仕事
まだまだ続きます。
とにかく、いつまでもタダ飯食らいじゃ駄目だし、働かなきゃ!
「おばあ様、私派遣の仕事してたの。ここも派遣会社ってある?」
「ハケン?さぁ〜、聞いたことないねぇ〜。」
「う〜ん、ないかぁ。何でも屋みたいな感じなんだけど!ちなみに、自分で会社って簡単に作れるの?」
「何でも屋なんて聞いたことないね。でも、会社なら国に登録するだけだからそこまで難しくは無いんじゃないかな。今度アエリックに会ったら聞いたみるといいよ。」
「そうですね!ありがとう!」
アエリックさんとは、助けてくれた男の人(お孫さん)で、本名はアエリック・ゼノー・ヴィクトルさん!
いつ会えるかな?今は家事のお手伝いでもしよう。
ガチャッ、カララーン
「おばあさん、彼女は元気?任せっきりですまなかった。」
「ああ、元気だよ。大丈夫。大人しくていいお嬢さんだよ。」
「(あ、噂をすれば)アエリック様、助けていただいてありがとうございました。私の名前はカスミと申します。お礼が遅れてしまい申し訳ありません。」
「ああ、元気そうで何より。私は、この辺の地主で公爵のアエリック・ゼノー・ヴィクトルだ。さん付けで構わない。行くところがないなら、ここを家だと思ってくれてかまわないよ。」
「お気遣いありがとうございます。しかし、ずっとというのは申し訳ないので、お金が貯まるまで置かせてください。もちろん、家賃はお支払い致します。」
「別に構わないのだが、君が気になるのなら好きにしなさい。何か困ったことがあれば頼ってくれればいい。ここが私の本邸だから。」
カサッ、と渡された紙にはここからアエリックさん家への地図が描いてあった。
「ありがとうございます!早速なのですが、働きたいので就職先か、会社の設立方法を教えていただけませんか。」
「ああ、私も考えていたんだ。この国では、働くなら国に登録しなくてはならない。私が口利きをしておく。職種の希望はあるかい?」
「以前から『何でも屋』というのをやっていました。ハケンと言う職種なのですが、どうやらこの国にはない様なので、創りたいと思います。」
「何でも屋…か、本当になんでも出来るのかい?」
「はい、ある程度の事なら一通りやってきたつもりです。この国で使えるかは分かりませんけど、何とかなるでしょう。きっと、必要としてくれると確信しています。」
「分かった、辞めたければ辞められるし、やってみたらいいさ。店名はどうする?」
「うーん…ハケンだけじゃ分からないですよね。『何でもお助けします・ハケン屋』ってのはどうですか?」
そのままだけど、まぁ良いか。
「良いんじゃないか。では、それで登録してこよう。」
「ありがとうございます!では、よろしくお願い致します。」
じゃ、とアエリックさんは帰って行き、おばあちゃんと今後について話をした。家賃は落ち着くまでは無し、朝ご飯は私が作る。掃除洗濯も手伝うと言う条件で、置いてくれることになった。
読んでくださりありがとうございます!
引き続きよろしくお願い致します!