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第24話


 パキンという何かが割れる音が聞こえてくると、オクタヴィオはその音の方角へ視線を向ける。

 

「帰ってきたか」

 

 オクタヴィオの視線の先には、軽く埃を払いながら歩いてくるユイエの姿が視界に映る。

 その姿は無傷そのもので、特に変わった様子はなかった。


 どうやら上手くいったようである。

 

 そのことに安堵しつつオクタヴィオは彼女に声をかける事にした。

 

「おかえり、どうだった?」

 

 その問いに彼女は首を横に振る事で答えると、簡潔に一言だけ告げるのだった。

 

「つまらないわ」

 

 それを聞いてオクタヴィオは少し残念そうな表情を浮かべるものの、すぐに気を取り直して別の質問をすることにする。

 

「やりすぎてないか?」

 

 それを聞いたユイエは少し考えた後で答えた。

 

「大丈夫だと思うわよ、多分だけどね」

 

 こともなげに言う彼女に対してオクタヴィオは苦笑しながら言った。

 

「それはそれで心配なんだが……」

 

 その言葉にユイエは特に表情を変えることなく淡々とした口調で言う。

 

「平気よ、手加減したから」

 

 それを聞いて少し安心するオクタヴィオであったが、同時に疑問を抱くこともあったため聞いてみることにする。

 

「ちなみにどんな風に?」

 

 それに対してユイエは事も無げに答えるのだった。

 

「別に大した事はしてないわ、ちょっと小突いただけよ」

 

 その言葉にオクタヴィオは思わず頭を抱えたくなったがなんとか堪えることに成功した。

 というのも彼女が言っている事が事実なら、今頃コルネリオという男は下手をすれば命を落としている可能性すらあるかもしれない、そう思うと気が気でなかったのである。

 そんなオクタヴィオの心配をよそに、当の本人であるユイエはどこ吹く風といった様子で涼しい顔をしているし、むしろ退屈そうな表情をしているくらいだった。

 オクタヴィオは苦笑しつつ、改めてユイエを労う。

 

「何にせよ、何もなくて良かった」

 

 それに対し、ユイエは無言で頷くだけだったが心なしか嬉しそうな表情を浮かべているように見えたのは気のせいではないだろう。

 そんなやり取りを交わしつつ、ユイエは切り出した。

 

「逆にオクタヴィオはどうだったのかしら? 何かあったんじゃない?」

 

 その問いかけにオクタヴィオは少し考えてから答えた。

 

「……そうだな、今回も大変だったかな」

 

 先程の戦いを振り返ってみれば、アルテミシアの攻撃は確かに苛烈であった。

 空間に作用する魔法というのはこれほどまでに、殺傷能力ひいては制圧に向いているのかが、嫌というほど感じられていた。

 

「一瞬でも気を抜いたら辛かったのは確かだ」

 

「そう。 オクタヴィオのお人好しは今に始まったことじゃないけど、少しは疑うことも覚えなさいな」

 

「……肝に命じとくよ」

 

 そんな会話もそこそこに、2人は少し離れた場所で動く物体に視線を向けた。

 そこにいたのは特に怪我もしていない、アルテミシアの姿があった。

 彼女は王座のような椅子から立ち上がると、こちらに近付いてくる。

 そしておもむろに口を開いたかと思うとこう言ってきた。

 

「あなた方の力はよくわかりましたわ……。 どうしてこれほどの人が今まで無名だったのか不思議なくらいですわね……」

 

 アルテミシアの言葉に対し、オクタヴィオは何も答えなかったが代わりにユイエが一歩前に出ると言った。

 

「私達は目立ちたいわけではないの」

 

 その口調は相変わらず平坦ではあるが、どこか冷たい雰囲気を感じさせるものだった。

 

「ただ平和が欲しいだけなの」

 

 その言葉を聞いたアルテミシアは小さく首を傾げる仕草を見せると、不思議そうに聞き返すのだった。

 

