結局村造り 6
ふひぃ~~~~~~。なかなか魔力が溜まらないわ~~~~。これ!…少なくともここにあるのは貯めないと…高温の炉は作れないし、畑の安全性も担保できない…もう…。
ルーの個別の二個…何気に魔力が入るのよね…ドラゴンシェルより入るのじゃない?これ。
「ねぇ。ルーぅ。ドラゴンシェル先じゃだめ?」
<そう変わらんだろう。我がいる間は大丈夫だ。>
「ほら、炉を作ってる間にルーのをって。」
<しかたあるまい。今詰めてる、そう、そいつを。それだけ先であとは自由にしろ。>
「ありがとう、そうさせてもらうわね…はぁ、しんどぉ~」
<魔力量の増加と循環の良い修行になるぞ。>
…。
「なら、アンタもやりなさいよ。」
<我はドラゴンぞ?いくらでも引き出し使うことが出来るわ。”勇者”の魔力というのが重要ぞ?>
「なら、ドラゴンのだって。」
<それは違う、異質の、多次元を…こほん。まぁ、良い。特別なのだ。”勇者”は。ワインくれ。>
…こうなったら教える気は無しね…
「はい。どうぞ。」
<うむ。今日もいい天気だな。ワインが美味い。>
…どこの昼飲みおっさんだよ…
「良かったわねぇ。」
今日もこのまま平和だといいわねぇ。まったりと午後のひと時を過ごす。
「お嬢!いるかの?」
ん?グローヴィンさんか?
「はーい!居るわよー!何?」
「魔石できたかのぉ~」
「まだね。魔力込めるのにあと一週間くらいかかる予定よ。それまで外側でもこさえておいてよ。」
「うむぅ…石を見ないことにはのぉ。どれだけの火力があるかものぉ。」
<お主は我を侮っておるのか?うん?…貴様が思う最高の炉を作るがいいわ!>
ひょっこり首を上げ一言。あらら、不機嫌ねルー。グローヴィンさん、寝てるとでも思ってたのかしら?
「る、ルー様、そんなことはおもっておりませんぞ。し、失礼しました。」
<ふん!>
「ま、そういう事みたいですし。大丈夫じゃない?魔石自体の大きさは…これよ。」
「ふむ…マウント部はこの大きさでこさえておくか…ふむふむ…して、ルー様…性能はどれくらいになるのでしょう?」
<其の方は…我の力を信じておらぬのではないか?>
「そ、そんな恐れ多い…」
「もう…ルー。ザックリで良いから教えてあげてよ。爆発しても困るし。街の中心だし?」
<そうだな…お主らの言う、神金すら加工できるだろう。>
「な!」
<それはそうであろう?其の方らの稚拙な呪を刻んだモノで炉を造っておるのであろう?この炉は我の術式が刻まれる。そして勇者の気を込める。それに合わせて我とセツナの炎も込める予定だ。>
「私も?」
<どちらでもいいぞ?その高温の炎を我の多重積層結界で閉じ込める…そして構造物も別の結界石で強化し遮温、真空で遮断するのだぞ。お主たちの造る炉と比較などなろうはずもあるまい。>
「…そ、それは…」
<精錬、鍛冶両方に使えるだろう。燃料は”魔力”の魔導炉だ。>
「むぅ…ミッツ殿にも注いでもらえば…」
「おじさま?」
「トワの神剣を打つ約束もあるでな。炉の建設…この性能ならば…こうしてはおれん!ルー様失礼しますぞ!早速炉の設計にかかりますぞ」
<うむ。励むが良い。>
”どがどかどかどが…”
「行っちゃった。ルー、散歩でもしようか?」
<うむ。少しは動くか…>
「…動くんじゃなかったの?」
私の頭の上に鎮座するドラゴンに物申す。
<眠気がな…>
本当かよ…まぁ、良いか…村の散策を続けましょうか。
開拓村特有の活気が凄い。あちこちから上がる煙、槌の音。響く怒声…怒声?
「嬢ちゃん!アブねぇからこっちにくるな!」
「私?」
「他に居ねぇだろ!変な帽子かぶって!」
<帽子だと?>
「どうどう。ルー、ステイ。」
「なにでけぇ声出してんだ!」
「親方!小さい子が…」
「げ!セツナ様、ようこそ、こんなむさくるしいところへ。」
「せ、つなさま?」
「この村の主人だ、バカ!」
「へ…すいやせん、勇者さま!」
「良いのよ。安全第一!気配りご苦労様。で、親方、これ、何造ってるの?」樽?
