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おいらの嫁さん、オークなの?ねぇ?神様?(おっさんの異世界迷走記) 短編集(不定期)  作者: ぷりぷり星人
マリウスさんののんびり馬車の旅(往路編) (本編515話辺り、閑話 ビルック、豚の城で修業)
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エキドレアに寄ってくか。

 「ガルぺン様!失礼します!大変です!ただいま、旅の者が…王弟様を護送していると!」

 扉をぶち破る勢いで部下が入って来たうむ!まさに緊急案件!

 「なに!確かに手配が掛かっていたな。罪人の引き渡しは?」

  「固辞されました。他にも用事があると…」

 「その当人に面会は?」

  「滞在は二日と聞いていますが…」

 「テクス様の耳にも入れておくか…」

 

 「なるほど…王弟が捕らえられたか。」

 「そのようですね。」

 「で、その者、マリウスと言ったか…聞いた記憶がない…な。ディシィ、知ってるか?」

  「さて…聞き覚えは…新手の賞金稼ぎでしょうか?」

 「ふむ。明日にも会えれば会談を申し込もう。斥候を放て。所在確認のみ!」

 「テクス様、王弟への事情を聞くくらいは?」

  「いかんぞ!ガルペン。罪人の処遇、権利は、捕縛せし者にある。許可なく行ってはいかん。」

 「…そうだな。ディシィの言う通りだ。だが、ガルペン、王兄派の連中が余計なことをせぬよう、警備を増やせ。マリウスなる当人が現れたら会談の打診を。」

  「はっ!」

  「テクス様、急の報告があると…」

 「ふむ。通せ!」

 

 「良い!申せ!」

  「はっ!収監された王弟を巡り、貴族共が。しかし、牢に触れたとたん…悶絶、変色し…死亡…騒ぎになっております!”呪い”の類かと…」

 「マリウスなる人物は呪術師か?しかも高位の…」

  「いかがします?術者を集めますか?」

 「いらん。マリウスと言うものと会談すれば判明するだろう。ガルペン、無駄に立ち入らぬように警備を。」

  「はっ!」

  「いかがいたします?テクス様。」

 「どうもこうも、マリウス氏に何も落ち度はない。自ら王のもとに届けるにしても何ら問題はない。今できるのはとにかく情報だ。些細なものでも構わん集めよ!」

  「はい。」…。

 

 「門衛の話ですと、荷車一台、小間使い2名。そのうち一人は、コフィア子爵家のアラフィカと名乗っております。護衛のものはただの一人も無く、ティネルから来たそうです。」

 「コフィア子爵家のアラフィカ…殿か!当主ではないか!たしか、王弟の腰巾着…手配書には?」

 「無いようですな。まだ一応は貴族籍も残っているのでは?」

 「…どうやら、本物のようだな…しかし護衛無し…か。よほどの手練れなのだろうな…」

 

 翌、昼までに7人の者が死亡。前日の者とあわせて36人。いずれも王兄派に連なるものだ。昨日は当主やら子息が多かったが、いまは冒険者や冒険者崩れか多い。高額の報酬依頼でも出ているのだろう。

 併せてマリウスなる人物の捜索もされているそうだが…我が斥候にも引っかからぬ…もしや、すでに…。

 

 「テクス様!教会の司祭が出張ってきておりますが。」

 「面倒な。今行く。ガルペン、ディシィ供を」


 城門わきにある、牢獄棟。詰め所の地上一階から入れる地下一階~二階が牢獄の建物だ。その建物を取り囲むように多くの見物人が集まっている。昨日からの噂が人々を引き寄せる。何せ王の弟だ。それと謎の死を遂げる者達。これ以上興味を掻き立てるものも無いだろう。

 正面入り口には今はバリケードが設置され、兵が常駐、許可なきものは通れない。

 そこで声高々に”王弟”の解放を求めるのはこの町の教会の司祭…

 「司祭殿、それ以上騒ぎ立てると、騒乱罪で捕らえるぞ。」

  「これは領主殿。これはどういう?ただ、面会を求めているだけだが?」

 「先は解放と言っておったであろうが。王命が聞けぬと?」

  「いえ…そのような…」

 「どのような用事があるかは知れぬが、無理を言わないでもらいたいな。理解いただけたのならお引き取りを。」

  「せ、聖王国が黙ってはおりませぬぞ!」

 「どうぞご自由に。私も、もううんざりだ。王に報告させてもらう。ノリナの法を蔑ろにし、司祭風情が恐喝してくるとな。もう、この町では権威も失墜してるのがわからぬのか?」

  「くっ、こ、後悔しますぞ!」

 「後悔なぞするか。この蛆虫め!」

  「テクス様、その辺で。」

 「ぐふふふ。威勢の良い領主であるな。サザック殿の子息であろうが?我らのことは承知しているとおもうが?」

  「す、枢機卿様!お、お下がりください…」

 「だまれ。役立たずが…」

  「ひぃ!」

 「其の方は後で…なぁ。ぐふふふふ。して、領主殿…敬虔たる信者であらせられる王弟様との面会をお許しくださらんか?なぁに10分もあればよい。ぶふふふ…」…くぅ?なんだこの気配…人外?

  「くっ、お下がりください!テクス様!危険です!」ガルベン!

  「こ、こいつは…お下がりください!…神の御加護を…」ホレマニー!

