雑貨店マルフィ
「まずはマルフィに向かうよ、キャル」
キャルは頷くとマルフィへと向かった
雑貨店マルフィと書かれた看板が掛かった建物の窓から中に入った
中にはありとあらゆる雑貨が並べられていた
キャルはカウンターの上に降りた
ポルクはキャルから降りると
大声で
「マルフィさん、居ますか?」
「はーい、その声はポルクちゃんね」
野太い声で返事が返ってきた
奥から現れたのはフリルドレスを着た筋肉質の坊主の男性
「久しぶりです、マルフィさん、今日の服も似合ってますね」
「やだ、ポルクちゃんったら、褒め上手なんだから、ありがとね」
マルフィはウインクをした
「でっ今日はどうしたの?ポルクちゃん」
「今日は布と糸を買いに来ました」
「わかったわ、ちょっと待っててね」
「はい」
マルフィは片手に山盛りの布をポルクの前に置いた
「どうぞ、ポルクちゃん」
「ありがとうございます、マルフィさん」
ポルクは布の山に近付き、吟味し始めた
「ポルクちゃんは、最近どうなの?」
「最近はギルドとかから仕事を貰えているので実家に仕送りができるようになりました」
「そうなの、それは良かったわね」
「マルフィさんはどうなんですか?」
「私?私は時々ギルドから指名依頼を受ける位かしら、そのせいで中々店を開けれないのよね」
「仕方ないですよ、マルフィさんは数少ないSランクなんですから」
マルフィさんはSランクの冒険者で
どんな怪我も癒す治癒魔法とメイスによる圧倒的な攻撃から
〈滅撃のマルフィ〉と呼ばれている
マルフィさんはその二つ名に不満を持っている
「そうなんだけどね、こんなことならSランクになんてならなきゃ良かったわ」
「マルフィさん、冗談でもそんなことを言わないでください!!マルフィさんは僕の憧れなんですから!!」
マルフィは目を潤ませながら
「ポルクちゃん、ありがとう♪嬉しい」
マルフィはポルクを厚い胸板に押し付けた
「マルフィさん、苦しいです」
「あっごめんね、ポルクちゃん」
マルフィはポルクをカウンターへと下ろした
ポルクは息を整えながら
「大丈夫ですよ、マルフィさん」
「ありがとう、ポルクちゃん」
「良い香りがしたんですけど、マルフィさん、香水変えました?」
マルフィはパァと明るくなると
「わかる?この前ギルドの依頼で行った街で買ってきたの♪」
「そうなんですか、マルフィさんにぴったりの香りですね」
「ありがとう♪」
マルフィは両手をパンッと合わせ
「あっ香水で思い出した、ちょっと待っててね」
「はい」
マルフィは奥へと行き
すぐに何かを持って戻ってきた
「これなんだけど」
マルフィは透明な液体の入った小瓶をポルクの前に置いた
「これは?」
「香水よ、ナタリが好きそうな香りだったから買ってきたんだけど、渡すのを忘れていたの」
マルフィは両手を合わせ
「悪いんだけど、ポルクちゃんから渡しといてくれないかしら?」
「そのくらい、良いですよ♪」
「ありがとう♪ポルクちゃん」
ポルクは香水を鞄へと入れた
「それで、欲しい布は決まったかしら?」
ポルクは数枚の布切れを手に取り
「はい、これをください」
「わかったわ♪」
マルフィは残った布を片付け、糸の束をポルクの前に置いた
「どうぞ、ポルクちゃん」
「ありがとうございます、マルフィさん」
ポルクは糸の束に近付き、選び始めた
「そういえば、マルフィさんはギルドからの依頼ってどんな依頼なんですか?」
「え~と、確か素材依頼だったわね♪」
「そうなんですか、僕もそういった依頼を受けたいなぁ」
「ポルクちゃん」
「まぁ、小人だから仕方ないんですけどね」
「ポルクちゃん、今度危なくない依頼があったら付いてくる?」
ポルクは驚いた顔でマルフィを見ながら
「えっ良いんですか?マルフィさん」
「えぇ、良いわよ♪危なくない依頼だったら、ナタリも許可してくれるでしょ」
ポルクはその場で両手を上げ、飛び上がり
「やったー♪絶対ですよ、マルフィさん」
ポルクはキャルに近付き
「キャル、マルフィさんが冒険に連れて行ってくれるって♪」
キャルは喜ぶようにその場で羽ばたいた
マルフィはそれを微笑ましそうに見ていた




