1 突然の異世界召喚
一週間ぶりの投稿です。かまぼこです。
お詫び
タイトル変えました。すみません。
「……前川さん、黒板のこの文字が読めますか?」
前の黒板に書かれた「煉獄」の文字をアニメに出てくる魔法少女が持ってそうなピンク色の可愛らしい指示棒で指しながら、現代文担当の神崎先生が私の隣の席の女の子(黒髪ぱっつん)に言った。
「……はい、えっと……」
名指しされた前川さんは恥ずかしいのか、教科書で半分顔を隠しながら……こっちを向いた
(……えっ!?何でこっち……!?)
心の中で私は1人ツッコんだ。 それが聞こえたかのように前川さんは一瞬びっくりした表情を浮かべる。
いや、びっくりなのは私の方だけど……何で前川さんが驚くの?
「れ……ん……ご……く……」
それでも私は小声で彼女に教えてあげる。ああ……私って優しいっ!
私の答えを聞いた前川さんは
「れんごく です(どやっ)」
と何故か自分で思いついたようなドヤ顔で答えた。ほんとになんでや……
「はい……正解」
(まさかのスルー!?)
先生は前川さんのドヤ顔を見事にスルーした。
(はあ……疲れる)
心の中でつぶやきながら、私は半ば無意識にノートを一ページめくり……表情を豹変させた
「あなたのお兄ちゃんに、会いたい?」
「えっ……?」
白い紙にこれでもかというくらいの雑な文字が書きなぐられていた。
「……」
こういうのは見つめたら何とかなると昔誰かが言っていたので、私はそれをじっと見つめていた
五秒後、どうやら本当に何とかなったのか、私の視界が真っ白になった。
「えっ……?」
そのまま意識がなくなった。
「……起きて」
「……はっ」
脳内に聞こえたまだ幼い様な少女の声に私は目を覚ました。何か床がざらざらする。
「えーっと……?」
現在の状況を把握するため、私は周囲を見渡し……信じられない光景が見えた
「……森と、視界左上のグリーンのカラーバーとその下に青いカラーバー。そして……スライムが一匹……ってえっ!?」
木だけならまだしも、ゲームの世界にありそうな2本のカラーバーと一匹のスライム。ここが日本ではないというのは火を見るよりもファイヤーだった
「……」
驚きのあまり声が出ない。だって……だって……
(ぴろんっ!)
「!?」
突然音がしたと思うと、私の目の前にウインドウが現れた。
「えっと……ようこそ異世界へ!……異世界?」
白い無機質な画面に黒いフォントで書かれていたことを読んでみる
「えっと……ここは異世界で、視界左上にある2本のやつは上が体力を表すHPバー、下が魔力を表すMPバー。 多分ここはスタート地点の森で目の前のスライムはレベル1とかで……ということかな?」
ここはアニメとかラノベとかでよく見る感じの異世界だ。
(ということは……ステータスはどんな感じだろう)
私はメニュー画面を開くため、目の前の画面をじっくりと見つめる。すぐに右下の方に〔閉じる〕のボタンを見つけたのでタップした
音もなしに画面が閉じ、チュートリアルと書かれたものに切り替わった。試しに読んでみよう
「メニューの出し方は……頭の中でイメージします……イメージ?」
私は頭の中で空中に画面が開く様なイメージをする。3秒ほどで縦に並んだ10個の四角いアイコンと、私の現在のステータスを示す画面が現れた。
「姫 天職【黒魔法使い】レベル1 HP300 MP200 所有スキル数1……普通。」
こういうのは初期ステータスがチート級というのがお約束なので、私はちょっぴりがっかりする。
「えっと……魔法使いだから多分魔法が使えるはずだよね……」
気を取り直して〔スキル〕とある枠をタップした。
「【黒魔法】スキルレベル1……えっと【ダークネス・ストライク】?使い方はっと……」
画面を下にスクロールさせながら、私は続きを口にする
「術式展開……黒き閃光に力を宿し、一筋の闇となれ。ダークネス・ストライク」
すると、私の右手から魔法陣が展開され、黒い細い光が出現。そして射出された。
ぎゅおんっ!ぴしゅっ!
激しい音と一緒に私の右手から放たれたそれはそこにいたスライムに直撃、そのままHPを0にするや否や、スライムは爆散した。
レベルアップ!レベル1→レベル2になった! 100G入手!
私の前に画面が出現。どうやらモンスターを倒すと経験値を得てレベルが上がるらしい。
「なるほど……これが魔法かぁ……」
初めて見た本物の魔法に、つい気の抜けたリアクションが出てしまう。
そこには少しの安心感があった。
そんな安心をぶっこわすかのように私の目の前にまたウインドウが現れた。
「えっと……あと25分で城に強制転送されます……何やて?」
それを読み、私は立ち上がる。ゆっくりしてはいられない。
「いよぉし!レベル上げ始めますかっ!」
異世界攻略の基本はレベル上げから!
そうすることで何かお兄ちゃんに関する情報が手に入るかもだし
右も左も分からない森の中を私は次の経験値を求めて走り出した。
読んでいただきありがとうございました。
結構長くなりました。
いつも通り文章が汚いのはごめんなさい。
続きはでき次第投稿します。