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召喚組2

 俺たちはその後自分たちが使う部屋へと案内された。全員に個室が与えられ、その部屋はまるでスイートルームみたいだった。


「すごーい!!」


「やばいな、これ」


 ふかふかのベットにでかいクローゼット、机に椅子なんかが用意されていた。


「もう少ししたらお食事の時間になりますので、それまでおくつろぎ下さい」


 ここまで案内してくれたメイドさんがそう言って去っていった。食事か…美味しいのだろうか?


「ねぇねぇ…本当に戦うの?」


 心配そうに聖蘭が聞いてきた。聖蘭にも部屋はあるのだが、今は俺の部屋にいる。


「ああ。聞いた限り、倒さないと帰れないっぽいしな」


「そっか…私は怖いけど、勇希がやるならわたしもやるよ」


「無理しなくてもいいんだぞ?」


 女子だし、俺の大切な彼女でもあるんだから。


「大丈夫!むしろ待ってる方が心が壊れそうだもん」


 それはそうなんだが…


 コンコン


「ユウキ様、お食事の用意ができました」


 さっきのメイドさんの声だ。


「はい、分かりました。よし、いくか」


「うん」


 俺たちは部屋を出て、メイドさんについて行った。案内されたのは細長いテーブルがあるでかい部屋。まるでハ○ー○ッターの食堂みたいだ。


「よう、きたか」


 声をかけてきたのは剛だ。俺は剛の隣に座った。ふと周りを見てみると、先生がなにやらキョロキョロしていた。


「どうしたんですか?」


「あ、深谷君!実は1人足りないんです!」


 うん?まだ来ていないのかな?


「誰が居ないんですか?」


「松本さんが居ないんです!」


 松本さん…今日転校してきた人か。確かに目立つ容姿なのに何故か見てないな。


「聞いてみたんですか?」


「聞いたんですけど、そんな人は聞いてないって…」


 聞いてない?!何故だ?俺たちは1人ずつ名前を確認されたはずなのに…


「…まさか、取り残されたとか?」


「え?!そんなことがあるんですか?!」


「俺にも分かりません。後で聞いてみましょう」


「そう、ですね…」


 だいぶ心配なんだな。顔色が悪い。もしこの世界に来ていないのだとしても、一体何処に…


「おーい、勇希、食べないのか?」


「あ、ああ。悪い」


 ひとまずは食事だな。考えるのは後だ。


 食事はスープにステーキだったが…正直いってただの塩味で、不味い訳じゃないが、美味しいとも言えなかった。


 そして今後の予定についての話を受けた。明日からこの世界についての知識などを学びつつ、数日後に実技訓練を始めるらしい。



 俺は食事を食べ終わると、先生と一緒に王様に会いに行った。


「おお、どうしたのじゃ?」


 執務室に入ると、王様は椅子に座って、書類のようなものを片付けていた。


「実は、生徒が1人足りないんです」


「なに?!それはどういうことじゃ?」


「さっき食事をした時にも見かけなくて、城の人に聞いても知らないと…」


「そうか…よし、それはこちらで調べておくとしよう。名前を教えてくれるか?」


「はい、彼女の名前は松本 真衣といいます」


「マツモトマイ…よし、分かった。任せておけ、絶対見つけてみせるからの」


「はい、よろしくお願いします」


 俺たちは執務室を後にした。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 次の日、俺たちは大学の大講義棟のようなところで講義を受けた。


 まず、この世界、というか惑星の名前はティリシア。様々な国、大陸が存在し、今俺たちがいるのはバルト大陸にある、リリシア王国という所。魔王がいるのは魔大陸と言われる大陸で、未だかつてひとが到達したことがない大陸なんだとか。じゃあどうやって倒すのかというと、引きずり出すしかないそうだ。だから大陸にいる魔王の手下、魔族を倒していかないといけないらしい。中々大変そうだ。


 そしてこの世界には魔法が存在し、種類としては、火、水、氷、雷、風、土、草、光、闇、無と10の属性があり、その他に治癒、結界、時、収納、転移などといった何処にも属さない魔法もある。特に時と転移は使える人は皆無に等しく、謎が多いらしい。各国間には転移門と呼ばれる古代の遺産があり、原理は分かっていないが、魔力を注ぐことにより起動し、予め登録されている別の転移門に繋がるそうだ。