「へぇ、大きな風呂を作るつもりでさぁ。何時までも川べリって訳にもいかないでしょう?スライムの旦那と、相談して作成中でさぁ。」
「スライム風呂?」
ぷにぷに。新手のローション風呂みたいな?
「…違いまっさ。排水の浄化、循環でさぁ。」
だよねぇ~。
「…お湯はどうするの?」
「ロンの旦那が何やら魔道具を仕入れてきたとか?ドワーフの方々と何やらやっておりますよ。」
「…そう。なら放置で良いわね。じゃ女湯と男湯二つ作ってね。」
「は?」
「折角だし。まさか…一緒に入れと?」
「…ですな…設計し直します…」
「頼むわよ!」
「…へぇ。」
今は薪ボイラーだけど…魔力どうするのかしら?
こっちでは武力の鍛錬?あれ?子供が沢山…こんなにいたかしら…獣人族の子、人族の子が混ざって武器を振っている。
殺伐とした風景だけど、身を護るためには必要なのよね。まったく…それにしても多いわね。開拓民の子達かしら?
簡易な店舗が並ぶ一角。屋台街のようになってるのね。ロンが買い出しに行くたびに1~2店付いて来るのよねぇ。それと噂を聞き付けた連中。特にナーナや、ゴルディアで屋台をしていた連中。耳の早い商店なんかも”魔の森”の恵みの仕入れのついでに店を出したりと。そりゃ、空荷じゃ来ないわな。なかなかに活気があるわね。
<ん?相棒!あっちだ!>
ルーに頭をつかまれ”こきぃ”
「痛った!痛いわね!首おかしくなるでしょ!」
ムチ打ちになるわ!
<あっちだ!>
…ったく。屋台…ね。串焼肉?大きくて美味しそうね…
「ルー食べるの?」
<ああ!2~3本買ってくれ!>
確かにいい匂いね…
「10本ください」
「はいよ!」
<よく食うな…相棒…>
「収納に入れとくのよ」
<…主よ。20にしてくれ!>
「!へ…」
目が点…謎生物…帽子がしゃべるんだもの。無理ないわね。
<ぬ?聞こえぬか?>
「ごめんなさいね。20にして。」
「…へぇ。」
「屋台の数…増えたわね…貴方はどうやってきたの?」
「へぇ、ロンさんたちが行商に来た際に引っ付いてきたんでさぁ。誘致のお誘いいただきやして…」
「どう?商売になるの?」
「へい。おかげさまで。魔物肉も安く卸していただけやすし。活気もあって気持ちの良い村ですね。」
「どう?ここで、飲み屋でもやらない?」
「へ?はははは。嬢ちゃん、夢みたいな話だよ。おっと。へい、お待ち。残り十本は今すぐ焼くね。」
「お!美味!うまぁ!」
<…おい、なぜに主が先に食うのだ?相棒よ。>
「降りてよ…頭に肉汁垂らされたらイヤよ。」
<仕方あるまい、敷物と…ビアだな。ビアだせ。>
「ぷはぁ~合うわねぇ~」
<我より先に味わうとは…良い度胸だな!>
「もう…細かいわね。禿げるわよ、お酌しましょうか?」
<うむ!>
「じょ、嬢ちゃん、酒はまだ早いぞ?」
「大丈夫大丈夫これでも30過ぎよ気にしないで」
「へ、ええぇ?」
”んぐんぐ”
<美味い…”冷えよ”>
”んぐんぐ…ぷッはぁ!”
<主よ、中々に美味いぞ!其の方、ここで店を出せ。>
「は、はぁ、ありがとうごぜぇやす。竜様…」
<ん?おい!ザルバック!こっちへ来い!>
「あら、村長」
通りかかりの村長親子。真火も一緒ね。ルーにつかまったわ。
「これは、ルー様、セツナ様。」
「「こんにちは」」
「セツナ姉様、昼間から?」
「うぐぅ!こ、こんにちは。見回り?」
「いえ、狩りの帰りでして。今日も大物が獲れましたぞ。」
「ご苦ろぅ <そんなことより、ここに座れ。一杯どうだ?> …」
「いただきましょう」
<其の方らも座れ。>
「はい」
「はい、ルー様」
<セツナ、ビアだ。>
「はいはい」
<”冷えよ”さぁ、乾杯だ!>
{応!}…。
串焼きツマミに酒宴になった。
その場で出店…ルーからの店舗一軒プレゼント…が決まった。
屋台のオヤジもあんぐり。我に返って泣いて喜んでいたわ。家族も呼ぶそうだ。この村での飲み屋一号店だね。
店名は串焼き処”呑龍”に…(笑)。それ以降、ルーが屋台街に出かけると、屋台の各店舗から、”味見”の献上品の山とか?何とか?




