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メモ用紙を発見

作者: MANA
掲載日:2020/02/08

希美(のぞみ)は、ある地方都市の図書館で非常勤職員として働いている。


カウンターでの対応や、返却された本を清掃して棚に戻す作業、


返却ポストに入っている本の処理、新刊コーナーの本を入れ替える作業などで一日が終わる。


彼女自身も図書館の利用者カードを持っていて、


月に1冊か2冊の本を借りていた。


ほとんどは10年以上前に刊行された推理小説で、


毎晩少しずつ読むのが日課だった。


冬の最中で、かなり寒い日。


希美は30年以上前に故人となった小説家の本を1冊借りて帰った。


その作家の全集も図書館にあるが、借りる人はほとんどいない。


新刊しか読まない人たちは、その作家の名前を知らないだろう。


夕食と入浴を済ませた希美は自分の部屋に戻り、


電気こたつとエアコンで暖房をとりながら、


借りて来た本を広げた。


そのときに、本にはさまれていたメモ用紙がこたつ台に落ちた。


A4サイズの用紙が四つ折りされていて、


面と裏に細かい字で数字がびっしり表示されている。


用紙はまだ白さを保っていて、そんなに古いものではないと思われたが、


米粒より少し大きいくらいの数字が、


手書きではなく、プリンターによる印字で並んでいる。


希美の部屋は2階。


彼女は静かに階段を降りて、家の電話機(ファクス機)を使い、


メモ用紙を広げて表裏をコピーした。


また階段を静かに上って部屋へ。


数字にどういう意味があるかと考えてみたが、


どうしてもわからない。


「これは乱数による暗号?


図書館の本にそういうメモを入れる人がいるのかな」


彼女はしばらく思案してから、高校時代の女子の同級生で、


今は自衛隊で事務官をしている娘にメールを送った。


その娘とは今でも時々メールや電話でやりとりしていて、


その晩はすぐに返信があった。


「こんばんは。お疲れ様。そのメモだけど、写メール送ってもらえる?」


希美はすぐに用紙の一部を撮影して返信した。


「こっちに暗号に詳しい人はいると思うの。


月曜に写メールを上の人に見せてもいい?」


希美は了解した。


(続く)

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