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炎蒸  作者: 仁階堂圭
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一年以内に続きをうpすると思います。

僕は怒りが頂点に達すると体が熱くなる。

……誰にでもあり得ることで、誰もが知っていることのひとつかも知れないし、この世界の法則なのかも知れないと思う。主観じゃあ解らないことで、例えるなら鏡などを使わず肉眼で自分の背後を見るようなことだから、自分がおかしいと思っていても自分以外の人は

「君は他の人となんにも違わないよ」

と言ってやさしくするかもしれない。

友人が怒ってる時は、顔が耳が真っ赤になって熱そうだし、漫画とかは、頭から湯気が出てるような描写だから、やっぱり熱いのだろう。

誰もが僕みたいに出来るんだろうって思ってた。

鉄を曲げたりーー。


ある夏のこと、地獄の様に暑くて自分の体がアイスクリームのように固体の形態を保つことができなくなり液体を経て蒸発するんじゃないかと思考が働き、それしか考えられない状態になってしまった僕は、扇風機の前に行儀よく正座をして、暑い暑いと連呼していた。地獄に行ったことはないがこんなもんだろう、暑いという漢字は今年に限って今季に限って熱いと書いても間違いはないと、僕が総理大臣だったら認めたいところだ。

自分のいるこの部屋は、廊下も戸を全開にして隣の部屋も全開にしておけば、この合計16畳に涼風が申し訳程度に入ってくるのだが、ここ1週間日中は虫の息ほどしか吹かずもう俺のHPはわずかだ。ありえん、目前にある様々な植木のよさみが浅く感じられる。

その植木も先の大津波によって何本かが枯れてしまって、それを見るたびに虚しくなってしまう。しかし、一部のものは最初から寿命とも言える様相だったが、このうち一本の紅葉の樹は塩とか泥とかを被ったのに、否、だからと言わんばかり、また紅葉の季節に赤くなるようになった。自然の力に自然の火事場力で歯向かっているみたいで感動すら覚えてた。俺も今日まで暑さに耐えられたのはこの反骨精神を教師としてたから。

赤かあ~。

赤、コーラ。

あっ、コーラあるかなこの家。半年飲んでねーな、自分。

ちなみに現在地は自分の家じゃない。母親の生家だ。自宅から6キロ離れてるけど同じ市とは思えないくらい夏は涼しく冬は寒過ぎである。ここの家は市内にあるとあるシンボルを建てているがとてもそんな風に見えない……この話は別の話にしよう。

しかし、冷蔵庫の前に立つとその気も蒸発してしまった。きっと必要性というものが心のどこかにてを伸ばしているはずなのに。ついに発想も許されないのか。

体が欲している。

体が表している。

体がーー

体が、体が、体が、体が、体が、体が、体が、体が、

ーー燃えていた。体が。俺が。


あああああああああああああああ!!!!!!?!?、?!、!

俺は一目散に冷蔵庫の前から右に、玄関に、屋外に。

刹那。

振り向いて、自分がそんなことをしたって、火というものは移るということを、まるでしばらくぶりに現代に立った元囚人みたいに思い出す。

しかし、そこにはいつもの建物がいつものように立っている。

自分の体も燃えていない。

恐ろしくなって、俺は屋内に戻って日に当たらないように細心の注意を払う一日を過ごそうと決めた。


こんなのは夢だ、夢だーー。

こうして、この地獄の一日に火が付いた。

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