群影急襲 1
「────高熱源体の集団を捕捉した?」
アリーシャに告げられた旅団長の最初の言葉だった。
「うむ。」
老いた白髪の旅団の長は神妙な面持ちで頷き、続ける。
「────4日ほど前からだ。ワシらと一定距離を保ちつつ尾行しているように見える。熱源の大きさで言えば、稼動拠点程ではない………が………」
「────数が多い、ってかい?」
旅団長の言葉を繋ぐように呟くと、複合装甲の壁にアリーシャは両腕を組んで俯いた。
不可解なのだ。
こちらを襲うつもりというのなら、稼働拠点があってもいいはずだ。それに、一定距離を保ちつつ………?尾行とは、また気持ちが悪い。
アリーシャは
「はあ〜ぁ……ちびっこくて数が多いのは、ここの子供等で十分さ。────つまりは、《強き心臓》の群れなんだろう?粗方、近くのゴロツキって所かね……?」
と溜息混じりに吐き捨てた。
旅団長は頷くと、アリーシャを見据えて、
「────頼めるか、アリーシャ。いや、我らの光よ。」
アリーシャ・リュミエール、光のフランス語姓を持ち、その名の通り、この旅団を強く照らす灯火となった彼女。
彼女の答えは、
「────旅団の為さ、断る理由なんて有るかい。」
やはり、旅団の光と成り続ける事だった。




