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S.C.O.P.E.  作者: 苗奈えな
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第8話 チームメンバー

 夕暮れの柔らかな橙光を受けて、白銀の髪が風に溶けるように揺れた。角度によっては淡い青が差し込み、まるで静かな湖面に光が跳ね返るようにきらめく。

 その光を背に立つ青年は、腰に手を当てたまま、短く息をついた。

「ジンじゃなくて、ジンさんかジン隊長ね。まったく……部下になったら呼び捨てはやめるんだよって毎回言ってるだろ」

 ふと、軽やかな足音が近づいてくるのが耳に入り、倒れているカイの視線が動いた。少し上を向くと、金髪の少女がすたすたと歩いてきていた。

 金のロングヘアが背中に流れ、風に乗ってやわらかく揺れている。光が差すたび白金色に煌めき、周囲の空気までも明るく染めるようだった。瞳は透き通るような淡い青で、柔らかく揺らめいている。

 身につけているのは、清楚なシスター服を改造した軽装。動きやすいよう袖と裾を短く切りそろえ、裾には深いスリットが入り、歩くたびに裾が軽やかに揺れる。白と黒を基調とした布地の上には、金の刺繍が走っていた。胸元と腰に付けられている小さな十字架のアクセサリーが微かに鳴り、陽に照らされては断続的に金の閃きを放つ。

「バカイト、なにしてんのよ」

 素行の悪いシスターのような少女は腰に片手を当て、倒れているカイを冷ややかに見下ろした。

「テ、ティア!?」

 ティアの表情には、呆れの色が濃く浮かぶ。夕暮れの光がその頬を照らし、長い金の髪が風に揺れた。

 カイの頬についた土と血の跡をちらりと見て、彼女は短く息を吐いてしゃがみこむ。直後、手がかすかに動き、次の瞬間には迷いのない動作で手を振り下ろした。

「いてっ!」

 ペシン、と乾いた音が畑に響いた。ティアの手のひらが頭に当たった瞬間、軽い衝撃が弾ける。

「なにすんだよ!」

「あんたがバカだからよ」

 ティアはそう言い捨て、再びすっと立ち上がると、手を上に突き出した。

 静かな空気の中で、風がそっと震える。掲げたティアの掌に細い風が巻きつき、淡い光がぽつりと灯る。光の粒はまるで意志を持つように彼女の掌に吸い寄せられ、ひとつ、またひとつと数を増していく。やがて緑の輝きが花弁のようにほころび、柔らかな風のうねりと共に静かな波動があたりを包み込んだ。

「《ルクス・サクリファ》」

 それは、この世界には存在しない魔法。

 淡い緑光が、カイや村人たちに降り注ぐ。光が体を包み、温もりが皮膚の下にゆっくりと浸透する。裂けた皮膚が閉じ、流血は止まり、全身の痛みが嘘のように急速に引いていく。

 カイはその癒やしの光の中で、心に浮かんだ疑問を抑えきれずにティアへと視線を向ける。

「ティア、なんでここにいるんだよ?」

「あんたを連れ戻しに来たに決まってるでしょ。最悪よ。せっかくリズとショッピングしてたのに」

「そんなのいつもやってるじゃ――いてっ!」

 再び、カイの頭に軽い衝撃が走った。今度は足で蹴られた。

「あんたが口答えすんな」

 せっかく頭まで癒しの温もり包んでいたのに、一瞬で痛みに置き換わる。しかし、その痛みも癒しの光のおかげですぐに無くなった。

「ティア、そこまで。それ以上は土地まで悪くする」

 それまで周囲を警戒していたジンが、ゆっくりと息を吐きながら口を開く。その静かな声が夕暮れの空気をわずかに震わせ、焦げた草の匂いの中にひとすじの緊張が走った。

「はい」

 ティアが腕を下ろすと、包み込んでいた緑光が夕焼けの色に溶けるように薄れ、静かに消えていった。頬をなでる風が少し冷たく、余熱がゆっくりと引いていくように感じる。

 体にまだ痛みは残っているものの、さっきのように力が入らないほどではなかった。地面に手をついて、カイはふらつきつつもゆっくりと立ち上がった。

「サンキューな、ティア」

「あとでお金貰うからね」

「なんでだよ!?」

 ふと、柔らかな日差しの中にふと影が差す。

 夕暮れの茜空を、一羽の青い小鳥が旋回しながら舞い降りる。羽がふわりと揺れ、まるで訓練されたような正確な動きで、滑るようにジンの肩へと着地した。

『ジン隊長、近くにもうモンスターはいませんでしたー』

 青い羽を一回大きく羽ばたかせ、鳥が喋った。風に揺れた羽毛から、澄んだ声が確かに響いた。

 現実離れした光景にもかかわらず、ジンは眉ひとつ動かさず、その声をまるで人間の言葉のように自然に受け止めていた。

「そうか。ありがとう、リズ。念のため、引き続き警戒はしておいてくれるかい」

『了解っスー』

 するとリズと呼ばれた鳥は、軽やかに羽をばたつかせ、再び空気を切るように舞い上がる。光を受けた翼が煌めき、ひと筋の風の尾を残しながら夕空の彼方へと吸い込まれていった。