 「くっ」

 「ぶふふふふふふ、ぶはははははぁ!神の御加護で動けぬか?信心が足りないようですなぁ。領主殿ぉ?」

 「なにを!き、貴様!”悪魔”だな!」

 「何を馬鹿なことを。領主様。お気に触れられましたか?我らは聖職者。ゼクス教の信徒。これ以上の侮辱は神罰が落ちましょうぞ。ぐふふふ」

 「くっ。」クソ…動けぬ…あの目!間違いない!

 

 「ほう。それほど敬う対象なのかね?神の加護?ふふふ。笑わせる。」執事服の男…か、彼がマリウスか?

  

 「き、貴様!我らを…我が神を愚弄するか!」

 「下がりなさい。小物は…貴殿の名を聞きましょうか?」

 「貴様のような下級の者に名乗る名なぞない。さぁ、国へ帰るがよい。今なら見逃してやる。」

 「か、下級?我を…我を下級と申すか!」

 「ふっ、我との力の差…未だに分かっておるまい。くふふふ。”皮被り”めが。」

 「き、貴様ぁ!か、皮かぶりだとぉ!わしを…このわしをぉおお!」

  「す、枢機卿様!お、お気を、お静まりください!」

  「枢機卿様!」「ひ、引き揚げるぞ!」

 「違うのか?くふふふ。雑魚が…身の程を知るがいい。」

 「ゆ、許さんぞ、野良の”悪魔”めぇ!我らの力を思い知るがいい!」

 な!枢機卿の身体が一回り大きくなった!

 「とんだ単細胞であるな。ほれ、自慢の”皮”が破れそうだぞ?”皮被り”が。ふくくくく。」

 「み、皆を、皆をひ、避難させよ!危険だ!ガルベン!ディシィ!ホレマニー!」

  {はっ!}

 「ゆ、るさんぞ、貴様!これ以上の愚弄は…」

 「許さんのならなんとする”皮被り”。先ほどから許さん、許さんと…これ以上の進展がなければ国に逃げ帰ればよかろうが?ううん?」

 「ユルサン…ゾ…野良アクマガ…」

  「す、枢機卿…”使徒”様!お静まりください!」「お静まりを!”使徒”様!」し、使徒だと…

  「”皮被り”…こ、これが…」

  「あ、悪魔?」「神官が悪魔?」「教会は悪魔?」

 頭部の皮膚が破れ、角が姿を現す。さらに体が膨れ上がり、体のあちこちの皮膚が裂ける…が血の一滴も出ない。

 「”使徒”様…か。良いのか?枢機卿様の正体が晒されてしまったぞ?どうするのだ?」

  「フン、貴様ヲ喰ッタラ、ココニ居ル者ドモノ魂ヲイタダケバ良カロウが…ワシが神ノモとニ導いてヤロウ。司祭共、ココに居ルモノドモヲ殺セ!皆殺シにセヨ!」

  「え?そ、そんな…」「無、無理です…無茶です!」

 「使エヌナぁ。ナラ、我ノちからトナルト良イ。」

  「し!神官様!”ごきゅびちちびき”…」「”使徒”様ぁ!”びきゅびちびち…”」くっ!

  

  「食った?」「喰ったぁああ!」「ひぃいい!」「逃げろぉ!」

 

 「呆れたモノだ…流石、下級の”皮被り”いや、一皮むけたかな?どうするのだ?今後は?もうこの町にはいられまい?」

 「なぁ二、ソコニ丁度良イ”皮”ガアルダロウ?ぐふふふふ。」

 黄色に濁った瞳に捕らえられる…動けない…

  「テクス様!お下がりを!」

  「盾の中に!」

 「残念だ…本当に馬鹿しかいないとはな…同族は極力狩りたくはなかったが…仕方のない。餞別代りに聞かせよう…我が名は、アンドロマリウス。”正義”を司るものなり…」

 両の手を合わせると、それぞれが一匹の巨大な蛇の上顎と下顎に変化し、元枢機卿、ゼクス教の”使徒”とやらに食らいつく。

 「ゲガァアア!ア、あんどろまりうす公?ナ、ナゼココニィ!クッ!オ、オマエタチ!助ケヨ!ウギョウ!ゲハァア!」

 なんというおぞましい光景か…巨大な蛇が、歪に膨れた神官を呑んでいく…

 「もう助からん…諦めて、我が力になれば良い。くふふふふ」

 ”使徒”の顔もどす黒く変わる。

 「助ケテ…助ケテクダサイ!忠誠ヲ捧ゲマスゥ!オ、オ慈悲ヲ…グギャァア、ギャァ!ギギョアァアアアア!」断末魔…そして、すっかり執事服に収まった両の手…枢機卿は消えた…

 「悪魔に慈悲などあるまい?ん?もう聞こえぬか?下等のくせして良く熟れておるな…ルカの行動も理解できるな…ふむ。さて…そこな、神官共、”悪魔”に全てを捧げておるのであろう?我が聞きとどけてやろう。跪くがいい。」

  「ひぃ!」「たす”かぷ”…」

 ”かぷかぷかぷかぷり”右腕が再び蛇となり、鎌首を上げる。神官共教会関係者が、噛まれ、赤黒く変化する。

 「さて、大ごとになってしまったな…もはや、ここにはいられまい。ポチよ。出立の準備を。そこの神官共も荷車に乗せよ。今宵の食事とする」「…!」「…!」

  「…はい。」

  「お下がりください!」

  「テクス様!危険です!」

 「き、貴殿がま、マリウス殿で相違ないか?会談を申し込みたいのだが?」

 「良かろう。場所は、そこの部屋でよろしいかな?」


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