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またまた教会へ

 ギルドでレシピ登録を行った翌日。リナさんたちは依頼を受けに行った。どうやら体が鈍らないようにするためらしい。

 そして、私はというと…


「いらっしゃいませー」


「どうも。服を受け取りに来ました」


 そう。昨日の服を受け取りに来た。昨日リナさんから宿で言われなかったら、すっかり忘れてるとこだったよ…


「あーどうも。じゃあこっちですー」


 昨日体を測った部屋へと案内される。


「これですー」


 店員さんが出てきたのは、白いワンピースとジーンズ。え、ジーンズあったの!?


『この世界は食文化が発展していない代わりに、裁縫技術などは同水準まで発展しています』


 ……それが食文化に向けば良かったのにね。


「早速試着してみてくださいー」


「分かりました」


 まずジーンズをはき、ワンピースは腰をベルトで巻く。なるほど。ジーンズは伸縮性が高くて、動きやすい。


「大丈夫ですかー?」


「はい!ピッタリです!」


「良かったですー」


「お代はいくらですか?」


 結構高そう。


「全部で2000リシアになりますー」


 安くない!?こんなにいい仕事してるのに?


「いいんですか?」


「いいんですー。これは女性の冒険者がよくする格好なので、作るのが楽なんですー」


 へー。そうなんだ。


「はい。金貨2枚です。このまま着ていってもいいですか?」


 カードではなく硬貨で払う。せっかく持ってるんだから使わないとね。


「大丈夫ですよー。はい、確かに。またのご来店お待ちしておりますー」


 そう言ってお辞儀をして私を送り出してくれた。


「次はー…」


 何しようって思ってたら、リリーンって音が頭に響いた。


「うん?」


 その音が聞こえて直ぐに、目の前に無限収納庫(インベントリ)の項目が表示された。そしてその中に光っているものがあった。


 その光っていた物は……【グランドリアからの手紙】と表示されていた。


「これって…」


 読んでってことなのかな?


 そう思って無限収納庫(インベントリ)から手紙を取り出す。そして人通りが少ない場所に移動し、手紙を読む。


 ────────────────

 マリーナさんへ。


 突然の手紙すいません。実は他神がマリーナさんに会わせろとうるさく…


 なので一度教会に来ていただけませんか?


 マリーナさんの種族についても考えたいので。


 それでは。


 グランドリアより。


 ─────────────────


 そんなことが書かれていた。


「うーん…まぁ予定はないし、別にいいかな?」


 それに他の神様にも会ってみたいしね!とりあえず手紙を無限収納庫(インベントリ)に仕舞い、教会へと向かった。


 昨日来たばかりの教会へとたどり着く。そして中へと入り、この前と同じように祈る。すると前と同じく、意識が一瞬遠のいた。そして目を開ける。そこは前グランパパとお話をした草原だった。




 ……………そして、またしても土下座しているグランパパがいた。


「はぁー…今回はなんでですか?」


「他神にバレてしまったことです…」


 そんなことか。


「別に気にしてませんよ。それに私も他の神様と会いたかったですし」


 すると、後ろから誰かにいきなり抱きしめられた。


「ゔっ!」


 思わず変な声がでる。


「ほら!やっぱりグランの思い過ごしだったじゃない!」


 私に抱きついた人?が、グランパパにそう言い放つ。思い過ごしって?


「と、とりあえず離して下さい…苦しいです」


「あ!ごめんね!」


 慌てて離れてくれた。ふぅー…


「で、あなたは?」


 私に抱きついてきた…多分神様は、青い髪に青い瞳という容姿をしていた。私でも思わず見惚れるくらい。


「私はオケアニスよ!マリーナちゃんと話すのは2度目ね!」


 2度目?いつだろう?


「私がマリーナちゃんのレシピ登録をしたのよ!」


 あ!あの時の声!


「そうだったんですね。ありがとうございました」


 私はオケアニス様に頭を下げる。


「いいのよ!それに私も気になるし!」


 気になるというのは、料理のことだろうか?


「ねぇねぇ。今ある?」


「今はないです。ていうか、ここにどうやって持ってくるんです?」


「それは無限収納庫(インベントリ)に入れてくればいいわ」


「でも、こっちでは確認できないんじゃ?」


「それはステータスだけよ」


 そうだったんだ。


「じゃあ今度厨房を使えたら、作ってきますね」


「厨房が使えないと作れないの?」


「まぁ道具があればいい「あればいいのね!」…はい」


 そう答えると、フッとどこかへ消えてしまった。残ったのは未だに土下座したままのグランパパだけ。てか何時までしてるのよ!


「えっと、とりあえず止めてくれません?」


 話が進まないし。


「…そうですね。すいません」


 そう言ってグランパパは土下座を止めると、以前と同じようにゴザを敷いて、私を座るように促した。私はストンとゴザに座る。


「それで、オケアニス様が言っていた思い過ごしってどういうことです?」


「うっ!それは…」


 私から目をそらす。なんで?


「答えられないんですか?」


「そうじゃないんですが…怒らないでくださいね?」


 それは…場合による。


「まぁ、とりあえずは」


「…マリーナさんは私としか話したくないと…そう他神に説明したのです」


 ………うん?


「私、いつそんなこと言いましたっけ?」


 そう尋ねると、またしても土下座してしまった。


「私は!マリーナさんを独り占めしたかったんです!だから…そんな嘘を…」


 ……うん。なんだろ。物凄い怒りというか……呆れ。


「はぁー…そんなことですか」


 私としてはそれだけの認識だ。


「私は他の神様とも話してみたいし、独り占め…拘束はされたくない」


「…すいません」


「いいですよ、もう。でも、他の神様にはちゃんと説明してくださいね?」


 誤解を解いて貰わないとね。


「…そうですね。後で謝っておきます」


「それがいいです。あと、手紙にあった私の種族についてというのは?」


「ああ、それですね」


 土下座を止めて私の隣に座る。


「マリーナさんの種族は、やはり【神龍】とは違う存在になってしまったようです」


 やっぱりそうか。というか自分のステータス確認してないや。後で確認しとこ。


「それは前にも聞きましたよ?」


「はい。それで、龍になれるか分からないと言いました。しかし、調べた結果、【龍化】は可能でした」


「龍化…」


 まぁなることはないと思うけどね。


「はい。一部龍化することもできますよ」


「一部ですか?」


「例えば…羽だけ出すとかですね」


 おぉ。それは使うかも。空は飛んでみたい。


「あ、その時服はどうなるんです?」


 背中から羽が生えることになるだろうし、服を突き破っちゃうんじゃないかな?


「羽は魔力によって構築されるため、服はそのままで大丈夫ですよ」


 なるほど。じゃあ後で試してみようかな?


「できたわよー!」


 そんなことを考えていると、いきなりオケアニス様の声が聞こえた。そして、またしても後ろから抱きつかれる。


「ゔっ!」


 …また変な声が出た。力強すぎ!


「オケアニス…マリーナさんが苦しんでる」


「あ!ごめんね!」


「だ、大丈夫です…」


 いや大丈夫ではないけどね!?普通の人だったら死んでそう。まぁ怪我はしてないし…


「それでどうしたんです?」


「これよ!」


 そう言って何も無い空間から()()()を取り出した。










 ……それは、私が地球でよく見たことがあるものだった。








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