表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/22

覇月隊の初陣

「――急ぐぞ」

『はっ!』


ちょうどあの女性から見えなくなったところ。

覇月隊は全力で山岳地帯を駆けていた。


(これは……まずいな、護衛の人数が少なすぎる)


セツガは走りながら半透明のマップを見る。そこには優に200を超える赤のマークが写っていた。

魔物たちの近づく先には自分にとって中立を意味する緑色のマークが20ほどしかない。おそらく、この緑のマークが女性の話していた人たちだろう。


「第二は右、第三は左から展開し、()()()の群れを挟撃しろ。第一は馬車を守れ」


『御意!』


それぞれロイとリンを先頭に左右に展開する。

それを見届けると、セツガは第一部隊の隊員たちに告げる。


「……このままだと護衛がやられる。お前たちはそのまま馬車の護衛に付け。俺は一度正面の犬ころを蹴散らす」


『――御意』

覇月隊はその戦闘力だけではなく、それぞれが高い対応力を持つ。瞬時の命令にも迅速に対応し、遂行する。

そこには、一切迷いはない。


第一部隊が馬車へ駆けるのを横目で一瞬見ながら、自身は神速で突撃する騎士たちを追い抜く。


(こいつら程度なら、闇斬刀を使うまでもないな。木刀でいいか)


闇斬刀やぎりとうとは、以前フルハからもらった漆黒の刀のことである。その名の通り、闇でさえも斬り裂きそうな威力の刀、ということで、その名を付けた。


「――シッ」


セツガは時空間魔法で木刀を取り出すと、サンダーウルフの先頭集団を横一文字に薙ぐ。瞬間、数十頭が肉片と化し、吹き飛んだ。


「――ッなっ!」


後ろで騎士の驚く声が聞こえる。


それはそうだろう。いきなり目の前に少年が現れたと思ったら、数十匹を一瞬で吹き飛ばしてしまったのだから。


その直後、混乱しているサンダーウルフの群れの左右の岩の影から漆黒の覇月隊員達が飛び出し、誤って都市方面に逃亡しないよう包囲しながら次々とサンダーウルフを屠ってゆく。


騎士たちは黒ずくめの集団に一瞬警戒したものの、こちらに攻撃してこないと分かると、ともにサンダーウルフに攻撃を始めた。


「「「アオォーーーーン」」」


しかし、サンダーウルフたちも黙ってはいない。残り100匹をきったところで、群れの内側にいる80匹程が遠吠えを始めた。

すると、その上空に暗雲がみるみる広がっていく。


「気をつけろ!!〈サンダーレイン〉が来るぞ!!」


暗くなったことでハッと気付いたバルコが大声で味方に伝える。


中心にいるサンダーウルフの遠吠えを止めたいが、外周りのサンダーウルフが死に物狂いで抵抗してくる。先ほどとは逆に、追い詰められた手負いの獣は、恐ろしい力を発揮するものだ。


だがそこに、1人の少年、セツガが暗雲が立ち込める空へ跳び、暗雲に触れる。そして次の瞬間ーー


「ーー術式キャンセル」


ーー直後、暗雲が嘘のように()()()


「「「……は?(……ガウ?)」」」


それには騎士だけでなく、サンダーウルフも呆然として、先ほどまでとは打って変わって晴々とした空を見ながら立ち尽くしていた。



「終わりにしようか」



そうセツガは呟くと、術式をサンダーウルフの群れ上空に出現させる。


「お返しだ。[岩崩れ(ロック・スライド)]」


刹那、轟音とともに巨大な岩が次々と出現し、悲鳴を上げるサンダーウルフを無慈悲に圧殺していった。


やがてサンダーウルフのわずかな声も聞こえなくなり、砂埃も晴れてゆく。


そこには、呆然としながらも()()()騎士たちと、積み上がった岩の隙間から流れ出たサンダーウルフの血であふれていた。

どうだったでしょうか?

戦闘シーンがもっと良くなる意見があれば、是非お聞かせくださいm(_ _)m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