あのこがしんだ わたしはわらった
あのこがしんだ
わたしはわらった
かのじょはないた
*
あのこはおうじ
かのじょのこども
わたしは きさき
こどもはいない
*
あのこのおさらに
どくをいれたのはだれ
*
おうさまはにらむ
わたしをにらむ
わたしはわらった
ろうにはいった
*
わたしはないた
*
あのこはおうじ
かのじょのこども
かのじょはそくしつ
あいされている
*
わたしはおかざり
おかざりの つま
それでもあのこは
したってくれた
*
「ぼくはころされる
はは に ころされる
あなたにつみをきせ
はは は おきさきになる」
*
あのこには おとうとがいる
おうさまに そっくり
じょうぶな こども
あのこは びょうじゃく
「ぼくは
ころされずとも
いずれしぬ」
*
いらないものどうし
はなつまみものどうし
わたしたちはわらった
まるでほんものの
おやこのように
*
あのこをあいしていた
*
おきさきさま にげて
ぼくが ころされたら
きっとあなたのせいになる
*
あのこは さとい
*
わたしは やくそくした
にげると やくそくした
*
でも あのこのしにがおをみたら
*
とてもひとりには
*
しておけなくて
*
わたしは わらった
あのこをおもって
あのこは いっていた
わたしのえがおがすきだと
*
わらって しのう
*
側室のこどもである第一王子を殺した疑いをかけられていた哀れなお妃は、牢屋で服毒し亡くなった。かねてより王に愛されていた側室が正室に上がり、その国は繁栄を極めたという。