結局村造り 7
ふぅ~~~。ようやく魔力の充填も、ルーの私物?の一つを残すのみ。頑張ったよね!私。
ルーの言う通り、さらに魔力のキャパが上がった気がする。もうカンストしてると思ったのに。嬉しい誤算だね。
今日もデッキに座布団敷いて、魔力を込めている。道行く人が頭を下げていく、いつもの光景。
本当に人が増えたな…開拓民として入植した人の奥方たちであろう。子供も増えた。
そのおかげで学校も盛況。ほぼ満員とか。シシリーはすっかり先生だったよ。ロン…貴方も天職?あんなに仏頂面だったのに…まぁ、良いわ。良い事でしょう。きっと。そうそう、ロンって治癒師だったわね…聖王国と関わりあるのかしら。
後程聞いた話だと、呪文を用いての治癒師の7割は聖王国の経典を用いてるとのこと。人族の主教だから仕方ないね。ただ、冒険者の治癒師はロンも含めて、そんなに教会とは関係がないとのこと。
金にしたら、教会の施設に居た方が金になる。ロン曰く、『あそこに居たら、人間的に堕落し、腐敗して神の御許に行けないだろう、醜い世界ですよ…』だそうだ。
冒険者に身を窶してる者はたいていそういった経緯だろうとも。
後は多神教(原初の神など)の司祭や呪術師だろうと。主に獣人たちだ。エルフ族は別の系統、精霊術、自然の理に沿ったものらしい。魔族は良く知られていないそうだ。
おっと脱線。学校よねぇ。アツミ君やニコっちも教壇に立ってるようだけど。専属の先生を探さないとダメね。村長さんに言っておこう。
「こんにちはセツナ様。ルー様はお目覚めに…?」
「あら、シュリさん。さっきまで起きてたんだけど…」
傍らの籠の中で腹を天に向け爆睡中のドラゴンを見る。
「最近は起きてる時間も伸びてきたんだけど、伊達に1000年起きてたわけじゃないわね。よく眠るわ…」
「1000年ですか…長い…長いですなぁ…」
「ええ。人族の繁栄に大いに寄与してきたんでしょう。」
「ええ。ええ。私も第二の故郷はゴルディアでしたので。職人への弟子入り。店を構え…」
「!そういや、奥様は?ご家族は!」
何とも言えない表情のシュリさん…終わってなかった!
「…行方知れず…お気にせずに。」
「ちっ!抜けてたわ!ハン!ハン!。ハンを呼んで!」
…数分後。
「はい。セツナ様、お呼びで?」
「ねぇ、ハン。奴隷として捕まっていた職人の…シュリさん筆頭に、家族の捜索を…」
「…へい。解りやした…」
「…ハン?…貴方…」
「ええ。あまり…いい結果にはなりませんが…」
「…ハン。」
「せ、セツナ様、私も覚悟はできています。いえ、他の者も。」
「シュリさん…」
「奴隷にされて2年もたちますし、領主とギルドがグルになっていたのです…」
「…そう。ごめんなさい。でも…ハン。お願い…」
「解りやした…伝手を手繰ってみやしょう…」
「あ、ハン!これ持って行って」
金貨の入った麻袋を渡す。
「お預かりしやす。では。」
「セツナ様…」
「再会がかなっても…良い結果じゃなくとも…つらいわね…ごめんね。私のエゴね…解っているけど…ね。」
「セツナ様…」
「こちらにルー様はいらっしゃる…っと、取込み中だったかの?」
今度はドワーフのおじさまが、ルー用?のベッドを抱えてやってきた。大き目のベビーベッド?
「いえ、大丈夫よ。それがルーの?」
「ええ。ご注文通りに。」
「結構大きいわね…生意気な!このこの!」
必殺の腹つつき!”つんつんつん!”
<ふぉお!おふ!ふほお!>
「…お嬢。」
「セツナ様…」
はっ!思わず…
「こほん…どれどれ…本当に生意気ね!何よこの装飾!王様みたいね。」
あちらこちらに施された彫り物。あら、これ、ルー?彫り物の中によく似たドラゴンを発見!目の部分に宝石すらあしらわれている…それにこの木材…重厚で良い色ね…重い…生意気な!
