定員オーバーらしいです
不定期&字数少なめです。
「申し訳ありませんでした!!!」
目を開けたらいきなり土下座した人?がいて、そんなことを言い出しました。何故こんなことになっているのか、それは少し時間を遡れば分かります。
私の名前は松本 真衣。高校2年生です。
私はいわゆるクォーターで、自分で言うのもなんですが、日本人とは言い難い顔をしています。
銀髪に青色の瞳という珍しい容姿で、まぁ虐められました。それが原因で転校したようなもので…
この学校でもそうなるんだと薄々諦めながら自己紹介をしました。
「初めまして。松本 真衣と言います。こんな容姿ですが仲良くしてくれたら嬉しいです」
とまあこんな感じでしょうか?仲良くしてくれる人がいるといいですけど…。
…まさか仲良くなる前に別れないといけなくなるとは…
私が先生に言われた席に行こうとしたら、突然私の下の床、つまり教室の床ですね。それが突然青い光を放ち、私は意識を失いました。
そして冒頭に戻る訳です。挨拶もなくいきなり謝るとはどういうことなのでしょうか?
「とにかく、頭を上げてください」
そうじゃないと話が進みませんからね。
「は!すみません!」
さっきから謝ってばかりですね。
「とにかく、説明して頂けますか?」
私が何故なんか白っぽい空間にいて、見ず知らずのあなたに謝られているのかを。
「私としたことが…すみません」
「謝るのはもういいです」
一向に話が進みません。
「実は…あなたは定員オーバーにより、取り残されてしまったのです」
いきなりそう言われても、話がまったく見えてきません。
「もっと詳しく説明して頂けますか?」
「…はい。まず私の紹介からしますね。私の名前はグランドリア、惑星ティリシアの地を管理している神です」
「神…様ですか?」
正直信じられません。
「はい。信じられないかもしれませんが、とりあえず説明していきますね。まず、あなた方は惑星ティリシアに住む者たちによって転移されました」
「転移ですか?」
なんですか、そのありきたりな展開は。
「はい。通常転移は別次元の世界にいる人を召喚するもので、我々神はその作業を行うのです」
作業?
「どのような作業ですか?」
「別次元には多数の惑星があり、それぞれの惑星には管理する神が存在します。なので転移を行う場合、繋がる惑星の神に許可を取る必要があるのです」
なるほど。確かに勝手に干渉されるのは頂けないですね。
「で、今回が私たちの住む地球だったと」
「そういうわけです」
「なるほど。一応理解しましたが…」
「が?」
「定員オーバーとはどういうことですか?」
この神様は私が定員オーバーで取り残されたと言っていました。それが謎です。
「それは通路の定員のことです」
「通路?」
「はい。別次元と惑星、つまり世界と繋げる通路のことです。この通路は送る方と送られる方の神の共同作業で維持します。なので事前にどれだけの人を送るのかを確認しておくのです。それが定員です。そして今回、あなた方の言うクラスという単位で転移することになったのですが…」
なるほど。なんとなく分かってきました。
「つまり私がイレギュラーだったと」
そういうことですね。
「…っ!本来ならばこんなことはありえないのですが…何故かあなたがあそこに来るということが分かりませんでした」
うーん…神様ならなんでも分かると思ったら違うんですね。
「それで定員を間違った、と」
「…申し訳ありません!!」
また土下座してしまいました。さて、どうしましょうか?