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異世界では幼児が最強のようです~元社畜による正しい生体兵器の育て方  作者: 黒辺あゆみ
第六章 グランデ神聖教会

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149話 行ってみよう

そうだ、衝撃の事実が多すぎて忘れていたが、この場にはアマンザもいたのだ。

 最初はちゃんと意識していたのに、「No.01」の情報が衝撃すぎて、存在が飛んでいた。

 それでも、一応ここまでの会話で「生体兵器」などの決定的ワードを使っていないので、アマンザにはなんの話かはわからなかっただろうが、「神が云々」という不穏な内容が聞こえてドキドキしていることだろう。


 ――どう説明しようかなぁ?


 アキヒサは悩みつつも口を開く。


「えっと、なんだか中が危ないらしいので、ちょっと見てきます。

 この人はこういう謎現象の専門家なので、どうしても気になるみたいなんです」


アキヒサは詳しいことはスルーして、「研究者が我儘を言うので付き合って見に行く」という流れで押すことにした。

 幸いこれに、リュウからもツッコミがない。

 そう、アキヒサは扉の奥を見に行くことにしたのだ。

 リュウがこうまで言うものを、知らんぷりはやはりできないだろう。

 アキヒサはなんだかんだでこのニケロの街を気に入っているので、妙なことになってほしくない。


「む~」


レイが「え、行くの?」と言いたそうな顔で服をクイクイと引っ張るが、ここは付き合ってもらいたい。

 というかレイが一番対処に向いているらしいのだし、付き合ってもらわなくては困るのだけれども。


「レイ、パパっと行ってパパっとなにかをやつけて、サッサと帰ってくるから。

 な? 嫌なことは早くなんとかしちゃう方が、後で気分がいいんだぞ?」


アキヒサがそう語りかけると、レイは渋面ながらも「それならまあ仕方ないか」という様子でコックリと頷く。


「えぇ、その子も行くの!?

 それにあなた方にも危険があるのではなくって?」


アマンザが心配してくれるのがありがたい。

 こういう時に「そんな危ない扉を開けるなんて、なんてことをしてくれたんだ!」と責める人だっているだろうに、アマンザはいい人だ。


 ――アマンザさんのためにも、心配事はなくしてあげたい!


「この子もこれで、この手のことの専門家の一人でして。

 それに僕もそこそこ強い方ですし、本気で危なそうならさっさと撤退しますよ」


アキヒサは安心してもらおうとこう言うが、真に強いのはアキヒサではなくレイとリュウなのだが、そこは語らずともいいだろう。

 

「まあ、そうなの?」


アマンザは不可思議そうな顔をしているが、その不可思議さはレイが専門家であることになのか、はたまたアキヒサが強いらしいということになのか?

 なんとなく、アキヒサの強さの方を疑われている気がする。


 ――まあ、我ながら強そうに見えないもんな。


 猛者的な雰囲気皆無なのは、自分でもよくわかっている。

 ブリュネのような迫力は、やはりコンピューターによるスキルの底上げではなく、経験を重ねないと身につかないのだ。

 それはとにかくとして。

 リュウがすぐにでも行きたそうなので、このまま扉の中に突入してみることになった。

 アキヒサたちはちょっと街を散策する格好で出てきたのだが、幸い装備は一応全部鞄に入っている。

 というか、アキヒサもレイも重装備タイプではないので、普段着の上に軽装備を鞄から出してつけるだけでいいというお手軽冒険者なのだ。

 というわけで、アキヒサは教会の隅で装備を整えさせてもらってから、改めて扉の前に立つ。


「一応、冒険者ギルドのブリュネさんに知らせてくれるとありがたいですね。

 それでこの扉の開け方はこの人が知っているので、僕たちが入った後でその鍵で扉を閉めてもらっていいですか?」


扉を閉めておかないと、子どもたちが好奇心を刺激されて入ってしまうかもしれない。

 なにせ子どもというのは、こういう暗闇というものに恐怖と同時に、興味を抱いてしまう生き物なのだ。

 なおも心配顔のアマンザが言ってくる。


「あの、くれぐれもお気をつけて、命が一番大事ですよ?」


アマンザがまるで戦場に送り出すかのように釘を刺すのは、奥がどうなっているのかわからないからだろう。


「わかっています、ちょっと見てくるだけですので。

 行こうかレイ」


「ん!」


アキヒサが声をかけると、レイが「嫌なことはサッサと終わらせる」という気迫を込めたかのように、力強く頷いた。

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