「あ、あんたたちは?」

 大量のモンスターが一瞬で倒れ、癒しの光に包まれ、鳥が喋る――現実とは思えない出来事の連続に村人たちは武器を下ろすことも忘れたままただ呆然としていたが、誰かの言葉が静けさを破り、ようやく人々の目に理性の光が戻っていく。

「あんなにいたモンスターが一瞬で……」

「痛みがない!」

「さっき、鳥が喋ってたよな」

「奇跡だ!」

 恐怖の余韻がまだ空気に張りつきながらも、そこに混じるのはなんだか分からないが危機を脱せた安堵と、それ以上に目の前の異質な者たち――ジンたちへの戸惑いと好奇心だった。

 ジンはその空気を読んでわずかに微笑み、騒然とした気配を静めるようにタイミングを見計らって口を開いた。

「はじめまして、皆さん。私たちは、この子……カイの同郷の者です」

 カイの知り合いだと分かった途端、村の男たちの表情がほっと緩んだ。夕陽に照らされた剣や槍の刃が鈍く光り、それらがゆっくりと下ろされていく。柔らかな風が吹き抜け、張り詰めていた空気を揺らした。

 ジンの穏やかな声と落ち着いた物腰が、戦いの余韻を包み込むように広場を静けさへと導いていくのだろう。

「え!? カイの!?」

「そりゃあ強いわけだ」

「あんたカイの兄ちゃんか? 若いなあ」

「この傷の治り、どういうことだ!?」

「シスターさんなんて俺初めて見た」

「俺は町の教会で見たことあるぞ」

 村人たちの笑い混じりの声が次々と飛び交い、カイを弾き飛ばしてジンとティアはあっという間に人垣に飲み込まれていった。感謝や歓声があちこちで上がり、つい先ほどまで絶望に包まれていた畑をざわめきと笑い声で満たしていく。

「……オレの活躍もう忘れてねえか」

 指をくわえるように輪の外でそれを見ていると、ティアが息を切らしながら人混みをかき分けて出てきた。金の髪が肩に張り付き、わずかに乱れた息が胸元で上下している。額の汗を手の甲で拭いながら、彼女はカイのもとへとよたよたと歩いてくる。

「人えぐいー」

「いいじゃんか。すごい感謝されてたじゃん」

「イケメンならともかく、おっさん達に囲まれる趣味はないっての」

 ティアが肩を落とし、心底うんざりしたように大きく息を吐いた。肩口の金の髪がわずかに揺れ、人混みに揉まれた疲れと呆れが表情に滲ませていた。

 そんな彼女の様子を横目で見ながら、カイが口を開く。

「それにしても、よくオレがここにいるって分かったな」

「大変だったんだからね。いなくなったあんたを探せって昨日いきなり言われて、この世界に来たはいいけど、どこか分からない山の中に転移させられてさ。半日かけてオペレーターの案内で町まで行って、やっと一息つけたのよ。それからリズがあんたを探して、ようやく見つけたと思ったら、また遠いところにいるわなんか戦ってるわで、ここまで全力疾走。リズがいなかったら、あんた一生見つからなかった気がするわ」

 ティアが、思い出したように疲れの残る声でため息まじりに言った。

 最初は素直に感謝していたカイだったが、話の流れにふと違和感を覚え、眉をひそめて口を開いた。

「お前、ただ走っただけでなんもしてないじゃん」

 カイが呆れ混じりに言うと、ティアの眉がぴくりと動いた。

 ――あ、やべ。

 予感は的中。次の瞬間、パシン、と鋭い音が夕暮れの空気を切り裂いた。

 ティアの拳がカイの頬を正確にとらえ、強い衝撃が走る。反動でカイの体がよろけ、足を取られたように半回転して、そのままぬめった土へ顔から突っ込んだ。

「オ、オレ怪我人だぞ!?」

「余計な事を言うからよ」

 そのあと、ティアが口の端をつり上げ、意地の悪い笑みを浮かべた。

「それにしても、あんた本当タイミング悪いわよね。あんたが異世界転移した次の日に、ジン隊長帰って来たんだから。あと一日待ってれば、ちゃんと任務として異世界に行けたのにね」

