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1章 4節前半
リンが指差した先にあったパーカーを見た俺は、そのままレジに行って買ったあと、真っ先に家に帰っていった。
「今日のあそこのショッピングセンター、どんだけ人がいるんだよ。」
「そうだね。ちょっと疲れちゃった。」
人が多いショッピングセンターを出たときの開放感は、とても素晴らしいものであった。しかし、外に出たときに、もう夜出会ったことに気付き、リンと一緒に電車に急いで乗ってきたこともあり、少し疲れてしまっていた。
「イチカ...ちょっと,,,この世界...人が少し多すぎないかい?」
「そりゃ、あの街でも俺の県の人口の5分の1が集まるときのあるんだぜ。そりゃ、多いに決まっているよ。」
人混みの中が嫌いなのか、あの砂漠の世界で笑っていたリンが、こんなにもやつれた顔をするなんて..
そう思いながら、俺は夕食の準備をするためにキッチンに向かった。
「今日の夕飯は何がいい?」
俺がそうリンに言ってみると、輪が元気よく言った。
「今日は何かさっぱりしたものがいいな...そうだ!」