「誠心誠意。わしの技術の粋をの。大変世話になってるお方ですからの。」
「寝台の下…荷物入れ?」
「さて。ご注文で…この大きさが必要だと言われましてな。」
「ふ~ん…まぁ、謎生物だし…いいか…」
「お嬢…」
<ん…ふはぁあああぁぁ。ん?おお!シュリ、ノーリご苦労。…待たせたか?>
「いえ。」
「お目覚めですかな、ルー様。」
<おお!ベッドが出来たか。どれ。>
…二人?で何やら仕様の確認?寝台の上をゴロゴロと確認するルー。ぷぷ。それにノーリさんって言うんだ。家具職人のドワーフさん。何時の間に…。
<うむ。申し分ないな。注文通りだ。ご苦労であったな!代金は…セツナよ!>
「炉の報酬の一部でしょ?」
<む。そうか。ご苦労だったな!>
「はっ。ありがたき幸せ」
まぁ、あとでお酒でも贈るか。
<次は、シュリだな。ご苦労。>
「ルー。貴方、偉そうよ。」
<我は偉い。問題あるまい?>
「もう…良いわよ…」
まったく
「これでございます。」
<うむ。あ、セツナよ。そのベッドに合った寝具の発注、頼むぞ!>
「はいはい。」
<どれどれ…うむ…>
袈裟懸けに肩掛けして、羽を閉じたり開いたり。尻尾をブンブン振って座りを確認している…可愛いわね。
<うむ。注文通りだ。良くできておる。御苦労であった!…セツナ代金。>
「はいはい。おいくらです?」
「い、いえいえ。新天地に住まわせていただいております。献上させていただきます。」
「それじゃぁ、悪いわよ…」
「革も供出いただきましたし。余った革もあります。ですので。」
「そう。」
<すまぬな!ありがたく使わせてもらおう!>
「はい!」
<どれ…>
おもむろに加工充填済みの魔石の前に行き、何やら呪文を唱えると”するり”と”魔石(加工済み)”が袋の中に…
「「「へ?」」」
袋の倍はある魔石が入ってしまった…しかもぺちゃんこ。…ぅな?…そうだ!”鑑定”…解析不明?なによ!アップグレードしてよ!私の”鑑定”!いい加減!
「る、ルー様?それは?」
<ふむ。お主らの言うところの、マジックバッグというやつだ。>
「な!」
「はぁ!」
「ルー!作れるの!」
<当たり前であろう。結界特化のドラゴンぞ。我は。造作もない。ふむ中々にしっくり来たな。良い出来だ。うむうむ。>
「…ねぇ、その”ルー袋”性能は?」
「お嬢…」
<なんだその妙なねーみんぐは…時間停止と大きな倉庫…そうだな…この家の4軒分くらいか。>
「す、すごいじゃない!ルー」
「国宝級だな…」
<であろう。讃えよ。>
「ちょうだい!」
<やるか!>
「お嬢…さすがにそれは…」
「もう一個作ってよ!…あ、魔石が無いわ…」
<それは残念だな。どれ。>
”ひゅん”ベッドが消える。出す消える…
<うむ。問題もない。造りも良いな。>
一人納得のルー。
「流石ですね…」
「流石ルー様じゃ。このことは…」
「ええ…秘密で…大きな魔石集めたいわね…」
「ですがこのクラスとなると…ドラゴンの姿…ここ100年は見られていません。」
「あの空飛んでるのは?たまに見るわよ?」
「ワイバーンもあるにはありますが…拳大でしょう。」
「そうだな…あるとすれば、王国の宝物庫か、魔法障壁付き城壁の結界用でしょうな。」
「…良し…王都の壁ぶち壊してくるか…」
「お嬢…」
「冗談よ…半分。」
「セツナ様…」
「要らんじゃろ、お嬢は。」
「輸送隊に持たせたいのよ。」
「しかしの…守れる力が必要だぞ?金、力、権力…からの。」
「むぅう…それもそうか…」
それにしても…驚きだわ…あ!居間にでっかいのが二つあったわね…あれで…きっとおじさまも賛成してくれるわ!




