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ストック作り

 とりあえず時間も惜しかったから、初めて聖域に直接転移したんだけど……


「……なんか、ごめん?」


 〈これくらい大したことありませぬよ。……はぁ〉


 いや明らかため息ついてるじゃない……。なんで私が謝って、瑠璃がため息をついているのかっていうと……


「聖域に結界張ってるとは思わなかったんだもん…」


 そう、この聖域には部外者が入れないように結界が張ってあったのだ。もちろん私は普通に入れるんだけど……それは歩いて外から入る場合なんだよね。だから転移みたいに空間を捻じ曲げて侵入した場合、結界に負荷がかかってしまう。そして今回はその結界に亀裂が生じてしまったのだ。


「ほんとにごめんなさい……直すね」


 〈あ、いえ。それくらい…〉


「終わったよ」


 〈早っ!?〉


 ふふふっ。瑠璃が驚くなんて珍しいね。

 伊達に神龍やってないよ。修復するくらい朝飯前だ。……結界の構造はハクから教えてもらったけどね。


『それが私の役目ですからね』


 うん。ありがとうね。


「さて。プレナは……」


 《主様!!》


「へぶっ?!」


 いきなりプレナが顔面に飛びついてきた。変な声でちゃったじゃん…。

 とりあえず顔面からプレナを引き剥がす。


「もう、いきなり来たら危ないじゃない」


 《ごめんなさい…でもでも、寂しくて…つい》


 プレナがしゅんとしてしまった。

 ……そんな態度されたら怒るに怒れないじゃない。


『マリーナ様が本来怒られるべきだと思いますけどね』


 う、うるさいやい!ちょっと、ほんのちょっと忘れてただけでしょ!?


 《?どうしたの?》


「なんでもないよ」


 もしそんなこと言ったら、怒るか拗ねるのは分かりきっている。絶対言えない……。


「プレナ、どうだった?」


 《あ、うん!だいぶ出来るようになったよ!》


 プレナは元々魔法を使えない種族だったので、魔法に慣れていなかった。主に、魔力操作、制御面でね。

 魔法に込める魔力は変えられる。しかし、プレナは魔力操作、制御が甘く、そのせいでいつも全開の魔法を使っていたのだ。そらすぐ魔力切れになるよね……。


 《レーザー以外にも使えるようになったよ!》


「そう。また今度見せてね」


 どうやらプレナは私が来るまで魔法を使っていたようで、残っている魔力が少なかった。だから今度見せてねって言った。


「じゃあちょっと小屋に…いやもう屋敷でいっか。行っていい?」


 《なにするの?》


「料理のストックを作っとかないと。もう無くなりそうだから」


 私1人で食べるならかなりの量があったんだけどね。ギルさん達がいたからすぐに無くなっちゃったんだよね。

 私はプレナを肩に乗せて、屋敷へと向かった。





「さてと。作りますか」


 まずは仕込んでおいたパン生地を型に入れ、オーブンへ。食パンの型はあれから改良して、かなり近づいた……と思う。


「スープとサンドイッチ。あとは、おにぎりかな?」


 とりあえずサーニャさんにも好評だったポトフを作る。

 まずじゃがいもと玉ねぎ。白菜に人参などを刻む。そして寸胴鍋に水とコンソメを入れて火をかける。そこに刻んだ野菜を投入。本来硬い野菜からだと思うんだけど、このシステムキッチンのコンロって、何故かそれ考慮しなくていいんだよね。さすが神様が作ったものだ……。


 サンドイッチは食パンの耳を切って、なんちゃって照り焼きチキンを挟む。なんでなんちゃってなのかっていうと……みりんとか、片栗粉とかがないんだよ。酒は…まぁあったけど。ていうか未成年でも買えたよ。こっちには年齢制限がないらしい。飲みたいとは思わないけど。


「…あー。片栗粉じゃがいもから作れたな……でも在庫がないや」


 じゃがいもはあまり流通してないからねぇ……芽を取るとかの知識がない影響だね。食中毒起こしちゃうから。


「まぁそれはまた今度」


 土鍋にお米を入れて炊く。水吸うのを待つの暇だなぁーって思って、思いつきで魔法で圧力をかけたら水を吸わせる時間を短縮できた。


『普通そこまでピンポイントで圧力かけれないんですけどね……』


 なんかハクが呆れてるみたいだけど無視!


 土鍋も火にかけて……ポトフはソーセージがないから、ぶつ切りにしたビックボアの肉を入れる。ひと煮立ちしたら完成。すぐさま無限収納庫(インベントリ)へ。


 前に炊いていたご飯でおにぎりを握って、味噌バージョンと醤油バージョンの焼きおにぎりを作る。


 《主様、そろそろお昼だよ?》


「あ、本当?じゃあお昼にしましょうか」


 作りたての焼きおにぎりと、パン。

 ……見事に炭水化物だな。まぁいいけど。


 《私はこれがいい!》


 プレナのお気に入りは焼きおにぎりの醤油で、瑠璃は味噌らしい。

 私?私は……パンかな。


 軽く昼食を終え、調理を再開。



「……唐揚げつくれる、か?」


 一応片栗粉なくてもつくれる…し、ニンニクはある。生姜はないけど、臭みはほぼないからなくても問題ないかな?


「作ってみるか」


 まずボウルに醤油とニンニクをすりおろして入れる。鶏肉は魔物の肉だけど……まぁ問題ない。はず。なんの魔物だったかな?


『……コカトリスです』


 あぁ…そうだった。そろそろ無くなってきたから、狩りたいけど……


『そうそういる魔物ではないですね』


 そうなんだよね……まぁいいや。

 ボウルに入れて味を馴染ませつつ、揚げる準備をする。


「油はこのくらいかな……」


 あまり無駄にしたくはないので、最低限の油だけフライパンに入れる。


 バットに卵を割ってとく。卵はもちろんコカトリスのやつ。ダチョウの卵くらいある。それと小麦粉を用意して……馴染ませ終わった肉を揚げる。


「熱っ!……ってなるのがお決まりだと思うんだけどね」


『まず有り得ませんね。マリーナ様が熱さを感じるなど』


 気温は分かるんだけど、炎の熱とかは感じないのよねぇ…さすが神龍。私の事だけど。


「……できた!」


 さてさて早速味見……うん。現時点では上出来なんじゃないかな。片栗粉と生姜があればもっと良くなるはず。やっぱり必要だね……。

 とりあえず冷める前に無限収納庫(インベントリ)に収納する。

 その後日が暮れるまで、料理のストックを作り続けた。






読み直したら冒険者ギルドにギルマスが二人いたので訂正……。

カリナをギルマスではなく、サブギルドマスターに変更。

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