「うるせえ……」

 カイは視線を逸らして、唇を尖らせる。

 ジンが帰ってくるまで、もっと時間がかかると思っていた。だから、焦りに任せて無断で異世界転移をした。まさか、その直後に帰還するなんて思いもしなかった。もし分かっていたなら、あんな無茶はしなかった。

 胸の奥に、後悔がゆっくりと沈んでいく。

「オレ、戻ったらどうなるんだ?」

 当然、処罰を免れるわけにはいかないだろう。

「アタシが知るわけないじゃん。まあでも、勝手な異世界転移はルール違反だからねえ。クビとかになるんじゃないの」

「それは困る!」

 カイは思わず声を張り上げた。勢いのままティアに詰め寄るが、彼女はその熱気を避けるように冷めた瞳でふいと顔を背けた。

「アタシに言われても困るって。ジン隊長がなんとかしてくれることを祈るしかないわね」

「お前、他人事だからって」

「実際、アタシ関係ないしね」

 カイは半ば呆れたようにティアを見つめた。肩をすくめ、気持ちを落ち着けるように息をひとつ吐く。夕陽に照らされた彼女の横顔を見ているうちに、追及する気もすっと薄れていった。

 でも、実際ティアの言う通りだ。

「それで、リズはどこにいるんだ?」

「あの子なら、近くにあったボロボロの村にいるわよ」

 カイがお世話になっていた村だろう。

「サボってんじゃねえの」

「ありえる」

 カイがぼやくと、ティアは口元に小さな笑みを浮かべ、肩をすくめた。

 しばらくして、ざわめきの輪からようやく解放されたジンがゆっくりとこちらに近づいてくる。夕暮れの光が彼の背を縁取り、長く伸びた影が地面を滑るように広がっていた。

「あれ、みんなは?」

「大量に肉と皮が手に入るって、喜んでモンスターの解体をしているよ」

 見れば、村人たちは絶命したモンスターの体をせっせと解体していた。刃物が骨を裂く鈍い音が、あちこちから聞こえてくる。

「それよりカイ。今回の無断での異世界転移についてだけどね」

 夕暮れの光を背に、ジンの表情から先ほどまでの穏やかさがすっと消える。目元がわずかに険しくなり、口元が引き締まった。

 普段は滅多に見せない厳しい顔に、カイは思わず肩をすくめた。

「……頼む! ちゃんと話は聞くから、あとにしてくれ! 今あのオークを倒して体バキバキなんだよ」

 そう言って指を差すカイの先、焼け焦げた地面の上に、ひときわ異様な存在感を放つモンスターが横たわっていた。夕暮れの光を浴びてもなお、灰の肌は鈍く光を返し、焼け爛れたような裂け目模様のある皮膚が見る者に不気味な威圧感を残している。

「ん?」

 倒れているオークを見るジンの目が、一瞬鋭く光る。カイへお説教しようとしていた表情はなくなり、倒れているオークの情報を読み取っていく。

「カイがこのオーク倒したの?」

「そうだよ! すっげえ強かったんだからな。普通のオークよりでかいし、棍棒振った風圧だけでいくつも木折りまくるし、なんか喋るし」

「喋った?」

「うん、喋った。メシって」

「聞き間違えじゃないの?」

 ティアが口を挟んできた。小さく肩をすくめながら、気の抜けたような調子で言う。

「本当だって!」

 カイの言葉に、ジンの表情がわずかに変わる。驚きの色が一瞬浮かび、次いで思案の影がその瞳をかすめた。

「……ふむ」

 低く呟いたあと、ジンは解体作業に勤しむ村人の方へ歩いていき、なにかを話し始める。

 距離があるせいでカイには内容までは聞こえないが、村人の何人かが興味深そうに、ジンのもとへと集まり倒れているオークを見る。

「どうしたんだ? ジンのやつ」

「さあ。ていうか、いくら昔からの知り合いだからといってジン隊長のこと呼び捨てはないんじゃない? ジン隊長って呼びなさいよ」

「ヤダ」

「ガキか」

 軽口を交わす二人の声が、夕陽に染まった畑に静かに溶けていった。

 

 そのあと、カイとティア、そして村人たちはゆっくりと村へ戻った。脅威が取り払われたことで、足取りは軽い。ジンは「少し調べることがある」と言い、ひとり畑に残っていた。

 村に着いた頃には、夕暮れの光はすでに尽きて、空は深い藍色に沈んでいた。倒壊した家屋の残骸や折れた柱があちこちに散らばり、木片や瓦礫が山のように積み上がっている。

「リズー! リズどこー?」

 ティアが声を張り上げ、崩れた家々の間を抜けながらリズの名を呼んだ。瓦礫の山や折れた柱を避けつつ村の中を探すが、どこにも姿は見えない。

 やがて、最後にたどり着いたのは集会所。軋む扉を押して中に入ると、薄暗い室内の木の床の上で、一人の少女が無防備に眠っていた。

 紫がかった灰色のショートボブ、長い前髪が片目を覆い、瞳がぴったりと閉じられている。肌は白く、少し不健康そうにも見える。女性の旅人のような装い。首には通信機能付きのチョーカーをつけ、近くには小型のバッグが置かれている。