「それはどういう意味ですの?」

 

 だが、それに答えようとする者は誰もいないようだった。

 沈黙が流れる中、最初に口を開いたのはオクタヴィオだった。

 

「まあとにかくだ、俺達の目的は魔女達の奪還だ。 こっちが勝ったんだから、返してくれるよな?」

 

 その言葉を聞いたアルテミシアは少しの間思案した後で頷くと、こう言った。

 

「良いでしょう、約束ですから返して差し上げますわ」

 

 そう言ってアルテミシアがパチンと指を鳴らすと、彼女の隣に黒い渦のようなものが出現する。

 

「この空間を抜けていけば、攫った魔女達がいる空間に着きますわ」

 

 それを聞いてオクタヴィオはすぐに駆け寄ろうとするのだが、それをユイエに制止されてしまう。

 

「待ちなさい、オクタヴィオ」

 

 声をかけられて思わず足を止めてしまうオクタヴィオだったが、それでも構わず行こうとする姿を見てユイエは呆れたように溜息をつくと言った。

 

「それに乗ったら死ぬわよ」

 

 その言葉にピタリとオクタヴィオは動きを止めた。

 まるでブリキの人形のようにゆっくりとユイエを見て振り返ると、冷や汗を流しながら尋ねる。

 

「……どういうことだ?」

 

 オクタヴィオとしては当然の反応と言えるだろう。

 なにせ自分が乗ろうとしている物に乗ったら死ぬと言われたことが、唐突すぎて全く分からないのだから無理もないことである。

 しかしそんなオクタヴィオとは対照的に、ユイエは何食わぬ顔でさらりと言ってのけるのだった。

 

「だから乗るなって言ってるのよ」

 

 それを聞いたオクタヴィオは慌てて反論しようとするが、その前にアルテミシアが口を開く方が早かった。

 

「ちっ、上手く行けば何もわからず消して差し上げましたのに」

 

 それを聞いたオクタヴィオは背中に嫌な汗が流れるのを感じる。

 もしあの時ユイエが止めてくれなかったらどうなっていたのだろうかと思うとゾッとしたのだ。

 

「流石に今回は私達の負けを認めましょう。 ですが、次回はこうはいきませんことよーーーコルネリオ!」

 

「聞こえてるよっ!」

 

 そう言いながら先程まで気絶していたであろうコルネリオは立ち上がるなり、懐から何かを取り出したかと思えばこちらに向けて投げつけてきた。

 

「ユイエ!」

 

 オクタヴィオはユイエを庇いつつ咄嵯に身を屈めて躱すと、背後で爆発が起こったようで轟音と共に爆風に襲われることとなった。

 

 吹き飛ばされそうになるのを耐えていると、やがて煙が晴れていく。

 視界がクリアになっていくとそこにはコルネリオとアルテミシアの姿はなく、地面に大きな穴が開いているのが見えただけであった。

 どうやら彼らはそのまま逃げてしまったようだ。

それを見てオクタヴィオは大きくため息をつくとその場に座り込んでしまった。

 

「大丈夫?」

 

 その様子を見たユイエは声をかけ、オクタヴィオは大丈夫だと答える。

 

「……しっかし、逃げる時は鮮やかな手並みだったな。敵ながら脱帽というか何というか……」

 

 そんな事を言いながらオクタヴィオが苦笑するのを見て、ユイエも微かに笑うと立ち上がりながら言った。

 

「そうね、私も少し感心したわ」

 

 その言葉を聞きつつもオクタヴィオは立ち上がると、周囲を見回してみるがやはり彼女達の姿は無かった。

 

「とりあえず、やっこさん達はいなくなったんだし……連れ去られた魔女達を救出して帰ろう」

 

