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0 学校で

どうも初めまして。かまぼこといいます。初投稿です

異世界物を妹視点で書いてみました。

誤字脱字があると思いますがは大目に見ていただけると幸いです。

それではどうぞ。

(うぅ、眩しい……)


 教室の西窓から覗く太陽の光が、英単語を書いている右手のペンに反射して目に入る。冬なのに太陽が元気なのはどういうことなのか……


 余計な事を考えてしまった私は手を止めてしまう。


「はぁ……」


 ふと、漏れるため息。 


 来週から始まる、学校内で二人目の四連覇(一学期の中間と期末テスト、二学期の中間と期末テストで学年一位を取れれば達成できるもの)が掛かっている戦いを前にした日のことだった。


 最近異世界系のアニメにはまってしまい、一日五時間と決めていた勉強がおろそかになってきていたから休み時間も勉強しないといけないのである。


(いけない……集中しないと……)


 心を落ち着かせるように息をして、私は目の前のノートに視線を戻す。


 私の名前は白ノ宮姫 身長は160㎝ 一族の名残で生まれた時から生えている透き通るような白い髪と、日本人では珍しいと言われている青い目が特徴的な女子高生。


 趣味はアニメを見ること、勉強……挙げるとしたらこれぐらいか。


 ……ノートが単語で埋まってしまったため、私は紙を一枚めくろうとした、その時だった。


(はぁ……またか……)


 後ろと右、さらに前の三方向から感じる他人の気配。 今週に入ってからもう三回目だ。


「白ノ宮先生~また勉強っすかー?ガチ勢は大変っすねー」


「もーちょっと青春したらどう?そんなんだと一生彼氏なんか出来ないわよ」


「お前がテスト四連覇とか、やめた方が良いぞ。お前は玲央先輩とは違うんだから」


 後ろから身長170㎝位の男子 中野和樹が、右からは身長165㎝位の女子 花澤美咲が。

 

 そして、前から私が最も苦手なこのクラスの委員長の男子 天野司が私の勉強の邪魔をしてきた。 


 このメンツは、毎日のように私の席にきては勉強の邪魔をしてくるという、よく分からない人達だ。  


 この三人に絡まれれば、もう集中して勉強を続けることは困難になる。


 仕方なく、耳のイヤホンをそっと抜き、スマホの曲を止める。そして、アプリを閉じて待ち受け画面に戻る。


(今、どうしてるんだろう……)


 誰のことかと言うと、待ち受けの写真に私と一緒に写っている、二年前に行方不明になったきり一切連絡がつかなくなった私のお兄ちゃん、白ノ宮玲央のことである。先程天野が言っていた通り、この学校で唯一のテスト四連覇という記録を持つ凄い人である。(ちなみに、去年までは二学期の期末テストが二週間ほど早かったためこの時期には結果は出ていたそう。)


 二年前の今日、私の通う高校私立クロニクル学園で1年A組の生徒全員と担任が突然行方不明になる事件が起きた。当時は大々的に取り上げられ、政府から十万人規模での捜索隊が全国に派遣されたが、未だ誰一人として見つかっていない。 


 今は、世間では神隠し的な物という風に扱われている事件


 その事件で行方不明になった人の内の一人に私のお兄ちゃん、白ノ宮玲央も含まれている。 


 彼は私がさよならを言う間もなくどこかへ行ってしまったのである。


 でも、私は神隠しだとは考えていない。 


 ここではないどこかの世界、即ち異世界でお兄ちゃんは今もまだ生きていると考えている。


 異世界など存在しない。世間一般ではそう考えられているが、私はそうは思わない。いや、思いたくないと言った方が正しいのだろうか、そうしないと、いつか大好きだったお兄ちゃんのことを忘れてしまうかもしれないという怖さがある。


 ……脳内で一人考えていると体は止まってしまうらしい。


―がしゃんっ


 私の手からペンがこぼれおち、机に当たって少し大きめの音をたてた。


「ふぇっ……?」


 一秒遅れてそれに気付く


「おーい、大丈夫かー?」


 天野の声に、私の意識は現実へと引き戻された。


「……もう大丈夫よ。心配ありがとう」


「お前がお礼だとか……どっか頭打ったか?」


「別に……いつも通りよ」


 何日ぶりかは分からない普通の会話をしていると、昼休みの終わりを告げるチャイムの音が教室に鳴り響いた。


 私の周りにいた生徒達も含め、教室にいるものは皆それぞれの席についた。騒がしかった教室はだんだんと静かになる。 それに合わせ、私も五限に意識を切り替えるためにスマホの電源を落とす。


「よし。頑張りますか」


 これから始まるのは、授業ではなく異世界生活だということをこの時の私はまだ知らなかった。

0話を読んでくださりありがとうございました。続きは完成したら投稿します。

ではまた。

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