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街に到着……そして衝撃の事実を知る。

 一応環境に配慮したスピードで進み続けた結果。日が落ちる頃にはそこそこの大きさの街が見えてきた。


「はぁはぁ……こ、ここはですね、フォルタスという街です」


 息も絶え絶えなサーニャさんが、それでも目の前の街の紹介をしてくれた。


「大丈夫ですか?」


「大、丈夫、です……それにしても、さすがマリーナ様と言うべきでしょうか…全然疲れてないですね」


 まぁそうかもね。サーニャさんは身体強化による魔力消費と走ることによる体力消費があるけれど、私は身体強化してないから、体力消費だけで済む。そもそも息切れしたことない。どんだけ私体力あるんだろ……。ま、それは置いておこう。


「今日はあの…フォルタス?で休みましょう」


「はい……(私この街からガドールまで3日かかったはずなんだけど…)」


「あぁ。それは私がサーニャさんを強化していたからですよ」


 小声で疑問を口にしたので、答えておく。


「聞こえてたんですか!?」


「そうですよ?私、耳いいので」


「そ、そうですか……というか、強化してくれてたんですか?」


「はい。といっても無理やりの強化じゃないですよ?それしたらサーニャさん壊れちゃうので」


 比喩ではない。物理的に壊れる。体のリミッターを強制的に解除するようなものだからね。当然その反動がきてしまう。だから、その限界ギリギリまで強化していた。


「そう、だったんだ…全然気が付かなかった」


「だって気付いたら、サーニャさん遠慮するでしょう?」


 だからバレないように強化していた。


「うっ!それは……」


「まぁ今回は私が早く行きたかっただけなので、勝手にやっちゃいました。ごめんなさい」


「だ、大丈夫ですよ!?私も早く行きたいですし…」


 ふふふ……。言質はとったよ。まぁそんなに頻繁にしたらさすがにヤバいから、休み休みだけどね。


 とりあえず街…フォルタスへと入る。見た感じ、基本ガドールとそこまで変わらないみたい。とりあえず宿、宿…。


「ここにしましょうか」


「そうですね。みなさんオススメしてましたし」


 色々と街の人に聞いた感じ、1番おすすめしてくれる人が多かった宿へと泊まることにした。


「すいません。空いてますか?」


 入ってみると、中はずっと泊まっていた[宿り木亭]と同じかんじ。とりあえずカウンターにいるお姉さんに話しかける。


「はい。空いてます……あなた一人?」


「いえ。2人です」


 私とサーニャさんを交互に見る。


「……家出?」


「「違います!」」


 2人揃って否定する。まぁ分からないでもないけどさ……子供2人だけだものね。サーニャさんは私より身長あるけど、それでも子供に見えるし。


「そ、そうなの?」


「ちゃんとした冒険者ですよ」


「…あ、え、えぇ!?」


 またしても私とサーニャさんを交互に見る。


「……えっと。そっちの子はエルフだし、分からなくもないんだけど……」


 あぁもう。めんどくさいな。


「とりあえず泊まらせてください。お金はありますから」


「あ、うん。……えっと、朝夕食事付きで1泊銀貨5枚。2人だから銀貨10枚ね」


「はいどうぞ」


 私はポケットに手を突っ込んで、無限収納庫(インベントリ)から金貨を1枚取り出してカウンターに乗せた。

 ……私じゃなくて、サーニャさんが乗せた。いやちょーっと、私には高いのよね、このカウンター。はぁ……。


「え、あうん。金貨1枚…じゃあこれ鍵ね。食事はどうする?」


「部屋で食べられますか?」


「大丈夫よ。すぐ?」


「はい。お願いします」


 お姉さんから鍵を受け取り、部屋へと向かう。

 なんで部屋で食べることにしたかというと……カウンターで叫んでたせいで、注目されてたのよね。だから下で食べるのは危険だと思ったのよ。


「はぁ……疲れましたぁー…」


 バタンっとサーニャさんがベットへと倒れ込む。


「ふふ。強行軍でしたからね」


 私も同じくベットへと倒れ込む。体はクリーンで綺麗にしてからね。


「サーニャさんは1人で旅してた時、いつもあんな感じでしたか?」


「あー。どうでしょうか。私は見かけエルフなので、それで判断して、何も言われない時もありましたけど、今回みたいに疑われることもありましたね」


 なるほど。エルフは外見と年齢が一致しないことで有名だからね。こんな見た目のサーニャさんだって100歳越してるからね……。


「それより、マリーナ様はどうだったんです?」


「私は……そもそもガドールから出てないから、宿に泊まったのは今回が2回目で、ガドールの場合はギルさんが取ってくれましたからね…」


 思えば宿を自分で取ったのは初めてだな。今後もあんな反応されるのはめんどくさいなぁ……。


「……マリーナ様は姿変えられないんですか?」


「姿?変える?」


「はい。マリーナ様の本体は龍なので、今の姿は仮ですよね?なら、自由に変えれるのでは……」


 ……ハク、どうなの?


『理論上、可能です。身長を変えることも、性別を変えることも』


「ま、まじかぁ……」


 今まで苦労は一体……いやでも、いきなり大人の姿になっても驚かれるだけか。特にさっき目立ってしまったし。姿を変えるのはこの街をでてからかな。

 ……それにしても、今更そんなことに気付くとはねぇ。はぁ……もうさっさと食事食べて寝ちゃおーっと。








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