 そう言うとオクタヴィオはユイエの手を取ると、ゆっくりと歩き出す。

 この廃城に来た当初、ユイエが探知した魔力反応は今いる部屋の上層ーーーつまり、最上階に他ならない。

 アルテミシアがいた王座の裏を見てみれば、薄暗いが上へと続いていく階段があるのが見えた。

 

「あれか」

 

「さっきの一件があるから用心なさい」

 

「わかってるって」

 

 2人は慎重に階段を登っていくことにした。

 長い螺旋状の階段を上がっていくと、その先に扉が見えてきたので警戒しつつ開けていくことにする。

 そこは広い部屋になっており、奥には大きなガラス張りの水晶体のようなものがいくつか見える。

 恐らくあれが攫われた魔女達なのだろうと思われた。

 水晶体に近付くにつれて中の様子が見えてくるようになると、その一つ一つの中には見覚えのある魔女が浮かんでいた。

 皆一様に意識を失っているようだが、外傷などは特に見当たらないように見える事から命に別状はないのだろう。

 その様子を見たオクタヴィオは思わず安堵のため息を漏らすと、隣にいるユイエに向かって言った。

 

「良かった、全員無事みたいだぞ」

 

 それを聞いたユイエも頷くと、2人で顔を見合わせると笑みを浮かべるのだった。

 

「それじゃ、この中から出してさっさと帰ろう。 えっと制御装置は……」

 

「これじゃないかしら?」

 

 ユイエが指差したのは、一つの水晶体の前に置かれていた台座のような機械であった。

 それは何かの端末のようで、ボタンがいくつか付いているのがわかる。

 

「それっぽいな。 よし……」

 

 オクタヴィオが端末に触れて操作していく。

 水晶内に満たされていた魔力が徐々に減衰していくのが見える。

 それと同時に中に浮かんでいる女性達も目を覚まし始めたようだ。

 目を覚ましたばかりの女性は状況が飲み込めていないのか、困惑している様子だったが次第に意識がはっきりしてきたらしく、辺りを見回すと自分の置かれた状況を理解したらしい。

 中には涙を流して喜ぶ者もいたが、大半は戸惑いを隠せないようでざわめいているのがわかった。

 そんな中で一人の女性ーーーサーティスが前に進み出ると言った。

 

「助けてくれてありがとよ……。 まさかあんたに助けられるとは思ってなかったよ」

 

「気にしないでくれ、アルスから『助けてくれ』って頼まれたからな」

 

 そう返すとオクタヴィオは肩を竦めてみせた。

 それを見たサーティスは小さく微笑むと言った。

 

「そうかよ。 でも助かったよ、本当にありがとう」

 

 そうして握手を求めてきたのでそれに応えてやると嬉しそうに笑っていた。

 それから彼女は他の仲間達にも声をかけて回っていたようだった。

 しばらくして落ち着いた頃を見計らってオクタヴィオは声をかける事にした。

 

「さて、そろそろここから出ようと思うんだが大丈夫か?」

 

 オクタヴィオが声をかけると全員が頷いたので早速脱出する事にする。

 幸い出口までは一本道だったので迷う事なく外に出ることが出来るだろう。

 

「それじゃあ行くぞ」

 

 先頭に立って歩き始めたオクタヴィオに続いて残りの者達も歩き始めるのだった。

 

「そう言えばアタシ達はどのくらい捕まってたんだ?」

 

「そこまで時間は経ってないわ」

 

「ある意味電撃作戦だったからなぁ」

 

 そんな話をしながら歩いているうちに出口が見えてきたため、安堵しているとーーー

 カチン、と何かを押す音がオクタヴィオ達の耳に響く。

 

「ん?」

 

「あら」

 

「え?」

 

 オクタヴィオがその音が聞こえた方角……後ろの方を向けば、ゆるふわな髪型をした女性が顔を青ざめさせ、半泣きでオクタヴィオ達を見ていた。

 

「あっ、あのっ!? わた、わ、私……!」

 

