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護衛依頼【完】

 歩きで帰ることになったので、かなり時間がかかってしまったけど、お昼前にはガドールに到着することができた。


「ギルドカードを見せてくれ」


「おう。これだ」


 門番の人にギルドカードを見せる。


「それと、盗賊を引き取って欲しいんだが」


「その馬車の中か?確認する」


 門番の人が馬車の中を覗き込む。

 ちなみに盗賊達は帰っている途中に意識が戻ったんだけど、ぎゃいのぎゃいのうるさかったので魔法で眠らせておいた。


「これは……ちょっと待っといてくれ。人を呼ぶ」


 多いものね。


「分かった。じゃあマリーナは先に冒険者ギルドで達成報告してきてくれるか?」


 私がいてもやることないしね。


「分かりました。じゃあサーニャさんも一緒に行きましょう」


「は、はい!」


 私と同じくやることが無いサーニャさんと一緒に行くことにした。


 入る前に水晶に触れて、青く光るのを確認してから、ガドールへと入る。


「このまま冒険者ギルドに行きますけど、大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫です」


 大丈夫そうなのでそのまま向かう。


 冒険者ギルドに着くと、人はかなり少なかった。まぁこの時間帯なら大体の人が依頼に行ってるからね。


 カウンターに座っている人をみる。

 うーん……カリナさんがいない。まぁいっか。とりあえず真ん中のカウンターへと向かう。


「すいません」


「はい?あら、こんなところにどうしたの?」


 この反応。絶対私のこと冒険者だと思ってないよね…


「依頼達成報告にきました」


「……え?依頼達成報告…?」


「はい。これ、ギルドカードです」


 説明するのがめんどくさいので、さっさとギルドカードを渡す。

 ……届かなかったから、魔法で体を浮かしてね。


「え、はい……ってC!?」


 あ、その反応されたの初めてかも。だって今までカリナさんが担当してくれてたからね。


「そうですよ。これが証明書です」


 護衛依頼は討伐依頼とは違って納品するものがないので、護衛対象からサインを貰う。それが証明書だ。


「えっと……ほんとに?」


「何がです?」


「その…このギルドカード、ほんとにあなたの?」


「そうですよ。魔力流します?」


 本人確認にはそれが手っ取り早い。


「……やってもらっても?」


 ギルドカードを受け取り、魔力を流す。すると確かにマリーナという名前と魔法適性。クラスが表れる。


「ほんとに……ごめんなさい」


「いいですよ。それよりこれお願いします」


 再度ギルドカードと証明書を渡す。


「は、はい…」


 私からそれらを受け取り、まずはギルドカードを機械へとセットする。依頼内容の確認の為だね。


「護衛依頼……魔の森…」


 受付の人が内容を確認するかのように、口に出していく。


「証明書は……はい。本物です」


 依頼達成報告を誤魔化すことが出来ないよう、護衛依頼の場合は護衛対象のサインを予めギルドが保管している。それと照らし合わせ、本物かどうかを判断するのだ。


「確認できました。これが報酬になります」


 ドサッと重そうな袋をカウンターへ置く。私はそれを無限収納庫(インベントリ)へと収納して、正しい金額かを確かめた。

 無限収納庫(インベントリ)には金額を数えてくれる機能までついてるから楽だ。


「疑ったりしてすいませんでした……」


「大丈夫ですよ。気にしてません」


 よし。金額は合ってるね。


「これがギルドカードです。それと、おめでとうございます。Bランクになりました」


 あぁ。すっかり忘れてたよ…


「ありがとう、ございます」


 ギルドカードを受け取り魔力を流す。確かにランクがBになっていた。


「これで報告完了です」


「ありがとうございました。じゃあ」


 サーニャさんと共にギルドを後にする。しかしこれからどうしようか。

 ギルさん達はまだ来そうにない。待ち合わせなんかもしてないので、待つにしてもどこにいればいいのか分からない。


「どうしようか……」


「あの……」


 サーニャさんが後ろから声をかけてきたので、振り返る。


「どうしました?」


「……お腹が空きまして…」


 その言葉を裏付けるように、ぐぅーっと腹の虫が鳴いた。もちろんサーニャさんからだ。

 聞かれて恥ずかしかったのか、サーニャさんの顔が赤くなる。


「す、すいません…」


「ふふっ。大丈夫ですよ。じゃあご飯食べに行きましょうか」


 向かうのはいつもの場所。[宿り木亭]だ。あそこが1番美味しいからね。

 一応レシピが販売された影響なのか、かなり露店などもでてきている。けれど、やっぱりダリオさんの食事が1番美味しい。1番最初に教えたのもあるだろうけどね。


「ここです」


「ここは…宿ですか?」


「そうですよ。ここの料理は美味しいですよ」


 サーニャさんと共に宿へと入る。ちょうどお昼時で混み始めていたが、席は空いていたので座ることができた。


「これがメニューですよ。何がいいですか?」


 サーニャさんにメニューを見せる。私が来た時とは比べ物にならないほど、今はメニューが充実している。


「えっと……なんだか、よく分からないですね…」


 まぁそれはそうかもね。ロールハーキュとか、餃子とか。見たことないものはイメージできないから。となると、メニューに絵とかを付けた方がいいのかな?


「あの…?」


「あぁ、すいません。じゃあこれとかどうです?」


 私はメニューのひとつを指さす。


「すいません、分からないです…でも、マリーナさんが言うなら…」


「じゃあこれ頼みますね。すいませーん」


「はーい!」


 私はメニューを指さし、"それ"を2つ、頼んだ。






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