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いや、あなたがたが付き合うこと自体には何も言いませんけど
「毎月300字小説企画」様、9月のお題「まさか」で書かせていただきました。
空白、改行、ルビを除く299字。
「真坂くんと付き合うことになったの!」
教室に飛び込んでくるなりそう叫んだのは友人のユミ。
「真坂、って幼稚園の時一緒だった?」
「そうなの! まさかまた会えるなんて~」
ユミ曰く。
通学途中で盛大にスッ転び、あわや転落&水もしたたるイイ女の完成かという惨事に、突然現れて救ってくれた白馬の王子。それがまさかの真坂くんで。
『久しぶり』×『一種の吊り橋効果』に『ドラマみたいな再会』が加味されて『付き合っちゃおうか!』となったらしい。
「それでね、悪いけど今日から一緒に帰れない」
「それは別にいいんだけど」
私は窓の外を見る。
遠くに見えるのは恋の舞台の例の川。
「まさか、こっち来ちゃったのかぁ」
──三途の川、と言う。