「オーケー、お嬢さんその場で動くなよ? ふりじゃないからな? 絶対にその位置から動かないでくれ? まかり間違っても動こうとするなよ?」

 

 オクタヴィオはすぐさまその魔女へと動かないように声をかける。

 なるべく優しい声音でトラップを踏んでしまったであろう女性の恐怖心を和らげようと努める。

 

「オクタヴィオ……何か聞こえてこない?」

 

「音ぉ? ……いやいや、まさかなぁ」

 

 ユイエの話を聞きながら、恐る恐るその音の出所に視線を一斉に向けていく。

 通路の奥の方から地鳴りのような、何かがこちらへと向かってくる音が聞こえてくる。

 

「おいおい……! あれはーーー」

 

「巨大な石の玉ね」

 

「呑気に言ってる場合かァ!」

 

 通路を丁度埋め尽くすような大きさの岩が、オクタヴィオ達に向かって転がってくる。

 その瞬間、オクタヴィオは大声で叫んぶと即座に行動に移した。

 

「全員前見て走れェ!」

 

 その言葉と共に全員が脇目も振らず全力で駆け出す。

 オクタヴィオはすぐさまゆるふわ魔女を抱え上げると、そのまま全速力で走り始めた!

 そして後ろから追いかけて来る大質量から逃れるべく必死に足を動かすのだった。

 

「アイツら簡単に逃げるから何だと思ってたけど、こんな隠し玉があったのかよ!」

 

「ごちゃごちゃ言ってないで腕と足を動かせ! どんどん迫ってきてるぞ!」

 

 オクタヴィオの声に応える形でサーティスもまた声を張り上げる。

 もう既にすぐ後ろにまで迫っている石の塊を見ながら冷や汗を流すのだった。

 

そんな時ーーー

 

「きゃっ!?」

 

「っ!?」

 

 1人の魔女が足をもつれさせてしまったのが、オクタヴィオの視界に映り込む。

 

「マジか!?」

 

 抱えていたゆるふわ魔女を怪我がないように手早く下ろして、オクタヴィオは片道をすぐに引き返す。

 オクタヴィオは必死で走る。

 このままでは押し潰されてしまうからだ。

 それだけは絶対に避けなければならない事態である。

 岩が来る前に転んでしまった魔女がいる場所に辿り着き、すぐに状況を確認していく。

 

「大丈夫か?」

 

「足が……!」

 

 どうやらもつれた時に足を挫いてしまったらしい。

 これでは歩く事もままならないだろうと判断したオクタヴィオはすぐに決断を下すと、彼女の前へと進み出る。

 突然の行動に驚きを見せる彼女は、オクタヴィオに声を掛けようとする。

 しかし、オクタヴィオはそれを何も言わず手で制す。

 そんな姿をみて大人しく身を委ねることにしたらしい。

 

「さぁて……こうなったらやるしかない、か。 ……腹を括るとしますかね」

 

 一分も澱みない動作で、オクタヴィオはホルスターからベティを抜き放ち、大岩へと照準を合わせる。

 

「アンタ、どうするつもりだ!?」

 

 オクタヴィオを追いかけてきたサーティスが焦った声をあげながら彼の側まで走ってくる。

 

「丁度良かった。 サーティス、君はこの人を連れて先に行け」

 

「先に行けって言ったって、アンタは!?」

 

「アレをどうにかする。 ユイエは……いるな」

 

 少し辺りを見回せば、ユイエは何も言わずともオクタヴィオの側でその行く末を見守っている。

 

「ほら早く行ってくれ」

 

「あーッもうッ!! 死んでも知らないからな!?」

 

 そういうや否や、サーティスは魔女を抱えて走り出す。

 

「ユイエ」

 

「わかってるわ」

 

 オクタヴィオが何も言わずとも、ユイエはやることがわかっているようであり、腕を組んでその時を待っている。

 2人や魔女達が離れていく姿を確認したオクタヴィオは再び視線を迫り来る大岩に戻すと、銃口を向けて狙いを定める。

 

