3.今後の予定
コロル村長と僕達とゴローとで、またあの裏山まで行きました。残りの難民に食事を用意してあるから付いてきてと話しました。中から一人の少女(犬顔ですが)飛び出し村長に抱きついたのです。
村長が娘のベルですと紹介してくれました。目がクリクリの可愛い少女ですちゃんとふさふさの尻尾もぶんぶん振れています。
なんて可愛い子なんだ!心の中で思いましたが、ジローもこれ以上振れない程尻尾をふり少女に纏わりついています。ベルも初めてみるこちらの犬に驚きもせず撫ぜまくっています。
皆んなを集会場に案内しましたが、全部で約500人ほどの獣人さん達でしたので、人数が多く集会所に入りきれません。
子供達を優先して集会所で食べさせ、他の人は申し訳ないが外で立ち食いしてもらいました。村人総員で、おにぎりや持ち寄った鹿肉や猪肉の調理で大忙しです。
先に食べ終わった獣人の人がおばあちゃん達から、いっぱい食べ物が乗った大皿を受け取り、他の獣人達に食事を回していきます。
お腹の減った皆んなは「うまいにゃー、おいしいうさぴょん!」とか大騒ぎです。ジローもベルや犬顔の人達にじゃれつきおこぼれをもらっています。
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おじいちゃんの家でコロルさんとおじいちゃんとお父さんは、車座になって今後の予定を話し合っています。娘のベルは心配と心細さでコロル父さんのそばにべったりしています。
コロルさんに元の村での暮らしぶりや、獣人族には犬族・猫族・兎族・狐族など幾つかの部族があり、この地の村のように農耕や狩りなどで、自給自足の生活を部族同士仲良く2000年も暮らしてきた話しを聞き、村を襲った人族に関しては特に細かく聞いています。
お父さんは何か考えがあるみたいで話しだしました。「おそらくコロルさん達の村いや国はこの日本国には存在せず、コロルさん達が避難してきた洞窟が、コロルさん達の国と日本国を結ぶ摩訶不思議な扉なのではないか?」
このまま役所や警察に連絡すると、国が保護という名目の収容所に監禁されてしまうだろう?」お父さんの考えは日本中のモフモフ愛好家を味方につけることでした。
「とにかく誰もがあの愛らしい動物顔を見たら、日本中が萌えまくって大騒ぎになると思う。獣人が好きな人をボランテアで集め、日本人の味方を多く集めなくては!」
国が動く前にこの人たちは外国人難民ではなく、日本の山の洞窟から出てきた日本語を喋る立派な日本人であるという既成事実を作ってしまおうという考えです。