一章 4節後半
一章最後です!
今日の夕飯は、そばにすることにした。リンがショッピングモールの中を歩いていた時に見て、少し気になったらしい。俺も、今日はこってりとしたものは食べたくないと思っていたので、そばをゆでてリンと一緒にそばを食べることにした。
「しかし、リンはあの世界で麺類とか食べたりしなかったのか?」
「あの世界ではこの世界のような麺類はなかったよ。まず小麦粉などの材料がとても貴重なものだつたからね」
「なるほど、この世界とは食料の自給率も違うのか」
あの異世界の様子関係なく食料の調達は困難だったことを聞き、リンの世界の住人の生活様式が気になって仕方がない。この後でもいいから、もう少しリンの世界が平和だったころの様子を聞きたいと思った。
リンと一緒にざるそばを食べた後、リンの世界について聞くことにした。
「リンは、あの世界が平和だった時、どんな生活をしていたんだ?」
「あの世界が平和だったころ、か」
この後、リンからいろいろなことを聞き出すことができた。
リンの住んでいたあの世界は、戦争もなく、人々が何不自由もなく生活していた。リンは家に引きこもって毎日だらしない生活を送っていたらしい。ショッピングモールでの人混みが気に入らなかったのは、その性格が原因らしい。リンの世界には、今俺たちがいる世界のような科学技術が一切存在せず、すべて魔法で解決していたらしい。このことは前にも聞いたが、どうやら移動するときも洗濯などの家事をするときも、すべて魔法を使って行ったいるらしい。その際必要とする魔力は、あの世界には使いきれないくらいに存在していたとか。(俺の世界にもせめてそのくらいの魔力が欲しかった。)あと、リンには家族がいて、親と姉が一人、弟と妹が一人ずついたらしい。しかし、家族は破壊者のせいでいなくなってしまったということらしい。せめて、心のよりどころとして、リンの家に代々伝わるネックレスを持っていこうとしたらしいが、その前に、その世界が一瞬で砂漠化してしまったらしい。
そこまでの話を聞いた俺は、リンの世界についてのことや、リンが俺のところで生活するまでの過程を把握することもできた。
「ありがとうな、リン」
「別に、大したことでもないから」
「いや、リン。大したことじゃないというのは違うよ。リンのことを、少しだけど知ることができて、俺はうれしいのさ。これは、これから破壊者撲滅のための重要な情報だと思ってるよ」
そういうと、リンは優しく微笑んだ。
次の日、俺はリンと一緒に学校に行く準備をした。リンへの魔力の供給が続くように、スマホのホーム画面の背景をリンとの自撮りの写真にしたりなどの工夫をして、制服に着替え身支度や食事を済ませ、リンと一緒に玄関を出た。