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いざ、市場へ!【4】

「何か食べたいものある?」


 リナさんにそう聞かれた。正直に言うと…自分で作りたい。それならリナさんたちに奢った形にもなるしね。ギルさん達には後で食べてもらうつもり。無限収納庫(インベントリ)に入れれば冷めないしね。


「あの…」


「うん?どうしたの?」


「料理…自分で作ってもいいですか?」


「マリーナちゃんが作るの?」


「はい。だめですか?」


 するとリナさんは少し考え込んでしまった。やっぱりだめかな?


「だめでは無いけど…作るとこないわよ?」


「あ…」


 そうだよ!むっちゃ大事なこと忘れてたじゃん!


「うーん…とりあえず宿に行って、厨房を貸してもらえるか頼んでみる?」


「でも…今は混んでるんじゃないんですか?」


 今はちょうどお昼時。あの宿は食堂もしているみたいだから、多分混んでると思う。


「確かにそうね…」


「…それなら…先にグリアーノを買えばいいと思う」


 そう言えば後で買う予定だったね。行って買って帰ってきたら、ちょうどいい時間帯になるかな?


「それがいいわね。マリーナちゃんもそれでいい?」


「はい」


 寧ろ願ったり叶ったりだよ!あ、でもまだ土鍋創ってないや。後でこっそり創っとこう。


「じゃあ…こっちね」


 大通りの脇道へと入る。かなり狭い。


「この町はこういう道もあって、まるで迷路みたいになってるのよ」


「そうなんですか」


 これは迷いそう…


『その時は私がサポートします』


 あ、そうだね。その時はよろしく。


『はい』


「マリーナ…手を繋ごう」


「?はい」


 フィーナさんと手を繋ぐ。多分はぐれないためかな?なんかフィーナさん嬉しそうだけど。


「ここだけど…あ、フィーナずるい!」


「早い者勝ち」


 悔しがるリナさんにドヤ顔をするフィーナさん…何故に?


「と、そんなことは置いといて」


 あ、いいのね。


「ここで買えるわよ」


 着いたのはこじんまりとした建物。近くには広いスペースがあって、そこに数台の馬車が止まっていた。


「馬車をみるのは初めて?」


 見入ってたからなのか、リナさんからそんなことを聞かれた。


「うーん…まぁ初めてと言えば、初めてです」


 地球で2頭引きの馬車を見た事あるからね。目の前にいるのは3頭引きの馬車だけど。どちらにしろ、こっちの世界では初めてだね。


「そうなの。じゃあ入りましょうか」


「はーい」


 ドアを開けて中に入る。そこには一つのカウンターと、いくつかの椅子とテーブルしかなかった。なんか寂しい感じ。


「…らっしゃい」


 いつの間にかカウンターには、一人のおじさんがいた。とりあえずトテトテとカウンターまで向かう。そしておじさんに話しかけた。


「あの、グリアーノってありますか?」


「…あるよ」


 ……なんか聞いた事あるセリフだ。


「…どれくらい欲しいんだ?」


 うーん…こっちの単位は?


『長さの単位、重さの単位は変わりません』


 あら、そうなの?


『はい。全ての世界で共通です』


 お、おう…なんか衝撃的な事実だわ…


「…なんだ、冷やかしか?」


 おっと。いけないいけない。えっと、重さが同じなら…


「うーん、じゃあ30キロあります?」


「…あるよ。待ってな」


 そう言って店の奥に消えていった。


「ちょっと、マリーナちゃん?そんなに買うの?」


「はい。まぁ念の為です」


「そ、そう(念の為って?)」


 あ、まだ話してなかったや。まぁ食べてもらってからだね。


「…ほら。これだ」


 いつの間にかおじさんは戻ってきていた。そして床に重そうな袋を3つ置いた。


「…一つ10キロだ。確認してくれ」


 袋の口を開けて、中身を確認する。


「確かにお米だ…」


 だけど、籾殻が付いたままだ。脱穀ってどうやるんだっけ?


無限収納庫(インベントリ)の機能で、脱穀できます』


 え?!そんな機能あったの?


『解体と同じ原理なので』


 ま、まぁ確かにそう…かな?


『あと、小麦粉も強力粉、中力粉、薄力粉などに分離できます』


 …うん。もう何も言うまい。


「…どうだ?」


「大丈夫です。それでお代は?」


「…1キロで300リシアだ。だから…」


「9000リシアですね」


 そう言うと、おじさんは驚いた顔をした。あれ?計算間違った?


「…計算はやいな」


 あ、そこね。税金とか端数とかがないし、計算しやすいんだよね。


「そうでも無いですよ。それで、合ってますか?」


「…ああ。カードで払うか?」


「はい」


「…じゃあここに当ててくれ」


 水晶にカードを当てて、会計終了!でも9000リシアって結構高いね。まぁ平民の月収が5000リシアだし。馬の飼料なら、買うのは商人とかだろうしね。この値段は妥当か。


 買った3つの袋を無限収納庫(インベントリ)に収納し、店を後にした。


「ちょうどいい時間帯かしらね。それじゃあ宿に戻りましょうか」


「はーい」


 さて、いよいよ料理だ!まぁ許可が取れればの話だけどね。許可取れるといいなぁー…


 そんなことを考えながら、私はリナさんの後をついて行き、宿へと向かった。












 …………ちなみに、今度はリナさんと手を繋ぐことになった。なんで?





マリーナは2人に人気です…

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― 新着の感想 ―
[一言]  ジリル草の時も思いましたが、マリーナはもうイベントリ(容量・時間停止)を隠す気無いですよね(笑)
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