「リズー! あんたなに寝てんのよ!」

 ティアが足音を立てて近づくと、リズがゆっくりと身じろぎをした。眠そうに目を擦りながら、重たげに上半身を起こす。薄暗い室内に差し込む夕陽の光が、彼女の髪を淡く照らした。

「ぅえ? あ、ティアじゃん。もう帰ってきたん?」

「やっぱサボってんな」

 リズはティアからカイへと視線を移す、にへらと笑った。

「お、バカイもいるじゃん」

「バカって言うんじゃねえ。サボり魔」

「サボってないわい。なにか異常があったら、アラート鳴るようになってるし」

 リズは小さく欠伸を噛み殺し、指先でゆるりと窓の外を示した。窓の外から差し込むわずかな残光が、窓枠の上にいる一羽の青い鳥を静かに照らしている。

「あ、畑にいたやつ。あれ、ドローンなのか?」

「そ、ドローン」

 カイが近づき、青い鳥をまじまじと見つめた。どこからどう見ても、生きた鳥にしか見えない。

「全然わかんねえ」

「そうだろ。この世界には機械が無いって聞いてたからな。分かりにくいのを、ちゃんと持ってきたんだ」

 リズは、誇らしげに胸を張った。薄闇に溶けるような光の中で、眠気を残した瞳にかすかな生気が戻る。

「いたいた」

 いつの間にか、畑から戻ってきていたジンが入口に立っていた。夕陽の名残が背後から細く差し込み、彼の輪郭を淡く縁取っている。

「あ、ジン隊長。なにやってたんですか?」

「うん。カイが倒したオークを回収してたんだ」

 ジンは腰についている巾着から、一枚のカードを取り出した。そこには、先ほどのオークによく似た絵柄が描かれている。

 それはS.C.O.P.E.の技術で作られた特殊なカードだ。対象に当てるだけで、どんな物でも収納できる。ただし、生きている生物を入れると暴れられる危険があり、耐久値を超えるとカードが破れて外に出てしまうこともある。

「あ、さっきのオークを回収してたんですね。なんか気になることでもあったんですか?」

「うん、ちょっとね。当分は目を覚まさないだろうし、骨もあちこちいってたから暴れてまた出てくる心配はないとは思う。でも、念のため早めにS.C.O.P.E.に戻ろうか」

「え、アタシら来てからまだ一日も経ってないですよ?」

 ティアが驚いたように目を丸くした。

「カイを探すっていう任務は達成したんだから、長居は無用だよ」

「えー。ちょっとくらい観光してから帰りましょうよ。この世界の服見たいし」

 ティアがぶつくさ言いながら、腕を組んで小さく足を鳴らす。

 ジンはそんな彼女を横目に見て、ほんの少し口元を緩めるだけで返す。苦笑を浮かべながらも、真剣な目の奥にはすでに帰還の段取りを決めているようだった。

「ジン! 待ってくれよ」

 カイが慌てて呼び止める。このまま帰ったら、何も出来ずに終わってしまう。今からでも、なにか成果を出さないと。

「待たない。カイ、君は帰ったらまず聞き取りを受けることになると思うから、覚悟しておくように」

 その声音には、いつもより鋭い厳しさが滲んでいる。沈みかけた陽の残光がジンの横顔をかすかに照らし、薄闇の中に淡い影を落とす。

 静かな声なのに、不思議と空気が引き締まり、背筋を自然と伸ばしてしまうような圧があった。

「……分かった。聞き取りは絶対受ける。でも、この世界で、最後にちょっとだけ挨拶しておきたい人がいるんだ」

 返すカイの顔には、迷いがなかった。暗くなり始めた室内の薄明かりが、その瞳の奥に静かな決意を映している。わずかに揺れるランプの光が、彼の頬を淡く照らした。

 ジンはそんなカイの表情をしばらく見つめ、やがて小さく息を吐いた。薄闇の中にそのため息が溶けていく。まるで根負けしたように、それでいてどこか優しさの滲む静かな音だった。

「……分かったよ。でも、それが最後だ。今日の夜には絶対に帰るからね」

「サンキュー!」

 カイは深く息をつき、集会所を出る。そして、夜気を胸いっぱいに吸い込んだ。沈みきった陽の残光が空の端にわずかに滲み、木と土の匂いとともに冷たい風が頬を撫でる。

 最後に、ミリエラに会いに行こう。

 カイの背を、ゆるやかな風が押した気がした。

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