自分で刀を創造してはどうでしょうか?』


おれはでかいリビングのソファでアイスコーヒーを片手にフルハの提案を聞いていた。


〈刀を創造ですか?〉


『はい、貴方はスキルで創造魔法というものも取得しています。それによって創ることができるはずです』


なるほど。フルハ様が創るとそれはもう最高品質になってしまうから、俺が創っちゃえばいいのか。


あ!それなら……


〈ならば、木刀を創ってみます〉


やはり初めに創ってみるなら木刀な気がする。


『ふむふむ……分かりました。では、出来上がったら私にも見せてくださいね?この家の最上階の5階では私と面会できる術式が組み込まれているので』


……そんな設備まで創ったのか。やはりやる事なすことの次元が違う。

まあ、いいか。じゃ、早速木刀から創ってみよう。






次は色々セツガが創る予定です。……たぶん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