 そして次の瞬間、オクタヴィオは引き金を引く。

 1発、2発、3発と弾丸は大岩へと吸い込まれていく。

 何度も同じ場所へと、めり込んだ弾丸が次の弾丸を押し込んで奥へ。

 

 奥へ、奥へ。

 

 奥へ、奥へ、奥へ。

 

 別にこの大岩をわざわざ割る必要はない。

 要は側へと来なければ良いのである。

 

 そして、同じ場所へと撃ち込んだ成果はすぐ実りをつける。

 奥まで入り切らずに飛び出した弾丸が地面と接触した瞬間ーーー

 

「ユイエ!」

 

「任せなさい」

 

 異音を立ててほんの少しだけ横に大岩が浮き上がり、進路が変わる。

 

 その隙を見逃さず、ユイエは指を打ち鳴らす。

 

 大岩の進行方向の少し先の壁が音もなく劣化を始め、いとも容易く崩れ落ちていく。

 進む先がほんの少しだけ変わった大岩は、崩れたその壁の先へ転がり込んでいく。

 その後すぐに激突音が響き渡り、オクタヴィオはふぅ、と一息ついた。

 ユイエは相もかわらず無表情でそれを見つめている。

 

「とりあえず、何とかなったな……」

 

「そうね」

 

「助かった……」

 

 そう言うと、オクタヴィオは苦笑いを浮かべながら頭を搔く仕草をする。

 そんな姿にユイエも僅かに口角を上げてみせた。

 

「でもこれで後は脱出するだけだな」

 

 オクタヴィオ達がやるべき事は大体済んだと言えるだろう。

 あとは脱出すればそれで終わりだ。

 

 そう考えていた時だった。

 突如地響きのような音が辺りに響き渡ると同時に建物全体が大きく揺れ始める。

 それと同時に天井から瓦礫が崩れ始め、次々と落ちてくるのが見えたため、慌ててその場から飛び退くようにして離れる。

 幸いにも崩落した場所はオクタヴィオ達の場所からは少し離れていたため、巻き込まれる事は無かったのだが――

 

「……今の音、まさかとは思うが崩れ始めてないか?」

 

「恐らくその通りでしょうね」

 

 それを聞いてオクタヴィオは思わず頭を抱えたくなる衝動に駆られるが、今はそんな事をしている場合ではないと思い直し、思考を切り替えることにする。

 

「……とにかくここを出るぞ! まだ完全に崩れてない今のうちに!」

 

「ええ、わかったわ」

 

 こうして二人は建物の外へと急いで駆け抜けていく。

 オクタヴィオはユイエを横抱きにすると走り出す。

 

「全くあの2人は面倒なことしかしないなぁっ!」

 

「叫んでないでさっさと走りなさい」

 

 道中では所々床が抜け落ちており、足場が非常に悪い状態となっていた為、慎重に進んでいかなければならなかったものの、それでもなんとか進んでいく。

 そうしてようやく出口が見えてきた所で、オクタヴィオ達は安堵の息を漏らすのだった。

 

 それから数分後ーーー。

 

 無事に外まで辿り着いたところで、オクタヴィオは抱えて運んでいたユイエを下ろすことにした。

 ユイエはゆっくりと地面に足を着けると、軽く伸びをして深呼吸をしているようだった。

 そんな姿を見ながらオクタヴィオも身体をほぐしていく。

 流石にずっと抱えっぱなしというのは疲れるものだ。

 そんなことをしているうちに、遠くの方から声が聞こえてくる。

 

「おーいっ! オマエらーっ!」

 

 声が聞こえてくる方角を向けば、先に脱出していたサーティス達が手を振っているのが見える。

 どうやら向こうの方も無事だったようだ。

 それを見たオクタヴィオ達は小さく息をつくと、彼女達の元へと歩いていくのだった。


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