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【短編集】佑羽とぴあ

「イキリオタク」が病気に指定された世界の話

作者: 葉月佑羽

初めての小説です。よろしくお願いします。

キ〇トかなーやっぱりww

自分は思わないんだけど周りにキ〇トに似てるってよく言われるwww

こないだDQNに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしなwww

ちなみに彼女もア〇ナに似てる



 「イキリ病」。そんな名前の病気が世間に知られるようになってから、50年になる。



 イキリ病は、2000年代に初めて確認された。発病した人は、上の様な言葉をインターネット上で発するようになる。

 先程上げたのはあくまでその一例。人によって様々なバリエーションがある。


 共通しているのは、


「謙遜する自分を好ましく思っている」

「自分が優れていると確信している」

「他者を見下している」

「中二病的コンテンツを好む」

「他者に認められたいと思っている」

「これらの目的を達成するために、内容に事実でないことを混ぜる場合がある」

「異論反論に耳を傾けない。攻撃するか、なかったことにする」


ということだ。


 ちなみにこれは、WHOのイキリ病認定基準にもなっている。

 一見矛盾しているように思えるが、これらの感情が同時に成立するのがイキリ病がイキリ病たる所以なのだ。



 もともとそのような行動をとる人は「イキる」、「イキり」、「イキリオタク」と呼ばれていたらしい。インターネット上では、嘲笑の対象となっていた。


 イキリオタクのあまりに周りが見えていない様子は、2017年に一度インターネット上で大きな話題を呼んだ。

 イキリオタクは嘲笑され、イキリは笑いのネタになった。中には、普通の投稿に嫉妬した者がイキリだと言いがかりをつけた例も見られた。

 2022年、今度は「イキリ」が世界的なブームとなった。

 地上波の番組で、イキがっている様子がかっこいいものとして取り上げられたのだ。ブームはしばらく続いたが、そのうち冷めた世間はイキリについて再び嘲笑を浴びせるようになった。



 WHOは社会問題となった「イキリ」を重く見て、2025年にこれらの症状を「イキリ症候群」として疾病指定。疾病患者に、心理療法的アプローチを含む治療を義務付けた。



 それから50年経った現在――。社会から「イキリ」は消えた。少なくとも表面上は。

 イキリ病が疑われる人は、すぐにカウンセリングを受けさせられる。とある調査によると、日本国民でカウンセリングを受けたことがある人は全体の87%で、そのほとんどがカウンセリングを小学生の時に受けたと答えた。

 また、SNSは24時間厚生労働省の職員に監視されている。イキった投稿があった場合、すぐに投稿者の近くの保健所に通報され、職員がかけつけることになっている。


 

イキリオタクは、こうして社会から消えた――。

人が「この人イキリだな」と思う基準は人それぞれです。うまく言葉に出来なくて困りました。今回は、かなり広めに解釈できるよう取りましたが、もし「こんな基準があるんじゃない?」っていう方いましたら、教えてください。

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