 で、なぜ何処にも属さない魔法が()()なのかは、俺たちに関係している。というのも


「あなた方は異世界からきたので、この世界にない能力をもっていることがあるのです」


 らしい。


「どうやって確認するのですか?」


「『ステータスオープン』と心の中か口で唱えると、ステータスプレートと呼ばれるプレートが現れます。このプレートは本人しか見えず、その人の使える魔法やステータス、スキル、称号などが見れます」


「スキルとはなんですか?」


「スキルとはいわば能力を可視化したものです」


 なんかよくわからんが鑑定とかそういうやつかな?


「ひとまず皆さんにはステータスを確認していただきます」


 そう言われたので、俺は心の中で『ステータスオープン』と唱えた。すると目の前に半透明なプレートが現れた。


 ┠ステータス┨────────────────


 名前:深谷 勇希

 種族:人間

 年齢:17

 レベル:1

 職業:勇者

 ステータス:魔力 1000 HP 800

 魔法:聖属性 Ⅰ 雷属性 Ⅲ 火属性 Ⅲ

 ユニークスキル:全言語理解EX

 スキル:アイテムボックス Ⅹ

  マッピング Ⅷ

  状態異常耐性 Ⅵ

  統率 Ⅴ

  鑑定 Ⅴ

  縮地 Ⅲ

  剣術 Ⅲ

 称号:異世界からの転移者

  勇者


 ────────────────────────────


 どうやらこれが俺のステータスらしい。称号には『勇者』とある。それに魔法には説明されてない属性がある。


「どうでしたか?」


 講義をしてくれていた人が話しかけてきた。1番最初に話しかけられたローブの人だ。


「なんかよく分からなかったです。ただ、魔法に聖属性っていうのがあったのと、称号と職業に勇者がありました」


「勇者ですか!?」


「は、はい」


 なんか興奮しているけどどうしたんだろう?


「あ、すいません…勇者は魔王を倒すことのできる唯一の存在なのです」


 あ、まじ?じゃあ俺がリーダー的なやつ?


「ほーん、まぁ勇希が勇者ならいいんじゃね?」


 そういってきたのは剛だ。


「そういう剛はどうなんだよ?」


「俺か?どうやって見せんだ?」


「ステータスを見せるには『ステータス他者開示』と唱えて下さい」


 なんかそこだけ日本っぽい。


「『ステータス他者開示』」


 剛がそう言うと俺にもプレートが見えるようになった。


 ┠ステータス┨────────────────


 名前:秋野 剛

 種族:人間

 年齢:17

 レベル:1

 職業:拳闘士

 ステータス:魔力 800 HP 1400

 魔法:水属性Ⅲ

 ユニークスキル:全言語理解EX

 スキル:身体強化 Ⅹ

  不屈 Ⅷ

 称号:異世界からの転移者


 ────────────────────────────


「おお、なんかスゲー納得」


「なんかってなんだよ」


「私のも見てー」


 そう言って見せてきたのは聖蘭だ。


 ┠ステータス┨─────────────────


 名前:林 聖蘭

 種族:人間

 年齢:17

 レベル:1

 職業:聖女

 ステータス:魔力 2400 HP 700

 魔法:治癒 Ⅴ 聖属性 Ⅲ 光属性 Ⅲ 水属性 Ⅲ 雷属性 Ⅲ 結界 Ⅰ

 ユニークスキル:全言語理解EX

 スキル:魔力急速回復 Ⅹ

  魔法行使魔力量節約 Ⅴ

  魔力制御 Ⅴ

 称号:異世界からの転移者

  聖女


 ────────────────────────────


「お、聖蘭は聖女なのか」


「うん、そうみたい」


 ステータス的には魔法特化だな。


「聖女ですと?!」


 もう反応しないでおこう。


 その後今後興奮した様子のローブの人から質問攻めにされ、俺たちはクタクタになり、ベットに倒れ込むと、そのまま眠ってしまった。




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