ユシャside.出会い
この頃受験勉強で投稿があまり出来ていません。ごめんなさいねぇ。
それは突然だった。
ぼくは小さな街の平凡な家庭に生まれた。何気ない日々だったが、ある日魔王が軍備を拡大しているという噂を聞いた。
それから数ヶ月後………王都の大教会の神官さま御一行がぼくたちの街へやってきた。なんでも天啓があったらしく、ここへ来たそうだ。
そして神官様は住民を集め、一人一人と目を合わせたり、手に触れたりして何かを確認していた。なんかみんな「神官様に触ってもらった」と興奮気味だ。
それも当然で、神官様はこれまでも神様の御心を知ることができた。魔王が現れてからは今まで以上に重要なポストにいると言うし、何よりこの国で3人しかいない。
………あれ?そういえば、神様の名前って、何だっけ?
と、そうこうしている内に、ぼくの番が来た。そして、神官様が私に触れた瞬間―――
「……っ、この光は……あなたの名前を聞いても良いかな?」
「?は、はい。リシャと言いますが…」
あれ?他の住民のみんなは名前聞かれてたっけ?と呑気なことを考えていたら、神官様がいきなりぼくの前で跪き、それに倣って他の御一行の皆さんも跪いてきた。
これにぼくはもちろん、他の住人たちも騒然とする。
「ようやく、ようやく見つけました。人族の救世主よ」
そして、そうぼくの方を向いて言った。一瞬何を言っているのか分からず、呆然としてしまった。
「…え、ちょ、ちょっと待ってください!ぼ、ぼくが勇者!?何かの間違いでは!?剣を振ったことすらないんですよ!」
慌てて否定するが、神官はゆっくりと私に語りかけた。
「大丈夫です。例え剣を振っていなかったとしても、これで証明できます」
そう言って神官様がアイコンタクトをとると、後ろにいた従者の方が何やら煌びやかな剣を持ってきた。
「この剣を持ってみてください」
見るからに重そうで、大きさもぼくと同じくらいある。到底持てるとは思えないが、周りの住民も固唾を飲んで見ているので仕方なく軽く握ってみた。すると――
「!?まぶしっ………え!?」
なんと軽く握った瞬間、神々しい光が辺り一面を覆う。
そして光が少しずつ収まると、更なる衝撃が襲った。
……なんと、剣が私が持ちやすい片手剣サイズに変化していたのだ。
「実はその剣は『聖剣・エクスカリバー』なのです」
「おぉ…!正真正銘、勇者様だ!」「凄い、うちの街から勇者様が現れるなんて!」「宴だぁ!宴の準備だ!」
そして、その日の夜は神官様御一行を入れた街の住民総出で宴が行われた。周りの大人はこれまでの子供を見る目ではなく、友達はおちゃらけた感じではなく、尊敬や羨望の眼差しを向けてくる。
名誉なことのはずなのに、それが何故か寂しかった。
それから1週間後、勇者選抜でも無事合格したぼくは神官様の助言を元に、修行に明け暮れた。これは神官様にするよう言われたこともあるが、1番は自分のためだった。
世界を守れるのか不安だった。怖かった。そしてなにより、死にたくなかった。
だからこれまで動かしてこなかった体を酷使して修行をしてきた。
そんなある日、あの時の神官様がぼくを訪ねてきた。なんでも、二ヶ月後任命式が行われるらしい。イヤだなぁ……絶対お偉いさんとかいっぱいくるんでしょ……
とはもちろん言えず、分かりましたと返事を返した。
そして、任命式まで残り1ヶ月半の頃。ぼくは火山地帯へ来ていた。山は酸素が薄く、そしてここは火山地帯なので、良い修行場所だと思ったからだ。ナント公爵の言いつけ通り、最初は麓で修行していたのだが、だんだんと物足りなく感じ、奥へと進むことにした。
………そこで、出会ってしまったのだ。恐ろしく巨大な怪物に。
『汝、何故ここへ参った』
その有無を言わせない重々しい声音に、背筋に冷たい汗が伝う。
……このままでは、殺される。ならばっ!
「っ、てやあぁぁぁぁあ!!」
しかし、次の瞬間凄まじい衝撃が襲い、意識が薄れていく。
『ん?反射的に指で跳ねてしもうた。まあ、その内目を覚ますだろう』
何か、言っている。多分、ぼくにトドメを刺すのだろう…そこでぼくは完全に意識を失った。
☆★☆
なんだか……温かい。誰かに…優しく包み込まれているような……。
「ん、うぅ……」
「大丈夫ですか?」
「え、は、はい。………えぇ!?」
なんでこんなイケメンに後ろから抱きしめられてるの!?
驚いていると、どうやら助けてもらったようだった。
そしてなんと、ぼくが斬りかかった怪物は、サラマンダー様だったらしい。
と、驚いて振り向こうとした時、バランスを崩して馬から落ちそうになった時、ふわっと支えてもらった。って、顔近すぎるっ!そして、すごいいい匂いする……じゃなくて!……サラマンダー様には近いうちに謝罪に行かねば。
その後、ぼくはナント公爵にめちゃくちゃ怒られた。笑顔なのに怖いって、初めての経験だった………。思い出しただけで体がまた震えてくる。
……でも、それよりも。ぼくを助けてくれた、あの人のことを考えると、胸が苦しく、切ないのに、温かい気持ちになる。ぼくにだって、これが何なのか、だいたい想像はつく。
ぼくは生まれて初めて、異性に恋をしたんだ。
最後の文で「え、じゃあ同性には恋したの?」と思った方。それはございません。
正真正銘ユシャの初恋ですΣd( ・`ω・´)




