4.日本人化計画
お父さん頑張ります。
コロルさんは緊張して収容所に入れられ奴隷にされてしまうのは、あまりにもひどい扱いだと悲しんでいます。
だけど向こうの世界で差別されて、とうとう軍隊を使ってたくさんの同胞を殺された皆んなは嘆き悲しんでいるのに、元の里の人族とは顔の違うこの村の人族は私たちに、食事を与えこれからのわれらの生き方を真剣に考えてくれる。
コロルさんは泣きながら感謝してくれました。ベルちゃんも一緒に泣いています。ベルちゃんのお母さんコロルさんの奥さんは人族に殺されてしまったそうです。
もし収容所に入れられても生きていけるなら、仕方のないことだわん。とも言ってくれました。お父さんは絶対そんな事はさせないと、コロルさんにこれからの行動を分かりやすく説明し始めました。
獣人達を難民では無くて、日本人であるということを日本国に認めさせ、戸籍を貰い最終的には日本人として同化させて、好きな地方でも外国でも自由に移動できる権利を獲得することです。
この世界に慣れるまで、過疎化の進んだこの◯鹿村に住んでもらい、元の世界と同じ農業を皆んなでしてもらい自給自足の生活基盤を築くことがいいと思います。
おじいちゃんとコロルさんはお父さんの考えに、時々質問をくわえながらうんうんと頷いています。
お父さんはすごく心配な事があります。コロルさん達が通ってきた洞窟からまた避難獣民が現れたり、人族の兵隊が攻めて来たりしたらどうしたらいいのか?
コロルさんは普段往来の無い部族がまだ残っていそうですと心配顔で話しています。
あと人族の兵隊は大きなトカゲに乗った、騎兵が一番の大敵なのです。ただ洞窟の狭い道では騎兵は通れず歩兵だけが来るならば、獣人族だけでも充分対抗できますと言ってもらいました。
お父さんは洞窟の事は監視カメラを設置するぐらいしか今のところやる事は無いようです。
獣人族500人もの泊まる所を、おじいちゃんとコロルさんが相談し始めました。孤児を含め小さい子供のいる家族はおじいちゃんの家に泊まってもらい(元庄屋で部屋がいっぱいある大きな家なんです)他の人は過疎化が進んで空き家がたくさんあるので、少しの掃除で取り敢えず泊まれそうです。
お父さんはこの計画を実行すべく準備にかかります。お父さんは都会での仕事に疲れ、おじいちゃんの後を継ぐため農業をやるつもりなんです。パソコンの前に座り昼間獣人の皆んなを撮影した画像や動画をチェックしています。