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2 奈落の底で

どうも、約2か月ぶりの投稿です。かまぼこです。

毎度のごとく文章が汚いし誤字脱字があると思いますが、暖かい目で見てくださると幸いです

それではどうぞ

……ぶすっ


 私の右肩から嫌な音がした。 いや、音だけじゃない 何か鋭利な物が突き刺さった様な、つんとした激しい痛みもある。


 一体、私の体に何が起こったのだろうか


 しばらくその状態でいると、どこからか声が聞こえた


「ほら、おとなしくしてて……これで……楽になれるから」


 誰の声なんだろう……温かく私を包み込み、そっと抱きしめてくれる。 この……いつまでも聞いていたくなる……癒される甘い声は


 どうしてだろう……まるで魔法が掛かったみたいに、私の傷が癒えている


 長い苦しみから解き放たれるように、体が楽になっていく……


ああ……こんな不思議な感覚は初めて……


気づいた時には、既に右肩の痛みだけじゃなくて体全体の痛みがなくなっていた。


「……う……あ」


 まだうっすらとしている意識の中、私はゆっくりと目を開く

 

 その目が捉えたのは


「……岩の……天井?」


 いかにも整備されてない感が伝わってくる凸凹(でこぼこ) いや、天然の形の天井。 その存在は、ここが地上じゃないということを私にはっきりと示していた


「……」


 徐々に全身の感覚が戻ってくる。 背中側から感じるごつごつとした感触と、太陽の光が届かないためかひんやりとしている地面が、その現実さを鮮明にする。


「おや、ようやく目覚めたのですね」


「!?」


 声と共に、視界に女性の顔があった。 長くて綺麗な銀髪、ファンタジー系の作品に出てくるエルフを彷彿させるとんがった耳。 そして、紫紺の瞳を持つ超絶美人さん


「え……エ○リアさん……?」


 私が知っていた、某死に戻り系作品のヒロインの女の子がいたためか、思わずそう口に出してしまった。 ……結構ビジュアル似てるんですが


「……エ○リアさんとやらが誰かは知りませんが、私の名前はリアです」


 そう名乗った彼女は、口調もかなりおしとやかで、年上のお姉さん的なオーラが溢れまくっていた


「やっぱり……いやちょっと待って」


私は重要なことに気付く


「つ、ツインテールだ……」


そう、リアと名乗ったこの女性の髪形はツインテールなのだ……


「それで……話進めるけど、いい?」


「あっ、はい」


 私はそう答えると起き上がって、地面にちょこんと正座した。足痛い……


「ではまず、ここがどこなのか説明するわ。ここはルーファニカ大迷宮第105層、通称”奈落の底”よ」


「な……”奈落の底”?ここって初級ダンジョンのはずだよね……?」


 ダンジョンに入った後の記憶はないが、入る前に初級ダンジョンだと説明を受けたのは覚えていたので、奈落の底とかが存在するはずがないと私は思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。


「えーと……正確に言えば上20層が初心者用ってだけで、全体で見ればここは初級どころか超上級のダンジョンなのよ……」


 リア様はそう言うと、私の真正面に座った...三角座りで。ちなみに、私がリア様のことを様を付けて呼ぶのは、彼女から発するオーラが明らかに人間を超えていると判断したからである。


「超上級って……どのくらい危険なの?」


 私はリア様に聞いた。ここは絶対に安全だという保証がないため、このダンジョンを攻略して地上に帰らなければ……ってあれ?


「質問変更、ここからどうやって地上に帰ればいいの?」


ここにいては何もできない。でも、地上なら何かできることがあるかも


私の問いにリア様は突然、ぐっとその顔を近づけて……


「あなたは、地上に戻った所で何をするの?」


耳元でささやいた。言葉と共に、甘い匂いが伝わってくる。


「何をするって……」


……お兄ちゃんを探す。とまでは言えなかった。流石に、言える空気じゃなかった。


そんな私にリア様はまた


「国から追放されたあなたが、地上でできること等ないよ。そもそも、誰もあなたを助けることは出来ないし」


私が……国から追放された?


衝撃的なことを耳元でささやいた。


「どういうこと?そもそも、どうしてリア様がそんなこと知ってるの?」


「……そういえばまだ話してなかったわね。私のことについていろいろ」


リア様は一呼吸おいて


「私は【原初の闇】リア、全ての世界の「闇」を生み出した存在よ」


と絶対にはいそうですかで聞き流してはいけない超重要なことを言った。


「……全ての闇を生み出した存在?」


私は繰り返す。その反応を見たリア様は「ふふっ」と小さな笑みを浮かべると


「これ以上は秘密よ」


そう呟いた。私は思わず「何で?」と聞きたくなった。


 でも、聞かなかった。人は誰しも秘密を持っているし、きっとリア様なりの事情があるのだろう。


 だけど、どうして私は国から追放されたんだろ?何も悪いことはしてないよね……?


「さて、そろそろお別れの時間みたいよ」


「えっ……もういなくなるの?」


「まあ……この姿がもう維持できなくなるからね...」


どうやら、リア様はもういなくなるらしい。そんなっ!


「私、これからどうすればいいのっ!一人じゃ何も」


 出来ないのにっ!とまでは言えなかったが、私は思いっきり叫んだ。するとリア様は


「大丈夫、すぐに誰かが見つけてくれるはずよ。だってあなたは……」


「……リア様?」


「ううん、何でもないわ」


リア様は何か言いかけたが、これ以上は詮索しないことにした。


「さて……本当にお別れのようね。また会いましょう、可愛い【黒の巫女】ちゃん」


リア様はそう言うと、闇に溶けるように消えていった。一体何だったんだろう


「はぁ……」


私はごつごつした壁に寄りかかり、1人ため息をついた。




読んでいただきありがとうございました。

感想等ございましたらご自由にお書込みください

次回はまた出来次第投稿します

それではまた

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